老後2000万円問題が話題になりましたが、前回記事で老後は生活費だけでも4,000万円が必要だとお伝えしました。では、生活費以外の資金はいくら準備しておけば安心なのでしょうか?医療費や介護費、想定されるライフイベントから具体的な金額を計算します。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
老後25年間の生活費で4,000万円の貯金が必要
当メルマガでは前回、老後の生活費だけでも4,000万円が必要と試算しました。
ただし年金額はそれぞれ違いますので、50歳以上の方は年金定期便で正確な不足額を計算してみてくださいね。
老後の平均な余命である25年間の生活費は、36.1万円 × 12ヶ月 × 25年で1億830万円です。ここから受給予定の年金額を差し引いてくださいね。
今回は、生活費以外で老後にかかる費用を考察したいと思います。
住宅リフォーム・葬儀・車の買い替えで600万円は必要
65歳以降にかかる費用としてしは、住宅のリフォーム費用があります。費用としては、200万円くらいを見積もると良いでしょう。
車がないと不便な地域にお住まいの場合は、買い換え費用としてさらに200万円が必要です。
また葬儀費用も、200万円くらい予定しておくと良いでしょう。
また、お子様が晩婚の場合は、結婚費用が100~300万円くらい必要です。お子様のマイホーム取得費用を援助したいのであれば、その資金も必要です。
Next: 医療費と介護費用が重要。いくら用意すれば安心して暮らせるのか?
医療費と介護費用が重要
そして準備が必要なのは、医療費と介護費用です。
老後のための医療費としては、200万円~400万円は用意しておくと安心だと言われています。
次に、介護費用についてです。一時費用の介護費用は、平均で69万円、介護費用の月額平均は7.8万円で、その介護期間の平均は、54.5ヶ月となっています。7.8万円 × 54.5万円で、425.1万円。これに一時費用69万円を足して、494.1万円です。
医療費と介護費用で、700万円~900万円程度を準備していると良いでしょう。
老後を不自由なく過ごすには5,400万円が必要
まとめると、
・老後の生活費:4,000万円
・ライフイベント費:600万円
・医療介護費:800万円
合計で5,400万円が必要になります。
贅沢をしなければ、もっと少ない費用で暮らせる
ただ、この数字を鵜呑みにしないで欲しいです。そもそもの老後の生活費ですが、贅沢をしなければ、平均的な支給額の約22万円で足りるのです。
住宅リフォーム・葬儀・車の買い替えなどが考えられるライフイベント費ですが、葬儀は簡素化が進んでいることもあって、節約できる可能性があります。そうすると必要なのは500万円くらいで、医療介護費用の700万円と考えたら、500万円+700万円で1,200万円です。ちょうど退職金で準備できるぐらいでしょうか。
つまり、現状の年金支給が続けば、贅沢資金のみを貯蓄しておけばなんとかなるのです。
『教育貧困にならないために』(2021年5月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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