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日本人にコオロギを食わそうとしているのは誰なのか?政権交代でSDGsもESG投資も立ち消えになる可能性=今市太郎

ごり押しされ始めたコオロギ食とその拒否反応が世間を賑わせ始めています。そもそも、国民にまったく知らせず暴走を繰り返す岸田政権が「昆虫食の普及に乗り出した」という事実は確認できていません。いったい全体、誰が煽動しはじめているのでしょうか。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年3月5日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

「ムーンショット計画」の具体策が始まっているのか?

2020年1月に開催された第48回総合科学技術・イノベーション会議で、内閣府は「ムーンショット計画」なるものを立案しました。

それが走り始めていることは知っていましたが、この計画のなかには2050年までの地球規模での持続的な食料供給産業の創出を目指しており、微生物や昆虫の生物機能を活用したり、食料の無駄をなくす解決法を開発するという項目が含まれています。

これが具体的に動き始めた結果が直近の「コオロギの粉を食べる」という動きにつながっている可能性は高そうですが、それも明確なものにはなっていないのが現状です。

国会では所管外のことについては一切何も答えないことで有名な存在となっている河野デジタル大臣が、まさに所轄外の昆虫食の領域で1年ほど前に徳島発のベンチャー企業が開発した乾燥養殖コオロギのミックスナッツ和えをメディアの前で食べて見せて、それが今頃になって炎上の材料になっています。

とはいえ、国民にまったく知らせず暴走を繰り返す岸田政権が「昆虫食の普及に乗り出した」という事実は確認できていません。いったい全体、誰が煽動しはじめているのでしょうか。

日本国内ではなく、世界からの外圧がそうした流れを醸成している可能性も否定はできないところ。

そんな中でコオロギの粉を学校給食で提供したり食パンに練り込んだりエアラインの機内食に提供するというすさまじく前のめりの動きも出ており、実に拙速な日本的話題作りになっていることを強く感じさせられます。

当然、消費者の反応は複雑で、簡単には受け入れられる状態ではないことも見え始めています。

昆虫食の持続可能性は誰にも検証されていない

そもそもですが、昆虫食はSDGs(持続可能な開発目標)につながる取り組みなのでしょうか。

国連食糧農業機関は2013年に早々と、食糧危機の解決に栄養価が高い昆虫類の活用を推奨する報告書を出しています。

しかしながら、定常的な食料として昆虫を利用するのであればどのように飼育するのか、またその餌となる昆虫などの並行飼育も必要になりますから、持続可能な仕組みを構築することが必須の状況のはずなのですが、そうした枠組みの策定がどこの国でもまったく実現できていないという現実が重くのしかかります。

とくに特定の昆虫だけを大量飼育した場合、環境に与える影響はどうなるのか。これについてはまったく研究が足りておらず、我々が理解できていない複雑怪奇な生息環境についてももっと精査する必要があるのが現状です。

Next: 食べて大丈夫?安心安全な食物として普及するには相当な時間がかかる

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