現在の円安についてマスコミは悲観的な報道を繰り返しています。円安は本当悪いことなのでしょうか?また、諸外国では金利を上げる金融政策をとっていますが、なぜ金利が上がると物価上昇は抑えられるのでしょうか?誰でもわかるように簡単に解説します。
(『教育貧困にならないために』川畑明美)
あなたはお金に支配されている?
お金に支配されている状態とは、どんなことなのか考えたことありますか?
例えば、こんな行動です。
「福袋を買ったら中身の商品の定価をネットで調べる」という行動です。
1万円で買った福袋の中身の定価は5万円だったらあなたは、得した気分になるはずです。
ところが得したつもりなのに福袋に入っている服をあなたは気に入っているのでしょうか?
結局着ることがなければ1万円を損したことになります。
こういう行為も、お金に支配されているということです。
円安・円高も同じです。
消費者としては、円安になると食品や日用品が値上がりしますので、円安は個人消費者としては、デメリットです。
特にマスコミは、悲観的なこと報道をします。
それは悲観的なニュースの方が読まれるからです。
そういう報道が気になってしまうのもお金に支配されているということです。
どうして利上げが行われるのか?
お金の本質を考えてみましょう。
世界の中央銀行にとって高いインフレ率は最大の問題です。
インフレとはモノやサービスが上昇することです。
米国や欧州では、急激なインフレで賃金も上がっています。
なので米国や欧州では、賃金コストを引き下げる政策が適切と考えているのです。
中央銀行は、原油価格や食料品の価格上昇を直接的コントロールはできません。
そこでお金の需要を抑制することでインフレを抑え込もうとしているのです。
お金の需要を抑制するというのは、政策金利を上げるということですね。
金利が上がることで、雇用の減少や雇用の安定への懸念が高まり、所得の減少が引き起こされます。
給料が上がらない、リストラの恐怖など将来の生活に対する不安が大きくなるほど家計はできるだけ出費を抑え、質素な生活を心がけるようになります。
そうするとモノが売れなくなるのでインフレが収まるということです。
これが欧米でとられている政策です。
Next: 円安になることのメリット・デメリット
「円安」は悪いことなのか?
「円安の影響で輸入品の価格が上がり物価上昇が続いている」という報道は多いですね。
円安の報道を見ていると「円安は悪いこと」と思ってしまう人もいるでしょう。
まずは、円安のメリットとデメリットを考えてみましょう。
円安のメリットは、日本の製品を海外に売りやすくなることです。
海外からすると円安は、日本のモノやサービスが安くなる状態です。
輸出産業の業績向上や外国人の旅行者が増加することに繋がります。
また、日経平均株価も上昇する傾向にあります。
日経平均の225銘柄、いわゆる大企業は円安でメリットを受ける企業の割合が多いからです。
また海外資産、例えば米国株や米国ETF、投資信託でも海外の株価指数に連動するタイプの銘柄を購入していれば円安の影響を受けて上昇します。
円安になると大企業にはメリットですし投資をしている人にもメリットは大きいです。
円安のデメリットを受けるのは消費者
では、円安のデメリットは何でしょうか?
円安のデメリットは、輸入製品の価格が高騰することです。
例えばユニクロやニトリは、海外生産製品を輸入して販売するので円高の方にメリットがあります。
食品を中心に生活必需品やガソリンなど輸入に頼っています。
食品や日用品の値上げがあっても、賃金は、なかなか上がりません。
給料が変わらないのに支出が増えるのですから「生活が苦しい」「お金がない」と感じる個人は多くなります。
円安は、大企業や投資家にとってはメリットですが個人消費者としては、デメリットになります。
特に今年2022年は急激に円安が進みました。
1月は115円くらいだったのに10月には150円になってしまったのです。
何度か記事にしていますが、円安時に外貨建て資産を保有していないとあなたの資産が減ってしまうのです。
『教育貧困にならないために』(2022年11月5日、6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
教育貧困にならないために
[無料 ほぼ日刊]
人生で二番目に大きな買い物は、子どもの教育費。教育費を意識して貯蓄していますか?「実はコレだけ必要です」から、「学資保険でまかなえるのか?」「目減りしない資産管理」「我慢しない節約」「ゼロから稼ぐ方法」までを調べて実践したことを紹介しています。教育ローンに頼らず、老後資金も確保できる教育費の貯め方を伝授します。