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Pascoのコオロギパンに嫌悪の声が殺到。コオロギ養殖には手厚い補助金も?謎の市場拡大で逆に募る昆虫食への不信感

「Pasco」ブランドで知られる敷島製パンが販売している、食用コオロギパウダーを使用したシリーズ商品に対して、反発の声が多くあがる事態となっているようだ。

渦中の商品は、その名もそのまんま「Korogi Cafe(コオロギカフェ)」というもので、フィナンシェやクロワッサン、バウムクーヘンなどが、2020年からオンラインショップ限定・数量限定として発売されているようなのだが、ここに来て急にSNS上などで「余計なモノいれてるじゃん」「凄く気持ち悪くなりました」などと、嫌悪感を示す意見が飛び交う流れに。

さらにこの騒動の影響か、店頭ではお馴染みの「超熟」など、コオロギを使っていない他のPASCO商品が売れ残り、値引きシールが貼られて大量に残っているといった報告もあったことで、一部で不買の動きが出ている……といった見方も広がっているようだ。

すでに徳島では給食に昆虫食を採用

世界全体で人口が爆発的に増えるに伴って、食糧不足の問題が大いに懸念されるなか、それに備えるものとして注目を集めているのが、いわゆる昆虫食と呼ばれるもの。

特に今回取沙汰されているコオロギは、牛や豚といった従来の家畜に比べて低い環境負荷で生産できる、次世代のたんぱく源として特に注目を集めていると、このところは盛んにメディアなどで持ち上げられたりするのだが、その反面で消費者の間で持たれているイメージは今ひとつといったところ。

現に、とある調査・研究機関が「抵抗感のある食品・食品技術」に関してアンケートを行ったところ、昆虫食を「絶対に避ける」「できれば避ける」と答えた割合は88.7%にまで達し、人工着色料や遺伝子組み換え食品以上に拒否反応を示す向きが多かったという結果が出ているようだ。

ところが、とあるリサーチ会社の調査結果によれば、2021年の日本における昆虫食市場は10億8000万円と前年から6割増、さらに22年には14億8,000万円とさらなる拡大を見込んでいるなど、目覚ましく急拡大しているとのこと。

このように消費者が受け入れようが拒もうがを問わず、じわじわと身の回りで増えているという、捉えようによっては何とも気持ちの悪い状況となっている昆虫食なのだが、実際のところ市販されているものに関しては、各々が「買わない」という選択をすれば回避は十分に可能だろう。

ところが昨年11月には、徳島県のとある高校において、乾燥コオロギの粉末を用いた料理が、給食として提供されたといった報道も。

食用コオロギを養殖する企業が地元にあり、そこが学校給食事業に参入したことから、日本国内では初となる“昆虫食給食”が実現したようだが、昆虫食への抵抗感を抱く向きが依然多いなか、生徒からすれば食べることを拒むのが困難な給食に供されるというのは、人それぞれが食べるものを選ぶ権利を奪う、まさに無理強い以外の何物でもないと、批判の声が多くあがったことも記憶に新しいところだ。

コオロギ養殖業に手厚い優遇?

このように、世間の評判とは裏腹に市場は拡大し続けているといった昆虫食だが、その背景には行政などからの“補助金”の存在が大きい……といった声もSNS上では流布している。

しかしながらこの話は、どうやらコオロギの養殖事業を展開するとある会社による、所在する自治体から“認定農業者”に認定されたというリリースが、その発端となっている模様。

認定農業者制度自体は、コオロギ養殖に限らず広く農業や畜産にまつわる事業が対象となっており、自治体からの認定を受ければ、農業用機械や農業用施設の導入に対する補助金や、農業経営基盤強化準備金制度や低金利融資などが受けられるということなのだが、これがなぜか“コオロギ養殖業のみに対しての手厚い優遇”という文脈で、話が広まっているといった状況のようだ。

ちなみに昆虫食の市場急拡大に関しては、このような“公金チューチュー”疑惑の他にも、文科省が仕掛けた大掛かりな利権であるとか、ダボス会議で世界から褒められたいから、あるいは“SDGsやってる感”に起因するものといった話など、さまざまな背景が取沙汰されている状況。逆にいえば、それだけ昨今の昆虫食界隈の盛り上がりに対して、多くの人が謎や不信に感じていることの証左とも言えそうである。

Next: 「私はコオロギが入ってないパンが好きなんじゃ」

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