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ホテル活況も人手不足…運営支援で成長&株価上昇が見込める日本企業は?注目3銘柄=田嶋智太郎

訪日外国人観光客の急増で活況を呈するホテル業界。しかし、慢性的な人手不足と人件費の上昇が運営の足かせとなっている。限られた人員で高品質なサービスを維持するには、ITソリューションや外部委託など効率化の仕組みが不可欠だ。今、ホテル・旅館業界の“縁の下の力持ち”として注目を集めるのが、業務支援や運営効率化に強みを持つ企業群。本記事では、IT導入や業務改善の面で業界を支える代表企業を紹介する。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2025年5月30日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

ホテル運営サポートで成長する企業

インバウンド(訪日外国人)客が急増するホテル・旅館業界は、足元で旺盛な宿泊需要に従業員の確保が追いつかず、人件費も上昇傾向にある。

ホテル業界は慢性的な人手不足。観光庁によると、国内の延べ宿泊者数は24年に6億5,028万人と14年比で4割弱増えた。一方で宿泊業の従事者数は同7%減。従事者1人あたりの年間延べ宿泊者数は5割増の902人と、旺盛な宿泊需要に対して受け入れ側の人材確保ができていない現状がうかがえる。

伊藤忠総研の試算では、26年の訪日客数は5,110万人と24年(3,687万人)からさらに増える見通し。限られた人数で接客サービスの質を維持するには、既存の人員でどれだけ運営を効率化できるかがカギ。特定業務の外部委託や地元飲食店の連携もひとつの手となろう。

そこで、今回はホテル・旅館事業の運営を側面から支える代表的な企業を以下にピックアップする。

大塚商会<4768>

独立系の情報サービス大手。オフィス用品通販「たのめーる」や、顧客IT支援「たよれーる」を新規客開拓の武器として、業務アウトソーシングや働き方改革、AI導入の追い風に乗る。

同社のホテル向けITソリューションは、フロント業務を効率化するPMS(ホテル管理システム)からバックヤード管理の勤怠・シフト管理など幅広い業務に対応。大規模ホテルからホステル、旅館など、顧客の事業規模に最適なソリューションを各種用意している。

チェーンホテル・リゾートホテル向けPMSでは、宿泊管理システム「PREVAIL」などがあり、ホテルシステムの基本機能(予約・フロント会計・顧客)に加え、レベニューマネジメントを支援する販売コントロール機能やインターネット予約への在庫ダイレクト反映などで客室の販売機会を逃さない。

足元は、柱のSIが『ウィンドウズ10』のサポート終了に伴うPCの買い替え特需で押し上げられており、つれて保守などサービスも堅調に増加している。

25年12月期は、売上高が前期比9.5%増の1兆2130億円、営業利益は同10.7%増の823億円、純利益は同2.8%増の550億円と、過去最高を更新する見通し。

大塚商会<4768> 日足(SBI証券提供)

株価は昨年11月に上場来高値(=3,789円)をつけてから調整含みの推移が続くが、2,850円処では下値の堅さが感じられる。予想配当利回りは2.9%と高め。

NCS&A<9709>

ソフト開発の老舗で、情報システムの構築を中心に運用支援、保守まで一貫した総合情報サービスを展開する。NECグループから一部システム開発を受託、サービスや機器販売で連携する。

足元は、好採算の情報システム可視化ソリューションの伸長が加速し、営業増益幅が拡大。26年3月期は外資系保険ソフトやホテル向けシステム開発の自社開発製品が着実に伸びる見通し。ホテル向けシステム開発は、訪日客数の増加見込み提案強化、新規開拓進める。

例えば、全国10都市に21ホテルを展開するホテルモントレグループは、23年1月にNCS&Aから導入したレストランの「オーダーエントリーシステム」の全店への導入を進め、23年7月に完了。伝票がなくなり、タブレットでの入力が連動して会計まで進むようになっている。かなりの業務の軽減、効率化につながっているうえ、ペーパーレスにも貢献している。

NCS&A<9709> 日足(SBI証券提供)

26年3月期は、売上高が前期比1.0%増の207億円、営業利益は12.8%増の22.5億円、純利益は同26%減の15.6億円(前期は繰延税金資産を計上)を見込んでいる。年44円配当を計画(前期は40円)しており、予想配当利回りは3.7%台。株価は、5月下旬に年初来高値を更新した。

Next: まだあるホテル活況を追い風に成長する企業。注目すべきは?



システムサポートホールディングス<4396>

パブリッククラウド基盤への移行支援と業務標準化の「サービスナウ」の導入支援が収益の柱。また、システムコンサル・設計・開発・保守などのSI事業も展開する。足元は、柱のクラウドで基盤移行・利用支援の受注が加速し、既存客のクラウド利用料収入も積み上がる。

飲食店向け食材自動発注システム「スマートラビット」から2月、新たに「ホテル向けアメニティ自動発注モデル」をリリースし、ホテル京阪が導入している。前月の宿泊者数と月末の棚卸在庫量から独自のロジックでアメニティの消費量を予測して発注量を決定。今後は販路拡大に注力する。

25年6月期は、売上高が前期比20.8%増の266億円、営業利益は31.7%増の22億円、純利益は同19.2%増の14.59億円と過去最高を更新する見通し。

システムサポートホールディングス<4396> 日足(SBI証券提供)

株価は、5月下旬に上場来高値を更新した。
※ほかに、宿泊業向け食材卸のトーホー<8142>、クリーニング首位の白洋舎<9731>も要注目。

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image by: K-Angle / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』(2025年6月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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