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君子豹変、所得倍増計画はどこに行った?防衛増税路線を打ち出し、短命確定の岸田政権=菅下清廣

防衛予算の穴埋めを増税で賄うとする岸田政権の発言で株価は暴落した。現在の地政学的リスクを考えれば、防衛費増はやもえぬ状況だ。しかし予算は増税でなく、国債で賄うべきである。増税路線を進めると岸田政権は短命に終わるだろう。(『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』菅下清廣)

【関連】「円安」で有利なのは日本だけ。他国からのお咎めなしの大チャンスに仕込むべきセクター4選=菅下清廣

※本記事は『菅下清廣の”波動からみる未来予測”』2022年12月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどう

プロフィール:菅下清廣(すがした きよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、経済評論家、スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、学校法人立命館顧問 近畿大学世界経済研究所客員教授。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と的中させてきた「富のスペシャリスト」として名を馳せている。「経済の千里眼」との異名も。著書に『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』ほか多数。

所得倍増から豹変した岸田政権の増税宣言

12月16日金曜日の週末の日経平均株価は524円安、NYダウに連動して下げているとも言えるが、今一番の株価暴落の売り材料は岸田政権の増税宣言だ。

岸田首相は所得倍増から大増税策へと豹変した。

ついに岸田首相の所得倍増論、貯蓄から投資へのメッセージは絵に描いた餅となった。防衛予算の穴埋めを名目に財務省主導の増税路線に走り出した。

増税するなら国債発行をすべき

自民党若手有志による「責任ある積極財政を推進する議員連盟」が、「国民の可処分所得を奪い、国内需要のさらなる縮小につながる増税を行うべきでない」と、増税による財源確保に反対した上で「防衛費増額は国債発行にするべきだ」と主張しているように、今こそ「防衛国債」、「国防国債」と銘打って十兆円でも二十兆円でも防衛予算に必要なだけ国債を発行すればよい。

こういうと、巨額財政負担、債務を抱える政府の赤字をこれ以上増やすべきでない。後世にその負担を押し付けることになるなどという批判論が出てくる。

しかし、日本政府は膨大な赤字(債務)を抱えているが、海外からの借入れはほとんどない。政府の財政赤字というのは、1,000兆円であれ、1,500兆円であれ、その裏側は国民の資産(国債、現預金など)なのだ。

しかも日本は長年純債権国だ。

つまり諸外国に資本を出している側だ。

借り入れているわけではない。

仮に財政赤字が膨張したとしても、国防のために国債を発行するのに反対する国民は皆無でしょう。

Next: 戦費国債の発行に大反対する朝日社説の時代錯誤



国債発行を批判する朝日の社説

ところが、ところがですよ、12月15日の朝日新聞電子版の見出しは(社説)防衛費の財源、国債発行は許されない。

以下朝日新聞の社説を紹介する。

政府が戦後初めて、防衛力整備を国債でまかなう方針を固めた。借金頼みの「禁じ手」を認めれば、歯止めのない軍拡に道を開く。即座に撤回するよう首相に強く求める。
首相は先日、27年度までの5年間の防衛費を43兆円に大幅増額する方針を示した。このうち約1.6兆円を国債でまかなう方向で検討していることが明らかになった。公共事業など投資的な経費に認められている建設国債を充てるという。
戦後日本は巨額の財政赤字を借金でまかないつつも、防衛費への充当は控えてきた。国債発行による軍事費膨張が悲惨な戦禍を招いた反省からだ。
1965年に戦後初の国債発行に踏み切った際も、当時の福田赳夫蔵相は「公債を軍事目的で活用することは絶対に致しません」と明確に答弁している。
以来、維持されてきた不文律を、首相は今回の方針転換で破ろうとしている。重大な約束違反であり、言語道断だ。
(中略) 
財政規律は、ひとたび失われると回復が極めて困難になる。巨額の債権を発行し続ける戦後の財政の歩み自体がそのことを示しているはずだ。今回の国債は、老朽化した隊舎など自衛隊の施設設備に充てるという。
だがいったん国債を財源と認めれば、将来、戦車や戦闘機、隊員の人件費へと使途が止めどなく広がる恐れが強い。敵基地攻撃能力の保持に加え、財政上の制約までなくせば、防衛力の際限なき拡大への歯止めがなくなるだろう。

出典:(社説)防衛費の財源 国債発行は許されない-朝日新聞

ちょっと長いのでこの辺までにしますが、以上朝日新聞の社説です。

防衛費を増やす必要性を書かぬ朝日の社説

読者の皆さん、感想はいかがですか?

相当違和感のある内容でしょう。

とにかく、国債発行による防衛予算の補充は絶対まかりならんというのが、堂々たる朝日新聞の社説ですが、この社説の内容で一番抜けている点は何か?というと、今回、なぜ日本政府が防衛予算の拡充に踏み切ったのかという説明がないです。

それは国民の誰もが知っているように、2月24日に、ロシアがなんの前触れもなく、隣国ウクライナに侵攻して領土を占領しようとする泥棒まがいの出来事が起こったからです。

もし明日ロシアが北海道に侵攻してきた時、日本の自衛隊はそれを防げられるのか?また充分な防衛力を保持しなければ、日本を取り巻く、ロシア、北朝鮮、中国などの非民主主義国家、独裁専横国家からいつ攻められるか分らない国際情勢になったから、防衛力の強化が急務となっているのです。

朝日新聞の社説を書いている人は、防衛予算のための国債発行による財政規律の問題よりも、今や天下大乱の時、日本を取り巻く地政学リスクが急浮上、危急存亡の秋と言ったことを、もっと国民に訴えるべきではないか?と思うのですが、いかがでしょうか?

朝日新聞の社説を読んで、この会社の人たちは戦後77年間におよぶ戦争なき平和の時代を生きて、間違いなく平和ボケしているのだなとつくづく思ったしだいです。

Next: 防衛費予算を増税で賄えば、岸田政権は短命に終わる



防衛費予算を増税で賄うことには多くの国民が反対

朝日新聞よりも多くの国民が、危機を感じているのです。

だから防衛予算を増税でという岸田首相にイエローカードを出しているのです。

直近の毎日新聞の内閣支持率は25%と最低。防衛予算を増税には70%近い人が反対している。

さて以上のことから、日本の株式市場は冴えない展開が続きそうです。

岸田首相には心機一転してもらって、国防国債43兆円を発行して、自衛隊の装備、兵器、兵員を刷新して、近隣のいかなる脅威にも対抗しうる防衛能力の保持を一日も早く実現してほしい。

増税路線では岸田政権は短命に終わる

将来、日本がウクライナの国民のような悲惨な運命を辿らないためにも。

“目覚めよ、岸田文雄首相”、朝日新聞の社説に動揺するな!増税は論外。国債を発行して、財政出動すれば良いのだ。

前述の自民党若手有志による積極的な財政出動、日銀の異次元の金融緩和、32年ぶりの円安で日本経済はデフレ脱却、製造業の復活、設備投資の拡大、雇用増、賃金上昇という経済の好循環を呼びこめば、岸田首相はその名を歴史に残す。

しかし今の増税路線では政権は短命。

岸田文雄という政治家の姓名は、歴史のかなたに雲散霧消することになるだろう。

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経済の千里眼 菅下清廣の“波動から見る未来予測”』(2022年12月19日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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