コロナ感染爆発という状況でも為替相場は無反応に見えますが、これは嵐の前の静けさでしょうか?日本株も日本円も大きく動くのは、菅政権の「悪あがき」が見られる秋の総選挙前後になりそうです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年8月12日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
日本は危機的状況にある
お盆ウィークが明けて、東京都心部はいつもと変わらぬ生活が戻ってきているようにみえます。
ただ、東京での感染者数は爆発的に増えており、積極的にPCR検査をしていないにも関わらず陽性率は35%などとなっています。
つまり、実際にはその数倍以上の感染者が都内をうごめいている可能性すらあります。
すでに隔離施設や病院に収容できないコロナ感染者は、「自宅療養」という名の放置プレーに直面。
ここからは何の治療も受けられずに、自宅で亡くなる方も激増するのは時間の問題となっています。
また、コロナと関係のないケガや病気でも、すでに病院で治療を受けられない状態が示現しているといいます。
全体が可視化されていないために危機感は感じられませんが、現実は凄まじい状況に陥っているようです。
この危機的状況は相場に影響を与えないのか?
さて、こうした事態に直面すると、まず心配しなくてはならないのは人命ですが、このメルマガはFXを扱うものですから、当然、相場への影響が気になるところです。
日経平均のほうは、とうとう海外投資家がまったく買いに来なくなったことから、企業の四半期決算が好調で割安感があるといっても、まったく市場に響くものはない様子。
米国株がどれだけ史上最高値を更新しても、まったく関係のない動きをみせています。
まあ日銀も、相場下落にETFを買い支えに来なくなっていますし、この先の景気悪化、コロナ感染拡大を考えると、すでに株価のほうはコロナの材料も織り込み始めているのかもしれません。
早晩、日経平均は2万7,000円を下回る状況に遭遇できそうな状況です。
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円相場は無反応?それとも嵐の前の静けさか
ただ、為替のほうは本邦の感染拡大起因で何か動きが出るかと思ったものの、しょせん極東の経済衰退国における感染拡大など、アルゴリズムもAIもまったく気にしていない様子。
まったく為替相場の材料としてはワークしていない状態が続いています。
コロナはやはり、米国で決定的な問題が起きないことには、相場には反映しないままなのかも知れません。
これだけとんでもない状況でも、なんら相場に感応度がないというのも、ある意味ずいぶんと残念なものがありますが、仕方ありません。
これが、この国の影響力の程度ということなのでしょう。
非常事態宣言はさらに地域を拡大することが決まったようですが、もはや国民の関心は低く、昨年5月頃のような危機意識が再顕在化することはないものと思われます。
いっそ「本邦滅亡危機宣言」とでも、名前を変えたほうがよろしいのではないかとさえ思う次第です。
むしろ菅政権終焉のほうが大きな材料になる可能性も
相場にとってより大きなインパクトを与えそうなのは、コロナのダイレクトな惨状ではなく、それを受けて完全に無為無策の状態に陥っている菅政権が、長くないことになるのかもしれません。
海外勢は短命政権を非常に嫌いますから、株も為替も、この情報に反応するほうが大きくなりそうです。
とくに支持率が30%を割り、菅政権は継続しないで欲しいとする層が65%という今の状況では、与党が「秋の総選挙」に負けるのはもはや決定的と言えそうです。
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菅政権の「悪あがき」が最大のリスクに
当面は、この選挙情勢が相場に大きな影響を与えることになりそうです。
しかし、菅首相は総選挙をひっぱりにひっぱって、11月後半に実施し、それまでに、とにかくワクチン接種を完了させる腹積もりがあるようです。
それでも、果たしてワクチンが本当に確保できて、順調に接種できるのかは怪しいところ。結局、菅政権継続危機という問題に、コロナもワクチンもすべての材料が盛り込まれることになるのかもしれません。
とにもかくにも、日本株も日本円も、ここからは何らプラスに働く材料はありません。ですから、ネガティブな方向に相場が動くことは、相当に覚悟しておくべき時間帯のようです。
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『今市太郎の戦略的FX投資』(2021年8月18日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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