ステーキチェーン「ペッパーランチ」の一部店舗で、客が下痢や嘔吐の症状が出たとのことで、運営会社のホットパレットはハンバーグメニューの販売を一時中止することを発表したと報じられている。
対象は「特製ハンバーグ」や「肉塊ハンバーグ」など7ブランド30品目。ホットパレットによれば、今月14日~22日に3店舗に来店した客5人が、下痢や嘔吐の症状を訴えたといい、症状のあった客が共通して食べていたのが「特製ハンバーグ」だったという。
下痢や嘔吐の症状が出た原因は今のところまだ分かっておらず、ホットパレットでは「発生原因の特定について全社を挙げて取り組む」としている。
10年以上前にも食中毒発生事件が
ペッパーランチといえば、まだ赤身が残った状態の牛肉やご飯などを、熱々の鉄板でよく混ぜて火を通していただく「ビーフペッパーライス」が看板メニューだが、今回の下痢や嘔吐の症状が出たのはハンバーグを食べた客だったということ。
ペッパーランチのハンバーグのほうも、提供される時点では中身に赤身が残っている状態だが、こちらも熱々の鉄板の上で自ら焼きながら食べるといったスタイルということで、SNS上からは「生焼けで食べたから?」といった疑念も。
しかし、今回の件で体調不良者が出た店舗名を見てみると「イオンタウン姶良店」「おのだサンパーク店」「パークプレイス大分店」というように、九州地方とそれに隣接する山口県に集中していることもあり、提供された料理に何らかの問題があった可能性も考えられるところである。
そうでなくともペッパーランチといえば、2009年にも大きな食中毒発生事件を起こしたことが。
その際は、同店で提供していた成型肉使用の「角切りステーキ」の肉の一部に、O-157に感染した疑いのある肉が混入してしまい、それが各地の店舗に出荷されることに。これにより11都府県で23人、疑わしい事例も含めると全国で33人という食中毒患者を出してしまったのだ。
今回の件では幸いにというか、今のところ健康被害が出たのは先述の通り3店舗5人に留まっているのだが、全国の店舗でしばらくはハンバーグメニューの販売休止するということで、その影響は全国に広がっている状況だ。
国内より海外のほうが店舗数が多いペッパーランチ
いっぽうで、ペッパーランチの過去の不祥事ということでいえば、先述の食中毒事件以上にインパクト大だったのが、2007年に発生した同店店員による女性客の拉致監禁、そして強盗強姦を行ったという事件。
事件発生から同社が記者会見を行うまで1週間ほどのタイムラグがあり、その間に事件が発生した店舗の設備が撤去されるなど、すぐに事実を公表するどころか隠蔽も疑われるような事象もあったことから、批判が大いに渦巻くこととなり、一時は同社の株価がストップ安となるなどの事態に。
そのあまりにも非道な行為から、ペッパーランチのブランドネームは大いに毀損されたうえに、さらにそのことが長らく語り継がれることとなり、今回の件に対する反応でも、そのことを蒸し返す声が未だにあがっているというのだ。
ただ、その割にといえば何だが、ここ近年ではショッピングモールにあるフードコートへの進出が目立つなど、出店を加速させているといった状況。2020年に従来ペッパーランチを展開していたペッパーフードサービスが事業を分割し、売却されたペッパーランチ事業だが、袂を分かつ格好となった「いきなり!ステーキ」が、長らく迷走が続いているのと比較しても、くっきりと明暗が分かれている格好だ。
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その出店状況を見てみると、22年末時点で世界15か所の国や地域に305店舗出店するなど、どうやら日本国内よりも海外のほうが店舗数が多いよう。
初の海外進出は2003年の韓国・ソウル店と、かなり早くから海外を志向していたペッパーランチ。海外店舗においては、日本らしさを大いに感じさせる「牛すき焼き」や、宗教上などの理由で牛肉が食べられない人のために、チキンやシーフードのメニューを充実させるなど工夫しているようなのだが、先述の不祥事の件など、国内ほどペッパーランチのブランドに変な色が付いていないことも、海外出店がより順調なことに繋がっている……とも言えるかもしれない。
さらに25年までの中期経営計画では、国内400店、海外600店の合計1,000店程度まで店舗数を増やすことを掲げている同社だが、その最中で発生した今回の出来事がその勢いに影を落とすことになるのか、大いに注目されるところである。
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ツイッターの反応
ペッパーランチ、10年ちょっと前にも客に焼かせるステーキでO157出してたけど、またかね。
— Y Tambe (@y_tambe) October 30, 2023
ほぼ生のハンバーグを客に焼かせる方式で提供してるからでは?
ミンチ肉は中まで完全に火を通さないとダメなのは常識だけど、どんどん冷えていくプレートの上で焼けと言われても・・ https://t.co/3sF2zmE3RV pic.twitter.com/5tEgHlySpl— 三田尻 (@mitajirishimizu) October 30, 2023
ペッパーランチってハンバーグに限らず、鉄板を加熱しただけで肉に火を通しきらずに提供して、客が客席で「お好きな火加減」で食べるという業態だから、「原因がハッキリしない」もクソもなく不十分な加熱のハンバーグがあたることがありえるはずなんだが、わざわざ原因不明とする根拠があるのだろうか https://t.co/QaqFwn8Y96
— びばのん/馬鹿家元 (@vivanon_iemoto) October 30, 2023
ひき肉はもう、何が使われているか不透明すぎる。
先日食べたシュウマイのひき肉は、
ダンボール入ってね?って食感で、
思わず吐き出した。ペッパーランチ運営会社、ハンバーグを販売休止 食べた客に体調不良者続出……「心よりお詫び」(ねとらぼ)https://t.co/QT7klpzEuD
— ララ (@zqpCL4gDknmK1wE) October 30, 2023
食中毒とかよりも心斎橋店の事件の事を思い出して「睡眠導入剤とか何か分量間違えて混入したのでは?」と考えてしまう…
ペッパーランチ運営会社、ハンバーグを販売休止 食べた客に体調不良者続出……「心よりお詫び」#Yahooニュース
https://t.co/6SUqtwiScs— takeshi74 (@takeshi741) October 30, 2023
ペッパーランチがなんか食中毒出しているらしいが、それよりも、客としてきた女性を従業員たちがレイプしたという事件が衝撃的すぎて、その店がまだ同じ名前で経営しているということに何度でもびっくりする。日本は女の地獄だと痛感する。
— Kumiko (@Kumiko_meru) October 30, 2023
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