6月26日のG7開催を前に、23日開催されたBRICS首脳会議で、BRICSバスケット方式の準備通貨開発の作業を開始したとプーチンは発表した。資源生産国連合によるBRICS通貨と米ドルを基軸通貨とする資源消費国との世界基軸通貨戦争はどちらが勝者となるのか?このままでは世界の分断は避けられない。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2022年6月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プーチンが仕掛けた金融戦争
プーチンの金融戦争の中核はこれだ。これを実現させてはならない。以下、海外の報道を翻訳して紹介します。
イラン外務相は6月27日に「イランはBRICSに正式加盟申請を提出する」と公式に発表した。
イラン外務省報道担当官は「BRICSは多くの分野で非常に建設的な機能を持っている」と語った。
既に外務省は、加盟申請に関しての打ち合わせをBRICSと行っているとの事。
イランの加盟が実現すれば、BRICSは全世界のGDPの30%を占め、世界人口の40%を占める規模となり、その分 価値が増えるだろうとも語った。
24日 イランのEbrahim Rais大統領は、中国主催のBRICSのバーチャルサミットで、同国がBRICS内で果たせる役割、発揮できる能力や可能性について演説した。
イランだけでなく、アルゼンチンのAlbertoFernandez大統領も、既にBRICS加盟申請を終えている。
22日のサミット会議の討論で、プーチンは 五カ国の通貨バスケットで世界的準備通貨を創設するために共同作業を開始していると表明した。
金融戦争ではしぶといプーチン
物理的戦争ではプーチンは負ける公算が大だが、金融戦争ではプーチンはしぶといと、常々言ってきました。しかし プーチンが勝利する可能性も出て来ました。よって何としても、欧米、日本等、民主国家を除く国民は、プーチンを早く退陣させなければなりません。
プーチンが退陣しないとなれば、恐ろしい未来が待ち受けます。外れる事を望みますが…。
・ブラジルは農作物等の資源
・ロシアはエネルギー、農作物、貴金属
・インドは小麦、全世界の医薬品原料を
・中国も農作物、医薬品原料等の資源、
・南アはゴールド、白金族の貴金属
BRICSだけでこれだけの輸出余力があります。
Next: プーチンは借金を踏み倒し、夜逃げすれば勝てる
ロシアのデフォルトは経済制裁としての効果はない
ロシアのデフォルトは経済制裁とはならないでしょう。
LTCMヘッジファンドの破綻は、ソ連の崩壊が引き金でしうた、それでデフォルトを起こしたのは ソ連国債を保有し、金地金の大量空売りをしていた米国のLTCMでした。
ソ連はもうその前に崩壊しており、被害を受けたたのはLTCM。
ソ連は新しい名称ロシアで国家として再建されました。
一体誰が強いのか?という問題なのです。マネーを貸した債権者が強いのか?借金で首が回らず夜逃げした債務者が強いのか?
踏み倒されれば、金貸しの方が苦しむ!
居直れば、どちらが強いか?判らない。
最後に勝つのは資源の現物を持つ国
商品という現物を持っているロシアの通貨ルーブルは、侵攻後大幅下落しましたが、現在はルーブル高になっています。
ロシア産の原油、天然ガスが欲しければ、ルーブルで払えとプーチンが主張したからです。
他の通貨は要らないと言ったからです。
地球上の耕作面積は有限です。それに対し世界人口は増えすぎました。その証拠に異常気象があれば、直ぐに飢餓問題が発生します。
資源も同様です。
つまり資源現物の所有者が勝ちなのです。
さて、ロシア原油等には、ルーブル建てとなり、ブラジル、インド、中国、南ア等も それぞれ自国通貨での取引を要求し出すと、どうなるでしょうか?
それらの通貨は通貨高となり、相対する米ドル、ユーロ、日本円は通貨安で苦しむことになります。更なる物価上昇が続くからです。
自国通貨安で悩んで来た、イランやアルゼンチンは、これを見てBRICSへの加盟を望むでしょう。
せめて自国の輸出余力のある資源物資は、自国通貨建てに変えたいでしょう。
しかし一カ国だけではどうにも出来ません。そこで合同でSDRの如きバスケット通貨を創設しようとプーチンは呼び掛けているのです。
Next: プーチンをこのままにしておくと世界は3つに分断される
米ドル基軸、BRICS通貨、日和見諸国3つに分断
このままでは世界は下記のようなグループに分かれていくでしょう
(1)BRICS資源バスケット通貨を支持する拡大BRICSグループ(資源輸出国グループ)。中近東に属さない産油国、南米諸国、アフリカ諸国がどんどん加盟申請するかもしれません。(特に反米意識が強い国家群)
(2)米ドル基軸の世界、従来の欧米、日本等の資源消費国グループ
(3)日和見諸国(様子を見て態度を決めようと言うグループ)
この様な未来を防ぐ事ができるかは、いかに多くの人々が現状に気がつくかによって大きく変わります。
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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による