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マスク氏「出社か退職か」発言に「リモート否定派の根拠に…」との悲痛な声。Twitter本社のホームレス施設化計画も“リモートワーク嫌悪”が発端か

アメリカの電気自動車大手テスラのイーロン・マスク氏が、従業員に対して少なくとも週40時間はオフィスで働くよう求めたようだと報じられ、SNS上で広く波紋を呼んでいる。

報道によると、マスク氏は5月31日に送った従業員向けのメールで「リモート勤務を希望する人は週に最低(繰り返すが『最低』だ)40時間オフィスで勤務しなければならない。さもなくばテスラを退社してもらう。これは工場の従業員への要求より少ない」と綴ったとのこと。

マスク氏自身、このメールを本当に送ったかどうかは直接言及していないとのことだが、ツイッター上で「仕事のためにオフィスに行くというのは時代遅れの概念だと考える人に何か伝えることはあるか」と問われたところ、「そうした人は、どこかよそで働くふりをすればよい」と答えており、リモートワークに対して相当の嫌悪感を抱いていることは間違いない模様だ。

マスク氏の発言がリモートワーク否定の根拠に?

今年4月に東京都が発表したデータによると、従業員30人以上の都内企業においては65.7%がすでに導入しているなど、日本においてもコロナ禍で急速に広まったリモートワーク。

しかし主に管理職とみられる層からは、リモートワークの効率性に関して懐疑的な声がかねてから多くあがり、実際のところ日本でも最近では、新型コロナによる行動制限が解除されたこともあり、オフィス勤務に戻す企業も増えているようだ。

いっぽうで、そんなオフィス出社へと回帰していく動きに反発する意見は特に若い層の間で多いようで、とある海外の調査では、世界の労働者の約3分の2が、雇用主がフルタイムでのオフィス勤務を望んだ場合、他の仕事を探すか、探すことを検討すると回答するなど、リモートワークの是非に関する論争はいまだ活発といったところ。

そんな最中での今回のマスク氏による“リモート否定発言”とあって、SNS上には「完全リモートワークで、全員が成果を出せる訳では無い」などといった声もあがるなど、リモートワークに関して否定的だった向きが大いに勢いづく格好に。

そのいっぽうで、今回の発言に関しては「テスラは一応製造業だから…」と、そもそもテスラがリモートワークに向かない業種であることを指摘する意見も。さらに今回のマスク氏の発言が、リモートワーク否定の根拠として使われることを危惧する見方もかなり多いようだ。

リモートワーク推進のツイッター社はどうなる?

今回の“リモート否定”のメールだが、テスラ社の社員だけでなく、マスク氏がCEOを務める宇宙ベンチャー「スペースX」の社員にも、同様のものを送ったと報じられているが、そうなると気になるのが「ツイッター社はどうなるのか」ということだ。

今年4月には買収で合意をしたものの、偽アカウントの割合を巡って買収額の引き下げが取沙汰されたりと少々混迷しているマスク氏のツイッター社買収。

そんなツイッター社といえば、リモートワークに対して先進的であることで大いに知られ、2020年5月にはコロナ禍によって導入したリモートワークの試みが成功しているとして、今後も業務的に許す限りリモートワークを永遠に認めると、当時のジャック・ドーシーCEOが表明。この“永遠の約束”が、今後どうなってしまうのか……仮にツイッター社も同様の流れになれば、人材流出は避けられないのではといった声もあがっているのだ。

ちなみにマスク氏といえば今年の4月、リモートワーク普及により出勤する社員がすっかり少なくなってしまった、サンフランシスコにあるツイッター本社に関して、ホームレスのシェルター(一時宿泊施設)にすべきかを、自身のフォロワーに問う投票を行ったと報じられたことも。

その際には、1日足らずで100万人以上のフォロワーが答え、その9割以上が賛成と回答。マスク氏のプランに対して素晴らしいなどと、福祉的な視点から称賛する声が相次いだのだが、今回改めてクローズアップされたマスク氏の“リモートワーク嫌い”を踏まえれば、その真意はどうやら別のところにあった可能性も大いにあり得そうだ。

Next: 「まずテスラ並みの待遇にしてから言ってくれや」

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