新宿・歌舞伎町にオープンした複合高層ビル「東急歌舞伎町タワー」内に設置されたジェンダーレストイレの存在が何かと物議を醸しているようだ。
同ビル内に複数個所設置されているというジェンダーレストイレなのだが、SNS上では案内のピクトグラムが分かりにくいといった声が多く、そのためか早々に張り紙での案内が追加されてしまい、「デザインの敗北」と揶揄する声があがる事態に。
歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレがオープン初日にしてデザインの敗北を迎えていました。 pic.twitter.com/Wm3NbaS2Lx
— 精神世界犬脳宣言 (@RTmc417) April 14, 2023
また、このトイレは「男性用小便器+ジェンダーレストイレ」という構成になっているようなのだが、そのことも利用者にはとても分かりにくかった模様。そのためか、開業から程なくしてトイレの前に警備員が配置されるなど、混乱が続いているようである。
いっぽうで、ジェンダーレストイレの存在が珍しいのか、あるいはただの変質者なのか不明だが、トイレ周辺をウロウロしたり写真を撮ったりといった者も多かったようだ。
ウロウロしている男性やPCで配信している男性がいた。警備員がいるので不審者達はその先に行くのを躊躇している様だった。警備員GJ。ジェンダーレストイレに着くと今度は係員がいて、利用方法など大声で説明して一人ずつトイレを案内し誘導していた。一人で次々と来る人に対応して大変そうだった。
— tekuteku (@tekuteku9) April 17, 2023
「けっこう長い時間トイレを見てい」て、「ジェンダーレストイレの列の写真を撮って」も不審者として通報されてないのが答えな気がする。
明らかに不審者が通報される可能性が下がってる。気持ち悪い。絶対利用しないし利用させたくない。 https://t.co/Jg95Xc2TD9— しるおっさん (@shiruochan) April 17, 2023
某ジェンダーレストイレ、長時間トイレを観察してたけど安全でしたよ!ってトイレの写真撮ってツイートしちゃう人と、2時間以上トイレの中で利用者をガン見してる不審者がいたって注意喚起してる人のツイートが同時に流れてきて、、、
— さやかわ (@fabulous9121) April 18, 2023
“多目的”な用途で使われる可能性も取沙汰
「オールジェンダートイレ」などとも呼ばれ、その名の通りすべての性別の方が使える公共トイレとして、このところ様々な施設で設置が進んでいるジェンダーレストイレ。多様性の時代と呼ばれる昨今を象徴するような存在でもあるものの、ただそれを巡っての騒動や議論が絶えないのも実際のところ。
今年2月には、渋谷区が区内にある公衆トイレをジェンダーレストイレ2つと男性の小便器という構成にしたところ、女性用トイレがなくなったと地元市議らが声を上げ、防犯上の観点からしてもおかしいのでは……といった批判が相次いだ。
今回の東急歌舞伎町タワー内のトイレも、ジェンダーレストイレに男性用小便器が併設されているのだが、この渋谷区のケースによれば、こういった構成はどうやらジェンダーレストイレの利用が集中しすぎないように、あえてそういう風にしているとのこと。
要は小便用途の男性は別に設けた小便器でしてもらったほうが、ジェンダーレストイレが込み合わなくて済み、また限られたトイレのスペースにジェンダーレストイレばかり作るよりも、比較的省スペースな小便器も併設したほうが、同時に数多くの人を裁けるといった話のようなのだが、そのことが期せずして「女性用トイレが無くされた」といった見方に繋がっているようだ。
また、そうでなくともジェンダーレストイレに関しては、女性からの不満は殊に多いといったようで、例えば先述のような不審者・変質者といった類の侵入を許しやすく、それによってトイレ盗撮などの性被害が増えるのではないかという懸念も広がっているところ。
さらに個室を不特定多数の男性と共有するとなれば、サニタリーボックスの利用も躊躇わざる得ないといった声も多いようである。
いっぽうで男女がともに使えるトイレとなると、アンジャッシュ・渡部建さんの多目的トイレの件よろしく、そういった不埒な用途で使う者も増えるのではないかという見方も。特に東急歌舞伎町タワーということでいえば、その界隈はお世辞にも治安の良いエリアではないだけに、警備員が常に立っている現在はともかく、今後そう言った状態に陥ることも大いに考えられそうだというのだ。
ジェンダーレストイレ先進国・イギリスでは…
ジェンダーレストイレに関しては、性別違和を持つ方々にくわえて、異性の親子連れや介護付き添いなどの方々にとっても有用な存在だとの声はもちろんあるのだが、とはいえ先述の通り懸念される問題点は多いのにもかかわらず、なぜか普及に前のめりといった空気になっているところもあり、そのことに対して違和感を感じる向きも結構多いようだ。
ここまでしてジェンダーレストイレ普及させる意味あるん?
誰得なのか全くわからん https://t.co/mXwyiIZ9Z9— ありんこ☺︎7m (@sc572vk) April 18, 2023
まじでなぜここまでしてジェンダーレストイレなんてものを導入したのか謎。
さっさと工事して男女別と多目的の3種に分けろよ。 https://t.co/Imq4SA3geK— よん様 (@yoooonsn) April 18, 2023
ちなみに、こうも普及の動きが出ているのであれば、世界各国ではこれが常識になっているのだろうか……という気もしなくないところなのだが、世界に先駆けてジェンダーレストイレの普及を進めてきたというイギリスでは、やはり利用者の間での混乱が多かったようで、また女性の多くが公共トイレの利用が逆に困難になったということで、最近では新設される施設に関しては男女別トイレの設置を義務化するようになった模様である。
となれば、なぜ周回遅れでジェンダーレストイレの普及なのか……と疑念は深まるばかりといったところで、なかにはその“謎のゴリ押し”ぶりに、先般大いに話題になった「コオロギ食」の話を連想する向きも出て来ているところ。
歌舞伎町タワーは、男性トイレかジェンダーレストイレしかありません。
これもコオロギと同じゴリ推しですね https://t.co/Qmy9lBrIdE
— MATT⛩ (@mattshow666) April 17, 2023
紙ストロー→コオロギ→ジェンダーレストイレ ってなんかシリーズみたいに続いてるように見えるのは気のせいか
— ブイレ (@kitaetemasu) April 18, 2023
確かに、ジェンダーレストイレの存在そのものやその意義がより広く周知される前に、普及をどんどんと進めようとする動きが目立ってしまったことで、逆に嫌悪感を持たれてしまう……そんなコオロギ食の時と同じような道筋を、ジェンダーレストイレが今キレイになぞっている、そんな気がしてならないといったところである。
Next: 「そもそも警備員さんがいないと成り立たないトイレなんて…」
ツイッターの反応
ジェンダーレストイレにしたいわりに男性(見た目)が来たら警備員さんに「男性の小はこちら」って言われるの?ジェンダーレスにしたいのに…?
そもそも警備員さん係員さんがいないと成り立たないトイレなんて危険ですよと言ってるようなもん… https://t.co/8fyDqkrYVV— かなた@通販停止中 (@madkanatan) April 18, 2023
ジェンダーレストイレね……
健全に生きてる男性には失礼だけど、やべーやつはいるので。女子トイレは独立させる必要があると思います。変な人が入ってくる・遭遇するだけじゃない、
サニタリーボックスのゴミ盗む変態とか小型カメラ仕かける変態が入りやすくなる。嫌すぎる。— 旭まあさ/Martha ASAHI (@AsahiMartha) April 18, 2023
なるほどジェンダーレストイレが出来るとこうやって「けっこう長い間」トイレを監視したり、化粧直しも観察したり、サニタリーボックスの確認したり、長時間監視の上トイレの内情を詳しくツイート、なんてことを平気でする男性と同じスペースで用を足さなきゃいけないしプライバシーは無くなると。最悪 https://t.co/zsXQHLde3i
— あぁ楽@ハリーくん♂️初コラボ (@aa_raku) April 17, 2023
個人的には共用トイレに抵抗は無いんだけど、このジェンダーレストイレって渡部の多目的トイレ的な利用が増えそうでなんとなく嫌だな。 https://t.co/7pqNVqr8R2
— ゅゃょ (@korokke_is_god) April 17, 2023
歌舞伎町タワーのトイレ問題で海外ではジェンダーレストイレは常識ってツイを見て、実際にどうなんだろうと調べたら、2010年に平等法でトイレをジェンダーレスオンリーに変更してきたイギリスは、諸処の問題発生で新設施設は男女別トイレの設置を義務化って出てきて何じゃそりゃってなった。
— あき (@axINXk7Pvom2eZu) April 16, 2023
結論。歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレは、警備員と係員が常駐しているなら、下手な公衆トイレより安心して使えると思う。が、それならなおさら、女子トイレとジェンダーレストイレにして欲しかった。そもそも、あの一帯は治安が悪過ぎて道を歩いてるだけでも危険なので行かない方が良い。
— tekuteku (@tekuteku9) April 17, 2023
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