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リストラも我が子の発達障害も怖くない。富裕層が実践する「コンティンジェンシープラン」で人生を楽にする方法=午堂登紀雄

コロナ禍でリストラの増加や収入減が報じられており、もし自分の身に起こったとしたら、多くの人にとっては死活問題でしょう。まさに絶望的な状況ですが、絶望感を薄める方法があります。それは、人生に「すべり止め」を置いて最悪の状況に陥ることを避ける方法です。今回は発達障害児を育てながら、立ちはだかる困難に柔軟に対応してきた筆者の考え方をお伝えします。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

絶望は「すべり止め」で防げる

人生において、失敗したり期待通りの結果が得られなかったとき、ほかの道やほかの方法がなければ挫折感を覚えやすくなります。

それを防ぐには、つねに複数の選択肢を用意しておくことです。

わかりやすいのが受験の「すべり止め」や就職の「内定」です。とりあえずどこかに合格していて進路が確保できていれば、本命校の受験や本命企業の採用選考も焦らず実力を発揮しやすいと言えるでしょう。仮に本命で失敗しても、それほど落ち込まずに済みます。

そしてこの発想を、人生の多くの場面で取り入れることを私は提唱します。

たとえば収入源も、会社の給料一本足打法ではなく、副業に取り組んでおき、仮に給料が減ったり途絶えたりしても生活は賄えるようにしておく。

婚活中の人であれば、早々に「この人しかいない」と絞り込むのではなく、ギリギリまで複数の相手をキープしておく。それならば、相手からの突然の「お断りメール」が来ても、気持ちを切り替えて次に行ける。

このとき、「自分が絶望を感じる場面は何か」「自分が精神的なショックを受けるのはどういう事態か」を特定しておくと、備える分野も特定され、取り組みやすくなります。

たとえば、「もし自分がガンになったら」「もし豪雨災害で自宅近くの川が決壊したら」「もし子どもが不登校になったら」「もし会社をクビになったら」といった場合に、「自分ならこれをしよう、そしてこれがダメでも、あれをやろう」という感じで、選択肢を複数持っておくのです。

人生はすべて二段構え

そういう意味でも、私はつねに二段構えの姿勢を持っています。

それは何かをやるときに、「二度三度と使い回しができる」「複数の目的を設定する」「一度の行動が複数の収入を生む」ことができるように設計しておくということです。

「二度三度と使い回しができる」は、たとえばこのメルマガの内容も、いずれ形を変えて今後発売される新刊に掲載する予定ですが、ページ数や編集の都合で一部がカットされたとしても、そのカット原稿をほかの書籍やネットコラムの原稿に使ったり、メルマガに使ったりというふうに無駄にしないようにしています。

あるいは講演のレジュメも、過去に作ったもののを組み換え、手直しし、最小限度の労力で新しい(ように見える)コンテンツに仕上げる、といったことです。

「複数の目的を設定する」とは、一方の目的が達成できずにダメになっても、もう一方の目的が達成できればよい、という考え方です。

たとえば、子どもの中学受験も「偏差値の高い有名中高一貫校に受かる」という目的だけでなく「小学校で学んだ内容を総チェックする」「継続的に勉強する習慣をつける」「自分なりの勉強法を自力で編み出す」などと複数の目的を設定していれば、仮に受験に落ちたとしても、それでガックリではなく、「受験を通して貴重な経験が得られた」とプラスの評価になるのではないでしょうか。

あるいは、私は海外不動産投資をしているのですが、「不動産価格の上昇で儲ける」という1つの目的だけでなく、「為替対策」「資産の分散」「インフレヘッジ」「税金対策」など複数の目的を設定しているので、仮に不動産で儲からなくても、他の目的が達成できれば御の字、と考えています。

Next: つねに一石二鳥の考え方。筆者は発達障害の長男にどう備えているか



つねに一石二鳥の考え方

「一度の行動が複数の収入を生む」とは、たとえば私の仕事のひとつでもある書籍執筆を例に取ると、まずは紙の本として書店に並びますが、同時に電子書籍化されますから、仮に絶版になっても電子書籍としてロングテールとして販売することができます。

あるいはコンビニ版のペーパーバックとして復活することもあります。

さらに、「自分がお金を払っていることを自分で事業化する」という発想で購買行動をしています。

たとえば、私はスポーツジムに通っています。そこで、「どうせ自分も通うのだから、自前でスポーツジムを作ったらどうか?」。プロテインを飲んでいますから「どうせ自分も飲むのだから、オリジナルブランドのプロテインを作ったらどうか?」などと考えるようにしています。

それで実際に始めたのが、いまは妻が運営している「ボイストレーニングスクール」と「子どものリトミック教室」です。

実際にやるかどうかはともかく、そういう発想で見れば、自分がお金を払っているサービスのビジネスモデルを分析し、自分ならどうしようかとアイデアを考える習慣がつきます。

発達障害の長男に備えて

自分の子どもの進学についても、二段構えのコンティンジェンシープラン(代替計画)を想定しています。

私の長男は発達障害で、その中でも自閉症という診断を3歳のときに受けています。いま6歳で小学校にあがりました。

しかし、自閉症児は低学年では学習が遅れることが多く、空気を読めずトンチンカンな発言をすることも少なくないため、いじめの対象になりやすいことがわかっています。

授業についていけなければ勉強が嫌いになり、学校も嫌いになる可能性があります。いじめに遭えば、それはもっと顕著になるでしょう。いじめではなくても、とくに子どもの持つ純粋さはある意味残酷であり、それが不登校や引きこもりの原因になったりもします。

そのため、先を見据えて起こりうる問題を想定し、それに備えた選択肢をいくつか持っています。

まず小学校は特別支援学級にしました。支援級であれば少人数制で比較的きめ細かな指導を受けられるので、メンタル面での心配はそれほどなさそうだからです。

ただし進度が遅く、日本の進学ラインからは落ちこぼれる可能性があります。途中から普通級に移ることは可能ですが、先ほどの問題が起こって学校をドロップアウトする可能性が想定されます。

保育園に通っているときでも、「保育園行きたくない!」「保育園楽しくない!」と言っており、別の保育園に転園して収まりました。おそらく彼にとっては、自分の興味関心とは無関係に行動を強要され、周囲の園児と同じようにふるまわなければならないという環境が苦痛なのでしょう。

ということは、仮に支援級から普通級に移れたとしても、日本の学校システムそのものが合わない可能性があります。

公立校がダメなら私立校への転校ですが、私立は学校ごとの伝統や校風が色濃く出るため、本人との適性が重要になります。それで仮に学校が合わなくても無理に通わせることをせず、変えればよいと思っています。

ただし私立の場合、成績次第では転入できない可能性があります。自由奔放という校風の学校に限って超難関の名門校であることが多く、入学するだけでも高い学力が必要だからです。

息子はおそらく学校の勉強では遅れる可能性があり、この案はちょっとハードルが高いかもしれません。

Next: 「すべり止め」思考の具体例。思い通りに行かない人生を生き抜くには?



日本の教育システムから外れる可能性、代替プランは?

次の選択肢はオルタナティブスクールです。たとえばモンテッソーリ校やサドベリー校のような、本人の個性を尊重し探求を重視する学校への転校が考えられます。

ただしこれらのスクールは文部科学省の認可を得られない「各種学校」であることが多いため、卒業単位として認められず、内申書も出ないので高校への進学もできないところが多い。そのため日本の大学に進学するには高卒認定試験(昔でいうところの大検)を受験し認定を受ける必要があります。とはいっても、私は日本の大学はあまり信用していないので、本人が望めばこういうところでもいいかなと思っています。

もし日本の教育システムから外れたら、家族で米国への教育移住を選択肢として持っています。

実は子どもが生まれる前はマレーシアへの教育移住を考えていました。この留学は、英語と中国語の習得のためと、多民族国家・多宗教国家の中で、多様な価値観に触れさせるためです。

マレーシアは旧イギリス領であり、華僑など中華系が人口の約3割を占めることから、学校ではマレー語だけでなく英語と中国語でも授業が行われています(そのため現地ではバイリンガルどころかトリリンガルが一般的)。日本語に加えて英語と中国語もできれば、世界のほぼすべてのビジネスシーンで通用するだろう。

また、マレーシアはイスラム圏ですが、基本的には多民族・多宗教国家なので、キリスト教やヒンズー教、仏教などとも共存している多様性がある。今後はイスラム人口が世界最大になる見込みですし、そんな社会でコミュニケーションしていくのは、貴重な経験になるだろう、と考えてのことです。

そのために現地に不動産まで買ったのですが、長男が自閉症とわかってからは、アメリカの方がよいのではないかと考えています。

発達障害児の個性を認め、その才能を引き出す教育環境の整備・充実度は、いろいろ調べるとやはりアメリカが世界最先端だと感じているからです。

海外移住にもリスクはある。失敗したらどう対処?

ただし幼少期に渡米することにもリスクはあり、それは日本語も英語もどちらも中途半端になりやすい点です。

高校や大学からなど日本語力がしっかり身についたタイミングでの留学あれば、日本語が「母語」「思考言語」として定着し、ブレることはあまりありません。

しかし、長男はただでさえ日本語の獲得が遅れているのに、さらに遅れてしまえば、細かなニュアンスの説明やら悩みごとの相談やらが日本語でしっかりできなくなる恐れがあります。

実際、アメリカ在住の私の知人の娘さんで、日本語ではうまく親に相談できず、一方で親はそこまで複雑な英語表現を理解できないので困っているという話を聞いたことがあります。また、英語と日本語が混じった会話になることもよくあるそうです。

小さな子どもはすぐに現地の言語を習得しますが、家庭の中では日本語を貫いていても、友達が英語を話せば英語の方がラクになり、どうしても英語に流れてしまうようです。

長男の場合も日本語より英語の発音の方がスムーズで、たとえば「りんご」よりも「アポー(アップル)」を先に発語したくらいなので、おそらくその懸念は現実になりそうです。

もし日本語ができなければ(言語面では)単なる英米人ですが、英語圏に行けば幼児も老人もホームレスでさえ英語を話すので、英語だけでは何の差別化にもならない。

日本語ができてこそ第二言語が生きるわけで、バイリンガルであることに意味がある……とかつてはそう考えていたのですが、最近はそれも少し変わりました。

人生は想定外が当たり前。代替プランが身を助ける

それらは結局私のエゴに過ぎないと。言語に関係なく、本人の自己肯定感を高めることや、何かに没頭できる環境のほうが最優先であると。

なので仮に日本語が不自由だったとしても、英語など他の言語で補うことができ、それで好きなことを見つけて成果を出せるのであれば、本人にとってはそのほうがいいかなと思っています。

という感じで、つねに複数のコンティンジェンシープラン(代替プラン)を持ち、その選択肢すらアップデートを続け、とりあえずやってみて子どもに合っていないと思えば変える。

こういう柔軟さを持って、子どもの教育プランを考えていきたいと思っています。

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image by:fizkes / Shutterstock.com

午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2021年4月12日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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