イーロン・マスク氏が買収したツイッター社が、従業員のおよそ半数を解雇にした件で、日本法人においても同様の波紋が広がっているようだ。
一部報道によれば、日本法人でも幅広い部署で社員が解雇されたということで、なかでも広報部門に関しては、全員が解雇の対象となったという話も。
実際今月5日あたりから、日本のツイッター従業員アカウントの複数からも、レイオフされたといった声があがり始めている模様。さらにTwitter Japanの公式アカウントも、ツイートは11月1日が最後となっている状況で、こちらも大量解雇の影響かと推測されている。
キュレーションチームもあえなく解体か
イーロン・マスク氏といえば買収以前に、リモートワーク普及で社員が少なくなったサンフランシスコにあるツイッター本社に関して、“ホームレスのシェルターにすべきか否か”を自身のフォロワーに問う投票を行ったことも。
リモートワーク嫌いで知られるマスク氏が、逆にリモートワークを精力的に推し進めていたツイッター社における働き方、ひいてはその能力にも懐疑的だったのは、この一件をみても明らかだったのだが、まさか買収が完了するや否や、従業員のおよそ半数をすぐに解雇するとはと、世界中からは驚きの声が。ちなみにマスク氏だが、残った従業員に対しては、フルタイムでオフィスに戻るよう命じたとのことだ。
いっぽうで、ツイッター日本法人においても先述のTwitter Japanの公式アカウントが停止状態であるほか、さらに一部ではトレンドに古いニュースが表示されたままになっていたりするなど、大量解雇の影響が目に見えて分かるといった状況。
そんななかでも、もっとも大きな変化として多くの方から指摘されているのが、いわゆる左翼、フェミニズム、ポリコレ系といった、以前まではツイッター上のトレンドなどでしきりにあがっていた特定の系統の記事やツイートが、ほとんど流れて来なくなったという声だ。
Twitter Japanの連中が解雇されてから「ハフポストやバズフィードのゴミ記事がへった」「主婦の夫への愚痴やフェミ系ツイートが流れてこなくなった」「ポリコレやSDGsゴリ押しのニュースが流れてこなくなった」って猛烈なスピードで答え合わせはじまってる
— hoshimi12(ほしみ) (@hoshimi12) November 6, 2022
イーロン氏のTwitter買収以降、特定メディアの社説やポリコレ系記事のおすすめ欄ゴリ押しが激減した気がしてたんだけど、同じ感想持つ方を見かけて確信に近づいた
— Soraizumi (@KleinesGluck) November 5, 2022
Twitter、どう考えても読まれてなさそうなハフポストのジェンダー系の記事がトレンドに上がってくるの異様でしたよね。明らかに内部の職員による恣意的な表示させるコンテンツの選択あったと思う。陰謀論とかではなく。
— べゐこん (@okame366) November 6, 2022
ツイッターのトレンドは、アルゴリズムに基づいて自動でフィードされるものもあるいっぽうで、同社内のいわゆるキュレーションチームが優れた記事やツイートを見つけて紹介するといった形のものも存在。
ただ今回の大量解雇によって、そのキュレーションチームもあえなく解体の憂き目となった模様で、それによってこれまでそのキュレーションチームが優先して取り上げていた記事やツイートの“思想的傾向”が、図らずも明るみになってしまったというのだ。
さらにその騒ぎの一連で、ツイッターのキュレーションチームと一部メディアの間には、いわゆる“ホットライン”が存在していたことが広く知られることなり、それ自体はどうやらツイッター側のお気に入りメディアにしか開示されていなかったとのこと。
確かにTwitterのニュースフィードは更新されてない気がする。私たちメディアは自社記事のモーメントを作成→Twitterキュレーションチームに連絡→審査の上ピックされたりされなかったり、という手順を踏んできたのだけど、この作業はしばらくは意味を成さないのかな? https://t.co/tIQGO6Rbdc
— 竹下郁子 (@i_tkst) November 6, 2022
悪びれず、モーメントのこと話しちゃうのすごい(笑)
直接の担当ではないけど、これ本当だと思います。
今は知らないけれど数年前まではキュレーションチームとの"ホットライン"があり、それはTwitterのお気に入りメディアにしか開示されていないはず。
下駄を履かせたメディアの数は知らないけど https://t.co/vJ40JnxByY
— 徳重龍徳(ライター、グラビア評論家)@ホークス&ちいかわファン (@tatsunoritoku) November 7, 2022
要するにこれまでのツイッターは、思想的に相通じるメディアから中心にニュースをセレクトし、それらがさも世間から広く支持を集めているという風に装っていたフシもあるということで、SNS上からは「やっぱりトレンド操作は行われていた」との声が多くあがる事態となっているようだ。
Twitterのニューストレンドってインプレッション数とかで自動収集じゃなくて人為的操作入ってたのか、なんか色々察してしまった pic.twitter.com/zNf1Jfuqxn
— ゆびぶえ (@univ00009) November 6, 2022
要するに度々上がっていたレインボー()とかポリコレ()な話題はTwitter社の人間による恣意的なトレンド操作だった訳だ。これだけでもイーロンの言う、分断を深めているという言説を裏付けるには十分と言えよう。 https://t.co/vRItkyTkPr
— 黒ペンギン中佐@We shall never surrender (@SchwarzPinguin) November 6, 2022
大量解雇でスポンサーの離反も発生中
日本国内でも大きな騒ぎとなっているツイッター社の大量解雇だが、現地アメリカにおいては、事前通告なき大量解雇は違法だとして、複数の社員がすでにツイッター社を提訴している状況。社員の解雇などに関しての法的な縛りが、アメリカとは比べ物にならないぐらい厳しい日本でも、今後同様の動きが出てくることも大いに考えられそうである。
実際、今回ツイッター社から解雇された人々は「#LoveWhereYouWorked」「#OneTeam」などのタグで連携している模様。ただ、そこで語られている内容というのが、オフィスでフルーツやアルコールが食べ飲み放題だったという手厚い福利厚生を振り返る話であったり、「愛と尊敬と称賛しかない最高の仲間たち」といったノリの、いかにも“キラキラ”な話題が目立つということで、多くの人々が呆れている様子。
SNS上では先述のような偏った思想に基づいたトレンド操作“疑惑”も相まって、これじゃぁクビも当然……といった声も少なからずあがっているようである。
ツイッタークビになったらしき人のツイート
仕事中に酒飲んだとか、全世界に実社名を挙げて仕事の斡旋するとかツイートしている。
クビになるのもよく分かる。#LoveWhereYouWorked#LoveTwitter #OneTeam pic.twitter.com/8xsGWJteBo— kassyi (@kassyi6) November 6, 2022
「愛と尊敬と称賛しかない最高の仲間たち」
「ここでの出会いは一生の宝」
「支えてくれた友人や家族に感謝」
「ここで過ごした◯年は永遠」
「我々は“世界”を創造した」
「ランチとお酒最高」クビになったTwitter社員は仕事せんとサークル活動か何かやってたのか?#OneTeam#LoveWhereYouWorked
— TOMo with season3@恥ずかしながら戻って参りました (@season3tomyappy) November 6, 2022
「オフィスでフルーツ食べ放題でしたぁ~~www」
「オフィスでアルコール飲み放題でしたぁ~~~wwwww」
「TwitterJPで働けて幸せでしたぁ~~~~wwwww」
「ウェ~~~~~~~~~~~~~イwwwwwwwwwwwwwwwwwww」#LoveWhereYouWorked#OneTeamいや草。
— Γevenant🇺🇳 (@revenant_8037) November 6, 2022
このように今回のツイッター社の大量解雇に関して、少なくとも日本国内のユーザーの間では「妥当」「歓迎」といった声が多くを占める印象で、なかには「快適に使えるようになった」といった声までもあがる。ただ今回の大量解雇によって、問題投稿を監視する部門が弱体化するのでは……という危惧が、スポンサー筋には広がっているようで、大企業を中心に広告を引き上げる動きもあるとのこと。
広告収入が売上高の約9割を占めるというツイッター社にとっては、かなり由々しき事態と言えそうだが、それにより今後の存続が危ぶまれるとなれば、これまでツイッターを当たり前に利用していたユーザーにとっても、辛い展開となるのも間違いのないところだろう。
Next: 「インターネット寓話にしたい」
ツイッターの反応
なるほど、フエミニスト活動家がtwitter社内のキュレーションチームと示し合わせて自分達の記事モーメントをピックアップさせる世論操作を行っていた訳ですか。
内情暴露ありがとうございます。やはり解雇は適切でしたね。 https://t.co/1D2maNQc4f— 今宵のBBCワールド視聴者 (@Bbcbuta) November 6, 2022
Twitter Japanの社員が大量解雇された結果、キュレーションチームが解体され、ゴリ押しされていた主に左系メディアのニュースがピックされなくなり、解雇されたキラキラ社員の悲鳴の一方で「これでいいんだ」と喜ぶ人の声が相次ぐ。
これがPower to the Peopleか。 pic.twitter.com/PKWRvvJUur
— 徳重龍徳(ライター、グラビア評論家)@ホークス&ちいかわファン (@tatsunoritoku) November 7, 2022
Twitter解雇になった人たちがタグ使ってツイデモみたいな連帯感出そうとしてるけど、トレンド操作してた社員までクビになったせいで全くトレンド入りしないの本当に本当に面白い インターネット寓話にしたい
— にょろやま(〜*'ω')〜 (@nyororon2180000) November 6, 2022
Twitterキラキラ社員「トレンドがアニメとかオタク系ばっかりじゃないのー!!!!キキキキキー!!!!意識の低い日本の豚どもめ。俺たちが啓蒙しなくては!!!ハフポスや反政権の記事をトレンド表示だ。俺たちが高尚なTwitterを守らなくては。豚どもの好きにはさせない!!!あ15時だ。仕事終わり」
— もへもへ (@gerogeroR) November 7, 2022
Twitter社員が解雇され色々掘られ始めたら、若くて特にスキル無さそうなのに高給で、外車乗り回してキラキラ生活、昼はおやつ食べてまともに仕事してない様子だったわけだけど、赤字企業でそれが許されるのは、Twitter自体が特定のイデオロギーを浸透させる思想団体に成り下がってたからじゃないかな。
— 海乱鬼 (@nipponkairagi) November 7, 2022
Twitter社を追われたtweepsたち、キラキラ日常系ツイートばかりだったのにTwitter社を辞めさせられてから発見され、叩かれだし、それに対してレスバを繰り広げた挙げ句に鍵垢になっていて、最後の最後にTwitterというものを味合わされた感がある。
— Sukuna (@SukunaBikona7) November 6, 2022
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
Image by: Michael Vi / Shutterstock.com