円安が加速しており、円は対ドルだけではなくほぼすべての通貨に対して減価しています。このような状況のなか、日本にいる人はどのように円のメルトダウンから資産を防衛すればよいのでしょうか？天才投資家ジム・ロジャーズ氏へのインタビューで引き出した助言をもとに解説します。（『 花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資＆起業実践編 花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資＆起業実践編 』花輪陽子） ※この記事は音声でもお聞きいただけます。
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』（講談社+α新書）をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』（講談社+α新書）『夫婦で貯める1億円！』（ダイヤモンド社）など著書多数。「ホンマでっか！？TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
日本円の価値が損なわれている
こんにちは。シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。9月7日から日本のコロナ水際対策はPCRや隔離もなくなりました。実質的な鎖国を終了し、ようやく国を開くことになります。
人々が日本を行き来するようになると、多少の円高要因にはなるのかもしれません。しかし、それ以上に中央銀行の政策の違いやマクロ的な要因から、円安の加速が進んでいます。
加えて、投資家も金利差から円のキャリー・トレードが進んでいます。為替市場で低金利通貨を売って高金利通貨を買う取引をキャリー・トレードと言います。
円は対ドルだけではなく、ほぼ全ての通貨に対して減価しています。例えば、シンガポールドルに対しては102円を突破しました。過去30年程度の間は80円から60円程度を行き来していたのに驚きです。
多くの中央銀行が引き締めの方向に動いているのに対して、日銀は金融緩和を続けているから円の価値を下げているのです。また、一度トレンドが出ると続く傾向があるので懸念をしています。
「現金を捨て、株式や銀を持て」ジム・ロジャーズ氏の助言
9月6日に『世界大異変』（東洋経済新報社）を出版したあとに、再度ジム・ロジャーズ氏に新しい本の取材に行きました。
ロジャーズ氏も「国を開くことによる円高要因よりも日銀の金融緩和の影響のほうが大きい」と指摘していました。また、原油高も資源を輸入しなければならない日本にとってはマクロ的なマイナス要因になっていると言います。
こんな中、日本にいる人はどのように円のメルトダウンから資産を防衛できるのでしょうか。
ロジャーズ氏は、現金から株式・銀などの長期的に価値が上昇するものに変えるべきだと述べていました。
また、大好きで得意なことを仕事にして、大成功を修めて収入を増やす努力をすること。得た収入から資産価値が高まるアセットに変えることが重要だと言っています。
ロジャーズ氏の自宅を訪問すると、銀の置物などがたくさんあります。銀は金と比べると歴史的に割安水準で銀を買っていきたいとよく言っています。
確かにシンガポールで成功をしている人の絶対条件として、上記の2つを達成していることが当てはまります。
自分のビジネスで稼ぎ出す力があれば、それは資産と同じで複利の力で少しずつスノーボールのように大きく膨らんでいきます（収入源が増えていく）。
それを資産価値の上がるものに変え続けていけば、使えないほどの資産にまで膨らむということなのです。
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