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日本人の8割が加入する生命保険はムダだらけ。対策すべきは不慮の事故より長生きリスク=俣野成敏

今回は「家計簿診断」特集をお送りします。現在、新型コロナウイルス問題の発生によって、多くのサラリーマンが収入減少に見舞われたり、勤務形態の変更を迫られたり、といった状況なのではないでしょうか。このような時に威力を発揮するのが、家計簿の見直しです。家計簿と聞くと、一瞬、地味な作業のように感じられるかもしれませんが、実はもっとも即効性があり、効果は抜群です。本特集で、その威力の一端をお見せしたいと思います。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

【関連】天才投資家バフェットが警鐘。なぜ日本人は収入が途絶えた老後から投資をするのか?=俣野成敏

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2020年6月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
ビジネス書著者、投資家、ビジネスオーナー。30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、自らの投資経験からマネーリテラシーの向上が不可欠と考え、啓蒙活動にも尽力している。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが11万部に。著作累計は45万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を4年連続で受賞している。

最初に食費や娯楽費を削ると挫折する

今回は「家計簿診断」特集をお送りします。本日は、独立系FP(ファイナンシャルプランナー)にしてFAN GLOBAL SOLUTION PTE. LTD.の専属コンサルタントを務める梅原将志さんからお聞きしたお話をもとに、家計簿診断のコンサル現場を再現していくことにしましょう。

※筆者注:本記事は、梅原さんへの取材をもとに、筆者(俣野)が適宜内容を補って執筆しています(話者の敬称略)。

プロフィール:梅原将志(うめはら まさし)
学校を卒業後、グラフィックデザイナーを志すも、就職に失敗。失意の中、地元に帰って数ヶ月間、工場に勤務するが、安い給料と単調な仕事内容に絶望し、営業の世界に飛び込む。大手通信機器メーカーに就職。無我夢中で売上全国1位を達成するが、ふと「お客様の人生に貢献できているのか?」という自身の生き方への疑問を持ったことがキッカケとなり、顧客の人生のプランニングを行うファイナンシャルプランナー(FP)への転身を決意。独立系FPとしての活動を開始する。顧客よりお金の相談を受けているうちに、「理想の人生設計を実現するにはお客様とともに成長すべき」ことに思い至り、世界基準の金融教育を行っているFAN GLOBAL SOLUTION PTE. LTD.の専属コンサルタントとなる。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)所持。現在は、年間500件を超えるマネーコンサルティングを行い、顧客最優先の提案ができる仕事に、やりがいを感じている。

【ポイント】2019年、日本人の平均寿命は過去最長を更新

今回、支出の見直し項目として取り上げるのは「生命保険」についてです。

支出の見直しをする際に、多くの人が思い浮かべるのが「食費や娯楽費を節約する」ということでしょう。確かに、目に付きやすいのは事実ですが、ここにいきなり着手すると、かなりの確率で挫折します。生活の満足度を下げやすく、欲求不満になりやすいからです。

支出を見直すコツとしましては、「もっとも痛みを感じることが少ないものから削減する」ことが挙げられます。

特に、毎月かかってくる「固定費」を見直すことは効果が高く、お金が手元に残るようになると、自然に「もっと他に削減できるところはないか?」と考えるようになります。

そういう意味では、保険が一番取り組みやすいのではないかと思う次第です。

国民の8割が加入する「生命保険」から見直そう

生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は、平均して男性が81.1%、女性が82.9%となっています。

年齢別に見ると、40代の加入率がもっとも高く、男性が91.0%、女性が89.0%という結果になっています。保険の加入率でいうと、前回の調査時(2016年)よりも男性が0.5ポイント、女性は1.6ポイント、それぞれ増加しています。
※参考:「生活保障に関する調査」 – 公益財団法人 生命保険文化センター

一方、国税庁の「平成30年(2018年)分民間給与実態統計調査結果」によると、サラリーマンの年収が6年連続で増加していることが明らかになっています。
※参考:平成30年分民間給与実態統計調査結果について – 国税庁

それにも関わらず、生命保険の加入者が増えているというのは、それだけ将来に対して不安を感じている人が多い、ということの表れなのでしょう。

本特集で取り上げるのは、シングルファーザーのKさん(35歳)の事例です。

地方にお住いのKさんは、車の製造工場に勤めながら、小5と小3のお子さんを育てています。実家の近くに移ってきた際に、以前の勤め先を辞めざるを得ず、現在は非正規雇用となっています。

ここ数年、Kさんのお父さんの体調が優れないため、子どもを完全に両親に任せることができません。子どもがいるので残業ができず、収入は月20万円ほど。ただ、そこに子どもの児童手当と児童扶養手当が加わるので、収入は総額で月30万円弱あります。

Kさんが不安を感じているのは、「自分に万一のことがあったら、子どもたちはどうなるのか?」ということ。両親も年老いてきており、将来のことを考えると、気が気ではありません。

Next: Kさんは大卒ではなかったため、新入社員として入った会社では、同期との――

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