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30歳で人生設計を作れば老後安泰。年金暮らしの生活費はいくら必要か?=牧野寿和

思い通りの人生を歩むには、30代のうちに人生設計を作ることが近道です。ファイナンシャル・プランナーの私がよく質問される「老後の生活費はいくら必要?」に答えながら、ライフプランを立てる具体的な方法を解説します。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

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プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

「30歳から」老後を含めた人生設計を

ファイナンシャル・プランナーの私のところに相談にみえるのは、20歳代の方もいますが、多くは30歳になってからの方です。

その内容はさまざまですが、相談後に共通して言えることは、漠然とした人生設計から、具体的な人生設計に変わるということです。

そこで今回は、30歳から考えておきたい人生設計についてお伝えします。

30歳になれば、勤務先の同僚や同級生を見ても、
・就職している人
・起業した人
・学生の人
・家庭に入った人
・無職の人
などなど、いろんな環境の中で生活をしています。

この環境の基本となるのは、これまでの人生の多くの時間を過ごした「家庭」です。

具体的には、家庭の中心である両親からの教えや、兄弟姉妹、祖父母、親戚の言動。また、友人や学校の先生、共通の趣味で知り合った人、本や映画から学んだこともあるでしょう。

基本的には、これまで過ごしてきた環境から、意識的に、また無意識に学び、その学びを、これからの自らの行動に、生かしていくのです。

「現役」と「老後」を分けて考える

そもそも自分の人生ですから、自分の思うように創っていけばいいのです。しかし、誰しも失敗はしたくないもの。

私のところにも、自分の創ったこれからのストーリー(人生設計)に評価を求める人や、漠然とこれからの人生どうしたらいい?と相談にみえる方もいます。

そのようなとき、私は「収入を稼げるとき」と「老後の生活のとき」の2つの時期に分けてお話いたします。

では、順にお話しいたします。

稼げる現役時代はライフイベントでお金がかかる

お金を稼げるとき(つまり現役中)は、必ずしも同じような生活ではありませんが、
・結婚
・子ども誕生
・住宅購入
・子どもの教育資金
・老後の生活の準備
といった、多くのイベントがあります。これらの行事にはすべてお金が必要です。

Next: 老後と現役でどう変わる?30代から備えが人生を豊かにする



「老後の生活」を考えておく必要

ここでいう「老後の生活」とは、家計の収入が主に年金収入となったあとの生活のことです。

この老後の生活に(現行法では公的年金がもらえる)65歳から入ったとします。

自分ひとりで生活できる健康寿命は、日本では男女の平均が74歳ぐらい。その先の寿命は誰にもわかりませんが、統計的には、その後も10年近くは生活することになります。

年金生活に入ってから約20年と、「老後の生活」は長い期間になります。

このような長期間に渡って生活をしていくうえで、人生は何があるのかわかりません。

どのように過ごしていくか、道標いわゆる「ライフプラン」を一度書いておけば、人生の指針が明確に把握でき、人生に転機が訪れたときには「ライフプラン」を書き直せばよくなります。

「ライフプラン」に書いておいて欲しいこと

ライフプランには、少し手間はかかりますが、次のことを書くようにしてください。

・すでに決まっているイベント
・やりたいと思っていること
・毎年の予定収入
・家計の支出
・貯蓄額

エクセルなどの表計算ソフトを利用すれば、イベントを付け加えるときや変更があった時も、容易に表示できます。

相談者によく聞かれる「老後の生活費はいくら必要?」

老後の生活についてよく聞かれることは、「老後の生活費はいくらにしたらよいか」ということです。まだ30歳の方にとっては先のことですが、これには目安があります。

収入については、現役期間は予定している収入を、老後期間は現行でもらえる年金額を記入します。

家計からの支出は、生涯、現状の通りでよいです。

従って、今後、住宅購入や子どもの教育費といったまとまった支出の予定があるときは、また現状の家計収支では「老後の生活」が厳しいようであれば、いまから支出額を減らす生活に慣れることです。

可能であれば、収入を増やす方法も検討していいでしょう。

Next: 30代以降でも遅くない。設計図を描いて思い通りの人生を



人生はまだ始まったばかり

今から老後の生活まで考えて?……と思うかもしれません。

しかし、ライフプランを作成して、人生の軌道を敷いたうえで生活をするほうが、闇雲に生活をするよりも、心に余裕のある生活ができるでしょう。

なにも冒険をしてはいけない!と言ってはいません。

30歳、これからは経済的にも自活した思い通りの人生にする「出発の年齢」ですから!

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image by:maroke / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2021年9月29日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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