私が中学校1年の時に行われた全校朝礼の話は忘れられません。日経平均株価は1989年の大納会(12月29日)に終値の最高値38,915円87銭を付けました。これがバブルのピークで、その後、滝から落ちるような大暴落が待っていました。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』東条雅彦)
全校生徒が一斉に「ざわ…ざわ…」忘れられない校長先生の話
バブル崩壊~たった9か月で半値近い水準にまで暴落
私が中学校1年の時に行われた全校朝礼の話は忘れられません。
日経平均株価は1989年の大納会(12月29日)に終値の最高値38,915円87銭を付けました。これがバブルのピークで、その後、滝から落ちるような大暴落が待っていました。
湾岸危機と原油高や公定歩合の急激な引き上げが起こった後の1990年10月1日には、一時20,000円を割れました。たった9か月あまりで半値近い水準にまで暴落したのです。
1993年末には、日本の株式価値総額は1989年末の株価の59%にまで減少しました。
1989年12月(日経平均株価:38,915円)……私が小学校5年の時
1990年4月 (日経平均株価:28,002円)……私が小学校6年の時
1991年4月 (日経平均株価:26,007円)……私が中学校1年の時
1992年4月 (日経平均株価:18,582円)……私が中学校2年の時
1993年12月(日経平均株価:17,417円)……私が中学校3年の時
校長先生が僕たちに語りかけた日本の未来
当時は気づきませんでしたが、私はちょうどバブル崩壊のドサクサの時に小学校を卒業しました。
中学校に入って、最初の全校朝礼の時の校長先生の話。文面を全て覚えているわけではないのですが、ざっくりとは次のような話がありました。
校長先生
「今、日本経済が危機に直面していて、もしかして君たちのお父さん、お母さんの中で失業する人が出てくるかもしれない。これから日本の社会は大変なことになる!そういう環境にあるということを頭に入れて、家族の人には気遣ってほしい」
みたいな話です。
実際はもうちょっとオブラートに包んだ言葉遣いで校長先生は話していたはずですが、とにかく衝撃を受けました。全校生徒が一斉にカイジなみに「ざわ…ざわ…」となったのです。だから、あの時の雰囲気はよく覚えています。
学校の朝礼で唯一、私の記憶に残っているエピソードです。おそらく学校の先生たちも相当な危機感を持っていて、子どもには無関係かもしれないが、伝えておかなければと思ったのでしょう。
ただ、実際には数値的に確認できる「バブルの崩壊」と体感的な「バブルの崩壊」には、数年程度のズレがあると言われています。
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バブル崩壊が効いてくるのは5~7年後から
不良債権問題や株価低迷によって大手金融機関が次々と破綻に追い込まれたのは、1997~1998年頃にかけてでした。5~7年ぐらいのタイムラグがあるのです。この年数は赤字が続いて、内部留保を減らしながら、企業がなんとか凌げる年数とも言えます。
当時、すぐに影響を受けたのは新卒の就職でした。当時の就職率をグラフで確認すると、一目瞭然です。就職率が80%だったのが、バブル崩壊直後から滝から落ちるように下落が続き、1997年には60%を割り込みます。
私が就職した2001年には、就職率が55%近くまで落ちました。どうりで就職活動が困難を極めたわけです(笑)。
中学1年の時に語っていた校長先生の話は完全に真実でした。1991年のバブル崩壊は社会が変わる転換点でした。今もその影響下で日本経済は推移していて、まだ転換していないと個人的には厳しい見方をしています。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2016年6月12日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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