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From 舛添要一オフィシャルブログ

都民の馬鹿と投資家の馬鹿~なぜ彼らは舛添要一を「高値掴み」してしまったのか?=炎

馬鹿というのは差別用語かもしれませんのであまり使いたくありませんが、今回の舛添東京都知事の問題を見るにつけ、投資家である皆さんにとっても他山の石、こうなってはならない戒めであるように感じられます。(『億の近道』炎のファンドマネージャー)

プロフィール:炎のファンドマネージャー(炎)
小学生から証券会社に出入りし、株式投資に目覚める。大学入学資金を株式の利益で確保し、大学も証券論のゼミに入る。証券会社に入社後は一貫した調査畑で、アナリストとして活動。独立系の投資運用会社でのファンドマネージャーの経験も合わせ持つ。2002年同志社大学・証券アナリスト講座講師を務めたほか、株式漫画の監修や、ドラマ『風のガーデン』(脚本:倉本聰)の株式取引場面の監修を行う。

舛添要一東京都知事問題に見る投資の教訓

「後でしまった」はなぜ起こったか

多くの有権者は選ぶ前によくその候補のことを調べて、都知事にふさわしい人物を最終的に選ぶ必要がある訳です。

これは自治体や国会などすべての公選挙に該当します。

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そこにはその人物の情報が必要となりますが、大方は過去の経歴などを参考にして選ぶことになりますので、ショーンKのような学歴詐称などがあるとそもそもが成り立たないし、その候補者が生まれてからこの方どうやって生きてきたか、信条や考え方、哲学などを知るにはあまりに情報不足で、手間暇がかかって、そうした基本的なことを度外視して人気だけで勝ち馬投票のような行為になってしまい、後でしまったということになる訳です。

そこで中立的かつ客観的な選挙アナリスト(多くは政治評論家)が存在してインターネットなどのメディアで候補者についてもっと解説を加えていく必要があります。

選挙民である都民も、そうしたツールがないと日頃から検討ができませんので、株で言うところの高値づかみになってしまう、そもそも詐欺的な銘柄に投資してしまうことになるのです。

うかつに株価が上がっているからとか、人気があるからという理由だけで投資すると、企業価値など無視した需給の流れに加担することになります。都民が舛添さんを選んだ結果、このようなことになったのと同じで、いずれはその投資が失敗する可能性が出てきます。

選ぶ権利は都民にも投資家にもありますが、投資家は企業価値や人気化している背景などしっかり吟味していく必要があります。

株主の大事なお金をどう有効利用しているかが問われるのに、湯水のようにお金を使って赤字を垂れ流したり、企業経営責任を問われるような事態を引き起こしたりします。それは企業の規模が大きくても小さくても同じことです。

多くは寝耳に水のようなメディアの報道で気がつくのですが、怪しいと思う企業には投資をしないこと、こうしたことで損害は防げます。

但し、何らかの情報を得て将来の成長を見届けたいと考えるのであれば、リスクを取る覚悟で投資しても一向に構わないことになります。しかも投資家はリスク分散が図れるという特質があります。

都知事ひとりを選ぶのとは訳が違い、いろいろな銘柄を選定して投資することでリスクを抑えることができます。但し、同じ考えで選んだ銘柄でポートフォリオを組んでも結果は同じことになるのかもしれません。

都民が選んだ知事を信頼し都政を託すのと同様に、投資家は自らが選んだ上場企業に利益成長を託しリターンを上げるという行為を短期・中期・長期と織り交ぜながら行っているのです。

要するに都民の皆さんも投資家も、与えられた情報を鵜呑みにして選択する馬鹿にならないよう目利きの能力を養う努力は絶えず必要だということです。

Next: いま全ての投資家が知っておくべき「株高の条件」とは?



いま全ての投資家が知っておくべき「株高の条件」

ここに来て全体相場が停滞気味な中、個別には堅調な銘柄が見出せます。日経平均中心主義のメディアが伝える相場動向とは異なり個別銘柄は案外ホットな状況になっているものを見つけることができます。

全体相場が停滞しているからこそ、個別銘柄の活躍が目につくことになります。株価は業績で決まりますが、全体の企業業績が伸びるとなれば全体相場を後押しして株高につながることになりますが、全体の企業業績とは異なって個別の企業業績が予想以上に向上した場合に株価は思いのほか強くなります。

それが一過性の業績向上ではなく継続的な収益維持が見込めるとなればなおさらです。大方の銘柄は業績の変動によって株価も上がったり下がったりと変動します。

期初段階では慎重に出しておいて期中や期末で上方修正をかけるというパターンはよくあります。この場合、発表後に株価は短期投資家の投げで売り込まれますが、四半期開示をチェックし、期中の上方修正期待が高まると株価は元に戻るということになります。

一方では逆のケースもあり、期初楽観的な見通しを出しておいたのに期中は期末に下方修正するケースです。こうしたことを頻繁に繰り返す銘柄は株の世界では一種の犯罪歴として記録にとどめておかないとなりません。

下方修正がどのようにして起きたのかを知り、未来につながる先行投資によるものであれば評価の余地がありますが、無駄な投資による下方修正には投資家として気をつけたいところです。

全体的にマクロ経済の動向(円高、中国経済の破綻、それに伴う欧米経済への影響など)から期初は弱い見通しが出されていますが、日本が消費税増税を中止し、財政政策の積極化を打ち出し、景気浮揚に向けた経済対策を打ち出すことにより企業業績が期中に上方修正される可能性が見えれば株高に転じることになると見られます。

もっとも、それが皆さんの資産運用にプラスになるのかどうかは預かり知らないところです。

これからは株高の中身が問われると思います。日本株の多くはPBR1倍割れが多くバリュー株の宝庫になっていますが、そうしたバリュー株全体の底上げが進むのであれば企業収益が多少もたついたとしても株高気運が高まる可能性があります。

一方では企業リスクも高まりつつあり、これまでシャープ、東芝、三菱自動車と問題児が列をなしてきましたが、今後も潜在的なリスクを抱える企業が表面に出てくることもあるでしょうから、仮に全体が株高となっても個別企業の動向には一段と気をつけていく必要があります。

特に日本最大の自動車メーカーであるトヨタはベンチマークとして最大の関心を払う必要があります。

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億の近道』(2016年5月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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