スエズ運河で愛媛県の会社が所有する大型のコンテナ船が座礁してから3日近くになるが、いまだ解決のメドは立っていない。物流の停滞が長期化するとなれば、それによる影響がじわりと出てくる可能性もあり、一刻も早い復旧を願いたい。(『牛さん熊さんの本日の債券』久保田博幸)
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世界貿易の1割が完全にストップ
アジアとヨーロッパを結ぶ海上交通の要衝、エジプトのスエズ運河で愛媛県の会社が所有する大型のコンテナ船が座礁してから3日近くになるが、いまだ解決のメドは立っていない。
座礁したコンテナ船の「エバーギブン(22万4千トン)」は全長400メートル、全幅59メートルと世界最大級のコンテナ船。
運河通航の代理店によると、両端で待機する船は約150隻にのぼるとされている。1日当たり約96億ドル(約1兆円)相当の海上交通が停止し、両方向で輸送がストップしているとの概算が示された(25日付ブルームバーグ)。
26日付の日経新聞朝刊によると、スエズ運河はアジアと欧州を最短で結び、1日あたり50隻、年間1万8,880隻(2019年)が通る大動脈。世界貿易の約1割を占めるとされる。
原油・石油製品が23%を占める
スエズ運河庁によると運河を通過する荷物の重量ベースでは原油・石油製品が23%をしめた。
スエズ運河で大型コンテナ船が座礁したことを受けて、原油の供給が混乱するのではとの警戒感が強まり、24日の原油先物は大幅反発、WTI先物5月限は3.42ドル高の61.18ドルとなった。

原油(WTI原油先物)日足 (SBI証券提供)
値幅は大きく暴騰のようにもみえるが、ここにきて日替わりで大きく上げたり下げたりしており、
24日の下げ材料にされただけとも言える動きで、翌25日には新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大を懸念した売りが入り、WTI先物5月限は2.62ドル安の58.56ドルとなっている。
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