Abema黒字化の逆転策?
まずはAbemaの利益推移を見ると、赤字が続いていますが、その幅が縮小していることも確かです。
出典:SPEEDAより作成
さらに、今期はワールドカップの投資があったため営業損失は膨らむ見通しですが、ワールドカップと関係のない2Q、3Qは損失幅がかなり改善しています。
出典:サイバーエージェント23年9月期3Q 決算会説明資料
従って、黒字化に向けた歩みを進めているのです。
また、面白いことがあります。Abemaの主要な収益源は、有料会員の月額課金や広告掲載料ではなく、周辺事業によるものなのです。
出典:サイバーエージェント23年9月期3Q 決算会説明資料
周辺事業とは何でしょうか?
その代表格となるのがWINTICKETというサービスであり、これが飛び道具となるかもしれません。WINTICKETは競輪・オートレースのネット投票サービスです。Abemaはこの公営ギャンブルにおいて強みを発揮していると言えます。
なぜこれが飛び道具になる可能性があるか?というとスポーツベッティング、というチャンスがあるからです。スポーツべッティングとは、スポーツの試合を対象とした賭博のことであり、実は日本以外のG7の各国では合法化されています。
Abemaではサッカー・野球・格闘技など様々なスポーツをすでに放送しており、WINTICKETのノウハウもあります。現状、日本におけるスポーツベッティングの解禁は不透明であり、それといった報道があるわけではありません。しかしそれが解禁されるとAbemaが一気に市場の覇権を握る可能性があります。
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