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上振れ期待が高まる2月決算企業…どれが買い?注目の4銘柄=田嶋智太郎

2月本決算の小売・エンタメ企業は、インバウンド需要や国内消費回復を背景に収益拡大。市場では通期予想の上ブレ期待が高まり、実際に上方修正する企業も多い。第3四半期決算でも上方修正が相次ぎ、配当・優待権利確定前の注目銘柄をチェックしたい。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2025年1月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

高まる上振れ期待

小売りやエンタメ系が多い2月本決算会社には、インバウンド需要の増加や国内消費の回復、物価高の伴う節約志向の高まりなどを背景に収益を拡大している企業が少なくない。

25年2月期がスタートしてからというもの、四半期が経過するごとに市場で「会社の通期予想は控えめで上振れ期待が大きい」との見方が拡がったり、実際に通期予想を上方修正したりする銘柄も目立つ。四半期決算の発表前から上振れ期待が膨らんで、決算発表に相前後して市場で再評価されるケースというもよくあった。

足元では、すでに第3四半期決算の結果が出揃っており、この時点で通期見通しを上方修正するケースも少なからず見受けられる。

配当や優待の権利付き最終まで、あと1か月。注目度が高いと思われるいくつかの銘柄をチェックしておきたい。

古野電気<6814>

魚群探知機を世界で初めて実用化した舶用電子機器の大手メーカー。

売上高の8割を占める舶用事業では、商船分野にはレーダー、電子海図情報表示システム、衛星通信装置などを取り扱い、足元では日本やアジア、欧州で商船向けのレーダーや電子海図の表示システムの販売が好調。また、産業用事業では医療機器やGPS機器などの他に防衛装備品も扱っており、防衛関連としての思惑が市場で持ち上がることもよくある。

1月10日に3Qを発表。同時に通期業績予想を上方修正している。

25年2月期は、売上高が前期比8.8%増の1,250億円、営業利益は同84%増の120億円、純利益は同44.2%増の90億円と、過去最高益更新を見込んでいる。

古野電気<6814> 日足(SBI証券提供)

足元の株価は、1月20日に昨年来高値を更新。その後、調整局面を迎えており、足元の予想PERは10倍を下回る。配当予想も上方修正しており、年90円配当(前期は60円)は、利回りにして3.4%台。

26年2月期は舶用、防衛関連とも一段と繁忙でさらに収益を伸ばすと期待される。

スギHD<7649>

東海地盤のドラッグストア。持株会社傘下に業界大手の『スギ薬局』。約8割の店舗が調剤薬局を併設しているところが特徴であり強みでもある。処方薬を受け取りに来た客がドラッグストアに来店するなど、調剤の活性化は物販との相乗効果につながる。

昨年9月に調剤薬局I&Hを買収し、この3Qから業績に反映される。買収効果に加え、都市部の店舗を中心にインバウンド(訪日外国人)の売り上げが伸びている。関東地方などでの新規出店のほか、既存店舗の改装効果も見込む。グループ全体で展開する店舗は2024年11月末時点で、東名阪を中心に2,178店となった。

1月9日に3Q業績を発表。同時に、通期予想を上方修正。25年2月期は、売上高が前期比17.5%増の8750億円、営業利益は同12%増の410億円、純利益は同16%増の255億円と、過去最高益更新を見込んでいる。

スギHD<7649> 日足(SBI証券提供)

株価は昨年10月に昨年来高値を更新し、その後はいったん調整局面入りするも、年明けから急速に切り返して、足元は昨年来高値に迫る勢い。

Next: まだある2月決算で上振れが期待できる日本企業…投資するなら?



乃村工藝社<9716>

ディスプレイ業界のリーディングカンパニー。複合商業施設から専門店、ホテル、オフィスなどの施設に加え、博物館、美術館、ショールームなどの展示、博覧会、展覧会、イベントといったプロモーション分野まで幅広く展開。

足元で、都市再開発や店舗の新装・改装案件が増加。大阪・関西万博も寄与して、上期末の受注残は過去最高となった。同社は、過去に日本で開かれた5回の万博すべてでパビリオンなどの展示施工に関わった。

大阪・関西万博関連の受注は300億円程度が射程に入っている模様で、愛知万博の85億円から大きく拡大。1月10日の3Q発表時に通期予想と配当予想を上方修正。

25年2月期は、売上高が前期比11.1%増の1490億円、営業利益は同53.5%増の80億円、純利益は同55.3%増の60億円を見込んでいる。

乃村工藝社<9716> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、一目均衡表の週足「雲」を上抜け、同時に昨年2月あたりから形成していた加工チャネルを上放れしてきている。DOE6%目途で、今期は年32円と前期の27円から増配となる見通し。配当利回りは3.4%台と魅力の水準にある。

イオンファンタジー<4343>

イオングループのモールを軸にアミューズメント施設を展開。国内に加えて中国、アセアンの大型SC(ショッピングセンター)内でもファミリー向けAM(アミューズメント)施設やプレイグラウンド(時間制遊具)施設を展開している。

国内はクレーンゲームやカプセルトイなどプライズゲームが好調。また、子ども向けの時間制遊具部門も急拡大している。25年2月期は、売上高が前期比6.0%増の867億円、営業利益は同59%増の57億円、純利益は同21.7%増の16億円を見込んでいる。

不振の中国事業を整理しながら、今後は国内や東南アジアの伸びに大きな期待。

イオンファンタジー<4343> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、一目均衡表の週足「雲」上限の水準が下値サポートとして意識されやすくなっており、中期的には3,000円台での活躍を改めて期待したい。

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image by: metamorworks / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』(2025年1月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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