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借金総額7億円くんは、自己破産へ。一攫千金を狙った「不動産投資」に失敗した人たちから学べること

お金が欲しい、それは誰しもが思うことである。あわよくば楽して稼ぎたいと投資に手をだす人も少なくない中、一つ間違えるとキャパオーバーの大きな損失を生む可能性はゼロではない。実際、「不動産投資」に失敗をした人の中には、7億円の借金の末、自己破産をしたケースもあった。

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本業だけでは満足できず、一攫千金を夢見て不動産投資に手を出した会社員

image by:photoAC

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プロフィール

  • 当時の年齢:50代
  • 職業:会社員
  • 当時の年収:550万円
  • 借金総額:2,000万円

不動産投資に手を出して、2,000万円の借金を作り、自己破産しました。当時、サラリーマンの本業だけでは満足できず、一攫千金を夢見て不動産投資を始めたことがきっかけです。最初のうちは上手くいっていたのですが、リーマンショックが起きて不動産価格が暴落。ローンが払えなくなり、あっという間に借金が膨らんでいきました。

ローンの返済が滞るようになり、銀行から督促状が届き、職場にも取り立ての電話がかかってくるようになりました。このままでは会社をクビになると思い、返済計画を立てようと思いましたが、2,000万円もの借金を返済するのは現実的ではありませんでした。

最初のうちは債務整理を検討しましたが、任意整理では借金を完済できる見込みがなく、個人再生では住宅ローンの特則が使えないため、自宅を手放さざるを得ませんでした。そこで、弁護士に相談し、自己破産の申立てを決意。必要書類を集めて裁判所に提出し、約4カ月後に免責許可の決定が下りました。

結果として、自宅を手放すことに。せっかく手に入れたマイホームを手放すのは本当につらい決断でしたが、何よりも2,000万円もの借金を帳消しにできたので前向きに生きていけるようになりました。

もちろん自己破産のせいで信用情報に傷がつき、新たな借り入れができなくなったなどの痛手もたくさんあります。クレジットカードも作れず、携帯電話の契約審査も通らなくなり、生活するのに不便が生じているのも事実です。現在は、賃貸マンションで一人暮らしをしながら前から勤めていた会社で働かせてもらっていますが、お金の使い方は慎重になり、破産を経験した今、シンプルに生きることの大切さを実感しています。

「一攫千金を狙える」という言葉を鵜呑みにして勝手に踊らされ、安易に不動産投資に手を出したのが全ての過ちの始まりでした。投資にはリスクがつきものだということを思い知らされました。もっと慎重に判断していれば、破産を避けられたかもしれません。

必ず儲かると思っていた。まやかしだと気づく頃には時すでに遅し

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プロフィール

  • 当時の年齢:30代
  • 職業:会社員
  • 当時の年収:500万円
  • 借金総額:1,500万円

当時は不動産バブルで、投資すれば必ず儲かると思い込んでいました。複数の物件を高額なローンで購入しましたが、バブルが弾けて物件の価値が暴落。ローンが払えなくなり、借金が雪だるま式に膨らんでいきました。

最終的に借金が1,500万円まで膨らみ、毎月の返済だけで手取り収入のほとんどを持っていかれるまでになったことを覚えています。債務整理を検討しましたが、これだけの借金を返済するのは不可能だと判断し、弁護士に相談した結果、自己破産しか道はないという結論に至りました。

当時、自己破産の事実を職場に知られ、昇進に影響が出ました。破産した人への偏見は強く、周囲の目が気になって息苦しさを感じることもありました。現在は前の会社を退職し、別の会社で働いていますが、自己破産のことは内緒にしているので周りからは普通のサラリーマンと見られているはずです。そして借金がなくなった分、給料の使い道に悩むこともなくなりましたし、シンプルな生活を心がけているので、浪費はしていません。

自己破産によって借金の重荷から解放され、心理的にも経済的にも新しい人生をスタートできましたが、自分の判断の甘さを痛感しています。無理な投資をしたことが全ての間違いの始まりでした。もっと慎重に考えるべきだったと後悔していますし、お金の使い方をしっかり学んでおけば、こんな事態には陥らなかったかもしれません。

身の丈に合わない投資の末、7億円の借金を背負った男

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プロフィール

  • 当時の年齢:40代
  • 職業:不動産業
  • 当時の年収:1,200万円
  • 借金総額:約7億円

リーマンショック後の不動産市況の低迷で、物件の価値が大幅に下落。賃料収入だけでは借入金の返済が追いつかず、金利負担に耐えられなくなったのが原因で、結果として約7億円の借金を背負いました。追加の借り入れで返済を続けましたが焦げ付きが発生し、債務超過に陥り、自己破産に至ったのがことの経緯です。

当時、所有不動産を売却して返済に充てたましたが、債務超過は解消されませんでした。メインバンクを中心に金融機関と再建計画を協議したところ、債務免除に応じてもらえず、私的整理では打開が難しいと判断。弁護士に相談した結果、自己破産以外に道はないとの結論に至り、破産申立てを決意しました。

顧問弁護士に依頼し、必要書類を準備。財産目録や債権者リストを作成し、東京地方裁判所に自己破産を申立て、破産管財人による財産調査と換価が行われました。債権者集会を経て、約8ヶ月後に免責許可決定を受け、破産手続により全ての債務が法的に消滅しました。

正直、当時は数億円に及ぶ借金から解放され、重荷から解き放たれた気持ちが大きかったです。破産により債務が帳消しになり、新たな人生をスタートさせるチャンスを得たことも前向きに物事を考えられるようになったきっかけと言えます。

ただ、信用情報が大きく傷つき、金融機関からの新規借り入れが当面難しくなりました。事業再建に必要な資金調達の選択肢が限られますし、破産者という烙印を押され、対外的信用の回復には大変な時間がかかります。もちろん資産を失ったことで、生活水準が一気に下がりました。

破産後は実家に身を寄せ、しばらくは休養させてもらいました。回復したあとは事業を再開し、現在では月収20〜50万円と波がありますが、ゆっくりと再起を図っているところです。あれから時間も経って信用情報機関の記録も消えたため、そろそろ賃貸物件を借りて一人暮らしを始める予定です。

当時を振り返ると、投資リスクを十分に考えず、借金に頼りすぎたことが一番の要因だと思います。不動産市況の変化にもっと敏感になるべきでしたし、個人保証をつけずに事業を行う方法を選択すればよかったのかもしれません。もっと早い段階でプロに相談し、身の丈に合った投資をすべきだと後悔しています。

−−貯蓄を増やしたい、お金がもっと欲しい、それは誰しも望むことではあるが、あくまでも自分の知識や投資金額のキャパシティを超えない範囲での投資であるべきだろう。そして甘い言葉だけを信じず、損得勘定を考えた上で、石橋を叩いて渡る冷静な思考はどんな投資にも必要なのではないだろうか。

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