サイバーエージェントの株価下落が止まりません。この1年間、日経平均は15%近く上昇しましたが、サイバーエージェントは40%近く株価が下落しています。なぜサイバーエージェントの株価は下落し続けるのでしょうか?また、これだけ株価が下がっている、ということは購入するタイミングなのでしょうか?サイバーエージェントへ投資しようと考えている、あるいは含み損に耐えきれず売却しようとしている……そんなあなたの投資判断の手助けになる情報を今回はお届けします。あなたがサイバーエージェントがどんな会社なのかを理解し、納得して投資できるようになれば幸いです。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
サイバーエージェントはどんな会社?
サイバーエージェントの株価下落が止まりません。この1年間、日経平均は15%近く上昇しましたが、サイバーエージェントは40%近く株価が下落しています。
サイバーエージェントは1998年に東京都で設立された会社です。
現在の社長 藤田 晋氏は、創業2年目の26歳の時に史上最年少の上場記録を打ち立てるなど、日本を代表する優秀な経営者です。
そんな優秀な経営者がいるサイバーエージェントは、なぜ株価が下がっているのでしょうか?
まずは業績を確認してみましょう。
出典:SPEEDAより作成
グラフの青い棒線の売上高は綺麗な右肩上がりですが、赤線の営業利益は2021年9月期を境に右肩下がりです。株価が上がらない端的な理由は、利益が減少しているから、と考えられます。
次に事業の内容を確認しましょう。
大きく3つの事業があります。
- メディア事業:主にネットテレビの「Abema」、マッチングアプリ「タップル」や「Ameba ブログ」の運営
- インターネット広告事業:広告主へインターネット広告運用やアプリ開発を総合的に企画提案
- ゲーム事業:消費者へのスマホゲームを提供
このように、インターネットの様々な分野に進出しビジネスを行っています。
サイバーエージェントは日本を代表するインターネットの総合サービス企業であると言えるでしょう。
セグメント別の売上推移を見ると、最大の収益源は、インターネット広告事業。次いでゲーム事業であることが分かります。
出典:SPEEDAより作成
しかし、収益からコストを差し引いた利益推移を見ると、同社の問題点が浮き彫りになります。ゲーム事業が急成長した後に縮小しており、メディア事業が赤字続きなのです。一方で、広告事業は安定的な利益を上げていることが分かります。
出典:SPEEDAより作成
従って、ゲーム事業の利益の低下、メディア事業の赤字体質、この2つが利益が下がっている要因と考えられるでしょう。