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オバマ広島訪問の裏。日本では決して報道されないフザけた「誠意」=不破利晴

オバマ大統領の広島訪問に際して、ライス補佐官は「興味深い事に、日本は謝罪を求めていないし、私たちはいかなる状況でも謝罪しない」と発言した。この真意がお分かりだろうか。(『インターネット政党が日本を変える!』不破利晴)

安倍首相よ、オバマ大統領の広島訪問を喜んでいる場合か?

インターネット時代に求められる「英語を読む力」

英語の勉強と言えば、ひと昔前は分厚い辞書相手に格闘すると相場が決まっていたが、最近ではiPhone片手にスタイリッシュに勉強する学生も珍しくない。

なるほど、電話、インターネット、メールを中心に様々なアプリがビルドインされ、当然のことながら辞書機能も充実しているだろうから、勉強にこれを利用しない手はない。そんなiPhoneを活用した学習とはアカデミックでお洒落でもある。そんな学生の姿を、通勤途中の多摩モノレールの車内で見かけた。

ところで、「英語の勉強」と聞いてほとんどの人が真っ先に思い浮かべるのが「英会話」である、というのも何ともおかしな話でもある。

仕事で必要であるならば確かに英会話は欠かせないわけだが、このインターネット時代に最も大切なのはむしろ「英語を読む力」だと思われるのだ。英文の読解力を身につけただけで情報のフローが格段に上がるであろうことは想像に難くない。

これに文章力が加わればSNSを通じて(ネット限定であるとはいえ)交友関係がグローバルに一気に広がるのは間違いないだろう。これであなたの人生の次元は数段上がる。そして、最後に会話力が備われば、日本で一人しこしこと消耗している理由など吹っ飛んでしまう。好きな国で、好きなように生きれば良いのである。

さて、私が敬愛する天木直人氏と言えば、世間的には「元レバノン全権大使」として紹介されることが非常に多いわけだが、意外に知られていない事実として、1974年にアメリカからフォード大統領が来日した際に通訳を務めたのが天木氏だっということが挙げられる。

ライス補佐官“日本は興味深い”発言に秘められた意味

そんな天木氏が最近のニュースの中で、英文の和訳という観点から非常に気になったものとして、オバマ大統領の広島訪問に際してのライス大統領補佐官の発言を挙げている。

ライス補佐官は米CNNのインタビューに答えてこう言ったという。

興味深い事に、日本は謝罪を求めていないし、私たちはいかなる状況でも謝罪しない

この「興味深い…」発言は私もピンときた一人である。その本意は絶対に「興味深い」ものではないことは明らかであると思われた。この報道の日本語訳は間違いなく日本人向けに意訳されており、本質が覆い隠されている。これもミスリードの一つだ。

彼女は、日本が謝罪を求めて来なかったことについて、It is interesting…と言ったのだ。

日本の報道ではこの部分をこう訳している。

「……興味深い事に日本は謝罪を求めていないし、私たちはいかなる状況でも謝罪しない」と。

しかし、このinterestingという言葉は、単に「興味深い」というだけではなく、「面白い事に」とか、もっといえば「意外にも」、とか、「不思議な事に」、と言った意味を含んでいる言葉だ。

つまり、この謝罪を求めないということは岸田外相も認めている事ではあるが、岸田外相は、無理をして謝罪を求めて警戒心を抱かせてはオバマ大統領の広島訪問は、実現できるものもできなくなる、だからあえて日本側から強く謝罪を求めなかった、といわんばかりだが、このライス補佐官の言葉はまったく違う。

本来なら謝罪を求めてくるのが日本政府の立場であるのに、謝罪はしなくてもいいから、とにかく広島に来てくれと日本側から頼み込んできた、そのことがinterestingだったと言ったのだ。

日本側の強い要請があった事をバラしたのだ。

出典:天木直人のメールマガジン 2016年5月17日 第401号

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「情けないことにねえ、日本は謝罪を求めないんだってさ!」

最も価値観を共有しているトモダチなどと言い、散々持ち上げておきながら、アメリカは日本を軽蔑し小馬鹿にし、そして忌み嫌っているところがある。

要するに、「情けないことにねえ、日本は謝罪を求めないんだってさ!」と言いたいのだろう。そして、そこまでコケにされてもなおオバマに日本に来て欲しいと思っている安倍首相や岸田外相とは、どれだけ間抜けでナイーブなんだろうと呆れてしまう。

この場合の“ナイーブ”とは“繊細であること”ではなく“世間知らずの素人”といった意味だ。

とはいえ、日本がアメリカに対し毅然と謝罪を求めても、アメリカは絶対にそれに応じることはないだろう。アメリカをドラえもんのジャイアンに例えて“ジャイアニズム”と皮肉る識者がいるほど、アメリカは自らの非を認めない国だ。

そして、そんな横柄なアメリカを受け入れ、謝罪を求めない日本は、広島という核兵器の犠牲になった日本国土の一断面という系譜から捉えれば、まさに「核兵器を容認する」と言っても過言ではない態度を示していると言えるのだ。

日本のことなど眼中にないオバマ

オバマ大統領にしてみれば今回の広島訪問は、アメリカ大統領として最後の錦を飾る重要な位置づけにあると考えることができる。

しかしそれはあくまでノーベル平和賞受賞のきっかけとなったプラハ演説をどうにかして完結させ、なおかつ一定の歴史的偉業の象徴とする必要に迫られているだけである。

その意味において、オバマ大統領は当初の期待を完璧なまでに裏切り、かつ就任当初からレームダックな大統領であった。つまり、皮肉なことではあるがノーベル平和賞は最後までオバマを制約し続けたのである。

だから、オバマは広島訪問に際しても日本のことなど眼中にない。オバマとはつまらない男だと思う。

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「対米従属」に奔走する我が国日本と安倍政権

そして、これまた壮大なる政治ショーに躍起となっている安倍首相もまたつまらない首相であり、それはあたかもオバマ来日によって「対米従属」「核の傘」、そして「核武装」をも肯定しているかのようだ。

これは広島の方々に向かって唾を吐き捨てるような行為だ。

こんな日本の首相など広島に来て欲しくはないし、無論、オバマ大統領に対しても我々は言ってやろうではないか。

あなたが広島を訪れることは興味深いことですが、日本に来てくださらなくて結構です」と。

※著者からのお知らせ
1)先日の記事『頭が悪いのに勉強しない。“アベ化”する世界と日本人の行く先』の続きは、来週火曜日のメルマガで配信を予定しております。

2)本文中でも登場した天木直人氏が、東京MXテレビ『淳と隆の週刊リテラシー』に登場します。インタビュー映像としての出演となります。5月16日に東京のスタジオにて収録、放映は5月21日(土)17時からとなりますので乞うご期待!

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インターネット政党が日本を変える!』(2016年5月19日号)より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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[月額540円(税込) 毎週火・木曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」驚かせてすみません。私は不破利晴と申します。私は、元駐レバノン特命全権大使・天木直人氏と共に、「インターネット政党」の成功に向けて活動しています。インターネット政党『新党憲法9条』のWebサイトをつくり、日々の運用管理をしています。想像して欲しいことがあります。→「毎日働き詰めで辛くありませんか?」→「生きることに目的を見失って辛くありませんか?」→「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」インターネット政党の主役は「あなた」です。

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