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豊洲初競り、一番マグロはコロナ禍前以来の1億円超え。年明け早々から重大ニュースが相次ぐなか「やっと正月らしい話題」と安堵の声

東京・豊洲市場で新年恒例の初競りが行われ、クロマグロの競りでは青森県大間産の1匹に1億1,424万円の最高値が付いた。

落札したのは、外食事業を展開する「ONODERA GROUP」と水産仲卸会社「やま幸」で、この2社が共同で最高値で競り落とすのは4年連続のことだという。

マグロの競りは、5日の午前5時10分に開始。例年、高値が付く大間産の中で最も大きい238キロ物が1番人気となり、1キロ当たり48万円と、過去4番目の高値となったとのこと。また1億1,424万円という価格は昨年の約3倍で、1億円を超えたのは新型コロナウイルス流行前の2020年以来、4年ぶりとなった。

落札額のうち釣り上げた漁師への取り分は?

ここ近年、価格の高騰が著しいマグロの初競りだが、その一因となったのが寿司チェーン店「すしざんまい」を展開する喜代村の参入。

2013年に1億5,540万円で競り落としたのを皮切りに、2019年には過去最高額である3億3,360万円、さらにその翌年の2020年には1億9,320万円と、1億円越えの落札価格で毎年世間を賑やかせていたのだが、その2020年の初競り後に世界はコロナ禍へと突入。

喜代村側は、翌2021年の初競りを「店の密を避けるため」などの理由で落札を自粛したのだが、その後の年も一番マグロの競りには参加しない方針を取っている模様だ。

そんな新型コロナの感染拡大後の3年間は、いずれも1,000~3,000万円代での競り落としと、過去の熱狂ぶりと比較するととかなり落ち着いた価格で推移していた。しかし、2023年5月には新型コロナが5類感染症へと移行するなど、飲食店の営業も平常化するなかで、今年はマグロ初競りの価格もコロナ禍以前に戻ったといったところ。

このコロナ禍突入以降、今回を含めて4年連続で一番マグロを競り落としたONODERA GROUPだが、海外にも店舗が存在する日本料理「銀座おのでら」などのフードサービス事業にくわえ、全国各地で給食サービスを展開するほかサッカークラブ「横浜FC」の親会社であるなど、多彩な事業を展開している企業。競り落とした一番マグロは上記の日本料理で提供されるほか、同社グループ傘下の有料老人ホームの入居者にも振舞われるとのことである。

いっぽうで、初競りの価格が過去の水準に戻るとなれば、もっとも恩恵を受けるのは釣り上げた漁師といったところだが、とはいえ当然落札額のすべてが漁師のもとに行くわけではないよう。

関係者のによれば、落札額のうち地元の青森県漁連に1.5%、大間漁協には4%、初競りまでの期間マグロを預かる荷受業者に5.5%が支払われ、その残金を釣り上げた漁師が受け取るとのことだが、そこから所得税などの税金で4割ほど持っていかれるということで、落札価格の5~6割程度といったところが実際の取り分となるようである。

正月恒例の話題がすべて吹き飛んだ今年の年初

マグロに限らず初競りといえば“ご祝儀相場”ということもあって、価格が高騰するのが常なのだが、とはいえ近年のクロマグロに関しては、億越えといったあまりの高騰ぶりに「あまりに異常だ」との意見も、例年あがるところ。

しかし今年に関しては、先述の通り“コロナ禍明け”を象徴する出来事であることもさることながら、それ以上に“いかにも正月ならでは”といった話ということで、多くの人々が寛容に受け止めているといった印象も。

というのも今年の年明けは、1日に発生した能登半島での大地震にくわえ、2日には羽田空港で旅客機と海上保安庁の航空機による衝突炎上事故も起こるなど、重大ニュースが相次ぐことに。

テレビなどの報道もそれら一色となり、「年賀状の配達」「皇居一般参賀」「帰省ラッシュで渋滞」といった、正月の風物詩といったニュースが軒並み吹き飛んでしまったなかでの、今回の“初競り”ということで、SNS上では「やっと正月らしいニュース」「お正月はこうでなくっちゃ♪」といった声も少なからず広がっているようなのだ。

正月から心が痛むニュースが続くなかで、一服の清涼剤といった存在となった今回の“初競り”の話題。ちなみに先述のONODERA GROUPのリリースによると、今回の一番マグロの提供による売上の一部は、被災地へと寄付されるようだ。

Next: 「刺し身1切れ1万5千円くらいの計算」



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