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物価上昇で米ケンタッキーの看板メニュー消滅へ。外食チェーンを襲う悪性インフレは日本にも

米国のインフレが問題化しており、現地の一般市民の生活にも深刻な影響が出てきています。ケンタッキーが供給不足で看板メニューを取りやめるなど、多くの有名外食チェーン店が対応に追われています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

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※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2021年9月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

国際的な外食チェーンから看板メニューが消えている

国際的な外食チェーンでは、充分な仕入れができず、代表的な人気メニューを消滅させています。これが物価上昇の究極の姿です。

最初に取り上げるのは、我が国でも人気のあるKFC(ケンタッキーフライドチキン)の鶏肉の入荷不足から。海外報道を翻訳してご紹介します。

大手外食チェーンのタコベル、スターバックス、KFC(ケンタッキーフライドチキン)、マクドナルドなどは、多かれ少なかれ、材料不足でメニューの数を減らしている。

KFCの場合は、9月に英国でメニュー品目を削っていたが、今度は米国でも鶏肉不足でメニューを減らした。「顧客の要望を満たすだけの供給がない」と嘆く。

養鶏産業は、深刻な供給不足が続いている。原因は、養鶏場の従業員不足にある。この供給量の不足のために、KFCの顧客は他のチェーン店へ流れているという。

※参考:Supply chain challenges continue to plague restaurants(2021年9月9日配信)

米国最大の食品スーパーで「配達できない」事態が発生

次は、時代に合わせてビジネスモデルを変えようにも、人手不足でどうしようもない状況になっている大手食品スーパーの例です。こちらも海外報道を翻訳して要点をお伝えします。

米国最大の食品スーパー・Kroger社の問題は、購入代理(Instacart)の従業員不足だ。オンラインで個人顧客から注文を受け、店内で代理購入し、30分以内に顧客の元へ配達するサービスを展開しているが、求人難で従業員が集まらず配達できないのだ。現在、約2万人の求人をかけているが、十分な数が集まらない。

Krogerスーパーは全米最大で2,700店舗以上を展開しており、46万人以上の従業員を雇用している。

大手小売業はすべて人手不足にあり、アマゾン、Target、ウォルマートなどでは何らかの特別手当や、時間給を増やしているが、それでも人手不足解消には至っていない。

Kroger社は、他社と競争するために時給を順次上げて、ハイテクを使って生産性を上げていると述べているが…。

※参考:Kroger CEO says hiring is a big challenge, as it teams up with Instacart(2021年9月14日配信)

Next: 有名店に影響続々。ペプシコは値上げ、ダンキンドーナツは一時閉店へ



ペプシコは値上げ、ダンキンドーナツは一時閉店へ

消費者の家計に直接影響する分野では、ペプシコ社が物価上昇で値上げをすると発表しています。

すでに原材料価格上昇、人件費上昇、輸送費高騰、利益減少で値上げせざるを得ないが、今年下半期は、さらに物価上昇が大きな問題になるだろうと発表。

先物購入によってある程度の在庫があるため、これまでは値上げを回避していた。ペプシコ社の業績は、昨年比で11%成長を見込んでいる。

全米各地の大手外食チェーンでは、人手不足が顕著に表れているが、それが田舎の小さな店でも起きて、閉店するケースが出て来ている。

コロラド州のコロラドスプリングにあるドーナツ「ダンキン」店は一時閉店を余儀なくされた。

コロラドスプリングスと言えば、空軍士官学校のある場所だ。臨時閉店した店は開業から55年目の店。今まではスタッフ15名で営業していたのだが、閉店時点には3人しか居なくなっていた。

この地域のダンキンドーナツ店を運営管理しているのはJP Partners社だが、過去1年半で臨時閉鎖した店は2店舗。どれも人手不足が理由だ。

※参考:‘We just can’t get people to work’: A Colorado Springs Dunkin’ closes temporarily, victim of common refrain | Subscriber-Only Content | gazette.com(2021年9月13日配信)

外食産業はメニューの価格を上げるしかもう手が無い

外食産業はもう、メニューの価格を上げるしか手が無いと言います。最後の事例を紹介します。

レストラン等の必需品であるフォーク、ペーパーナプキン、包装資材の価格が50%以も上高騰している。グローブ(使い捨て手袋)の場合、1,000個分/箱が以前は18ドルだったが、今では90ドルと5倍に値上がりした。

世界でトップ20に入るビール酒場チェーンのオーナーによると、「サプライチェーンがことごとく壊れてしまった。港湾労働者・トラックドライバーの欠員、物資の供給不足によって物流費も上がっている。鶏の手羽肉でも、以前は1箱で50ドルくらいだったが、最近は4倍の196ドルに値上がりした」と述べた。

なかには仕入れコストの上昇で、メニューから外したものもあるそうだ。その一例は蟹料理である。「好評な品目だった、蟹肉ケーキを無くした。蟹肉は以前は21ドル/ポンドだったが、最近は2倍以上の52ドルになってしまった」とのことだ。

※参考:Restaurants have no choice but to raise prices(2021年9月14日配信)

このように、米国ではインフレ(物価上昇)と供給不足が市民生活に大きな影響を与えはじめています。

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2021年9月配信分
  • 呑んだくれ従業員が作っていた?(9/30)
  • 今後の物価上昇の色々な要因のまとめ(9/29)
  • 制裁は当然。しかし結果は望む方向にはならない(9/28)
  • 金鉱山では利益が出ないので!(9/27)
  • フェイクがどうか 御自分でチェック下さい(9/26)
  • 英国公衆保健局: 第23週span class=”back-numbers-date”>(9/25)
  • 超重要:1999年IMF文書、第19部 38頁目(9/24)
  • ペーパー・マネーと言う大発明(9/23)
  • 消費者物価指数:2021年8月(9/22)
  • 2021年8月:生産者物価指数(9/21)
  • 弱酸性次亜塩素酸にコロナ不活化効果(9/20)
  • 政府筋情報:2021年8月累計(9/20)
  • 本当の話はコソコソ話でしか話せない(9/19)
  • インド 新DNAワクチン 緊急認可(9/18)
  • 超重要:1999年IMF文書、第18部 36,37頁目(9/17)
  • 金鉱株 対 金価格(9/16)
  • いよいよ追放か?? 続編(9/15)
  • 丸裸にしようぜ(9/15)
  • インド:2021年9月上旬(9/14)
  • 米国:COMEX持続可能?(9/14)
  • メディアは言わないが、バラバラ(9/13)
  • 供給不足で御免なさい:2021年8月実績(9/13)
  • いよいよ追放か??(9/12)
  • 最初の完全検視報告(9/12)
  • 政府筋情報:2021年8月累計(9/11)
  • インド法曹界:WHOを告発(9/11)
  • 授乳乳児を死なせた母親(9/10)
  • 超重要:1999年IMF文書、第17部 32-34頁目(9/10)
  • 世界中で集団ヒステリア(9/9)
  • BASEL3:価格の再下限の妄想と損益分岐点(9/9)
  • 海外で公開されている情報では(9/8)
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  • 海外で公開されている情報では(9/8)
  • イベルメクチンを巡る攻防(9/8)
  • ドイツ:2021年上半期(9/8)
  • 接種率95%でも感染は増える(9/7)
  • 家賃延滞と立退き禁止命令(9/7)
  • FDAのトップ2人辞任(9/6)
  • サウジアラビアは何処へ漂流するのか?(9/6)
  • 医者達の噂話: 記録の為に残します(9/5)
  • 記憶している人は殆ど天国かも(9/5)
  • 何故、此れ程 悲観的なのか?(9/4)
  • どうして 静脈注射でなく、筋肉注射?(9/4)
  • 超重要:1999年IFM文書、第16部 31-32頁目(9/3)
  • 此れが真実ならば、不都合な真実かも(9/2)
  • 現在 バブルか?否か? No.3(9/1)

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image by:Bjoern Wylezich/ Shutterstock.com
いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2021年9月29日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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