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セブンイレブン、PSG観戦キャンペーンで車いす使用者を門前払い?救済求められたスポーツ庁はまさかの“無反応”で問われる存在意義

コンビニ大手のセブンイレブンが、海外名門サッカークラブ「パリ・サン=ジェルマンFC(PSG)」の来日試合の観戦チケットが抽選で当たるとのキャンペーンを行った際に、こともあろうか車いす使用者らの応募を拒んでいたことが判明し、批判に晒されているようだ。

報道によれば、キャンペーンサイトに注意事項として「車椅子ご利用や介助が必要なお客様への対応は行っておりません」と掲載していたとのこと。とある車いす使用の男性がこれに気づき、問い合わせ窓口で真意を確かめたところ、担当者は「車いす席は用意していない。抽選には応募しても無駄」などと答えたという。

セブン&アイ・ホールディングスの広報担当者はこの件に関して、今回の海外名門サッカークラブによるジャパンツアーの事務局から、車いす席が割り当てられなかったとして「現地での付き添いなどの対応が難しいことを知らせるために注意事項を掲載した。障害者を差別する意図はなかった」などと釈明しているという。

「差別の意図ない」お決まりの釈明フレーズに怒りの声

今月25日に大阪のヤンマースタジアム長居で行われる「アル・ナスルFC」との対戦を皮切りに、「インテル」や「セレッソ大阪」との対戦も予定されているパリ・サン=ジェルマンFCのジャパンツアー。

その開幕直前に報じられた今回のとんでもない話であるわけだが、これを受けてジャパンツアーの事務局側も「スポンサーが実施する観戦チケットキャンペーン用に車いす席を割り当てる必要があるという認識が欠けていた」とのコメントをしている模様。

それゆえに、車いす席を割り当てを受けられなかったセブンイレブン側としては、やむを得ずの対応だったのでは……との見方も一部からはあがっているようだが、とはいえセブンイレブン側はジャパンツアーの事務局に対して、車いす席の割り当てを改めて要求するようなことは全くしていなかったよう。

スポンサーにも関わらずセブン側が、なぜそのような“遠慮”をしていたのかは全く不明なのだが、ただ対するジャパンツアー事務局側も、車いす席を割り当てる必要があるという認識が“欠けていなかった”ならば、割り当てもできたのに……といったような口ぶりだけに、そのあたりの意思疎通が両者できていれば、何とかなった話ではなかったのか、とも思わされるところである。

しかし、車いす席の確保ができていないという明らかな問題を意識しつつも、問い合わせに対して「抽選には応募しても無駄」といった辛らつな言葉を投げかけていた点に関しては、仮にこの文言通りの返答だったとすれば酷すぎる話だろう、といった意見もあがっているところ。

さらに、今回の件でSNS上を大いに呆れさせているのが、セブンイレブン側から出された「障害者を差別する意図はなかった」というコメントである。

この手の不祥事の釈明においては、いわば“お決まり”といったこのフレーズなのだが、今回の件ではセブンイレブン側が、車いす席の確保ができていないという差別的状況があることを認識していたうえで、注意事項に「車椅子ご利用や介助が必要なお客様への対応は行っておりません」と記し、また問い合わせには「抽選には応募しても無駄」と塩対応しているわけで、にもかかわらず“差別の意図はない”との言い分は、捉えようによってはかなり白々しいといった印象も。

それだけにSNS上からは「またこの言い訳だよ」「情けない」「意図無く行われるのが「差別」やろが」といった批判の声が多く飛び交うこととなっているようだ。

スポーツ庁は問題解決にまったく機能せず

いっぽう今回の件における批判の火の粉だが、セブンイレブンのみならずスポーツ庁にも降りかかっている模様。

というのも、セブンイレブン側に問い合わせたという車いす使用の方は、スポーツ庁の障害者スポーツ振興室に対してこの件の対応を要望したというのだが、「差別的取り扱いではないか?」と同庁の見解を尋ねても回答はなく、また改善に向けて動いてくれることもなかったといい、要はまったく機能しなかったというのだ。

文科省や厚労省など複数の省庁にまたがるスポーツ行政を一本化すべく、2015年に設立されたというスポーツ庁。夏季五輪の東京開催が決まってから2年後の設立であったものの、その当初から「本当に必要なの?」「税金の無駄」などのも、少なからずあがっていたのも記憶に新しいところ。

ちなみに現在の長官は、あのハンマー投げの室伏広治氏が務めているというのだが、今年に入りスポーツ庁の長官として、世間に大いに露出したことといえば、今年3月に車いすテニス男子の世界的第一人者である国枝慎吾さんへの、国民栄誉賞の授与が決まった時を祝福したことぐらいである。

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東京五輪も終わり、次の国内開催かとみられていた札幌冬季五輪も市民からの拒否反応が強く、今後実際に手を挙げるのか不透明といったこともあって、なおさら「必要なの?」との声もあがりかねないといった状況のスポーツ庁。さらに今回においては、上記のような怠慢極まりない姿勢だったということもあり、その存在意義が大いに問われる流れになることも、今後大いに考えられそうである。

Next: 「スポーツ庁ってオリンピックで大騒ぎする以外に仕事してないの?」



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