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猛暑が追い風「避暑経済」で株価上昇が見込める日本企業は?注目4銘柄=田嶋智太郎

7月も35度以上の猛暑日が相次いでいる。全国的な暑さは当面続く見通しで、猛暑を避ける「避暑経済」は今後も盛り上がることが見込めそうである。そこで、今回は「避暑経済」が潤すと見込まれるいくつかの分野で、活躍の舞台を広げる銘柄を挙げておきたい。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2025年7月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

記録的な酷暑下「避暑経済」で潤う企業

6月から続く記録的な暑さによって、涼しい屋内で過ごすインドア消費が活況を呈しているという。熱中症のリスクを避けようと、映画館や屋内型の遊び場など空調の効いた施設に人が集まりやすい。猛暑による屋外での消費のマイナスを「避暑経済」が補う構図となっている。

ナウキャスト(東京・千代田)とJCBがクレジットカード決済額をもとに算出する「JCB消費NOW」によると、映画館の消費額は6月後半に前年同期比で51.9%増となった。6月前半(56.0%増)から高い伸びが続いた。言うまでもなく、暑さの中で長時間屋外に滞在すると熱中症のリスクが高まる。遊園地の消費額は6月後半に4.6%減少していた。外出先は冷房が効いたインドアが選ばれやすい。

7月も35度以上の猛暑日が相次いでいる。全国的な暑さは当面続く見通しで、猛暑を避ける「避暑経済」は今後も盛り上がることが見込めそうである。そこで、今回は「避暑経済」が潤すと見込まれる幾つかの分野で活躍の舞台を広げる銘柄を以下に挙げておきたい。

U-NEXT HOLDINGS<9418>

7月10日発表の2024年9月~25年5月期の連結決算は、純利益が前年同期比4%増の135億円。売上高は20%増の2,834億円、営業利益は3%増の242億円だった。

動画配信サービス「U-NEXT」の有料会員数がスポーツコンテンツの拡充などで9%増の473万人と増えているうえ、海外サッカーの試合が視聴できるオプションサービスも伸びている。

同社が初めて自社企画・製作した映画「遠い山なみの光」は秋以降に日本やフランスなどの映画館で順次公開予定。2024年、全世界で1億人の会員を有する米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーと提携し、配信サービス「Max」の国内独占配信権を得ている。この協業は同社が強みを発揮する国内作品を海外で配信する突破口となる。

25年8月期は、売上高が前期比10%増の3,600億円、純利益は同9%増の167億円を見込む。

U-NEXT HOLDINGS<9418> 週足(SBI証券提供)

同社株は6月30日、一時2,359円をつけて上場来高値を更新。その後に発表された第3四半期決算の結果を受けて、株価がいったん大きく調整する場面もあったが、本決算期末が近付くなかで来期業績への期待感も高まっているものと思われる。

日本テレビHD<9404>

アプリのダウンロード数が累計8,500万を突破している民放公式テレビ配信サービス「TVer」において動画広告セールスが堅調で、デジタル広告収入が伸びる。また、「アンパンマンこどもミュージアム」の入場者数が堅調に推移するほか、映画事業において「名探偵コナン 隻眼の残像」などの公開作品が好調で、興行収入も堅調に推移する。

動画配信サービス「Hulu」を運営するHJホールディングスはコンテンツ資産などの減損を計上したうえで、再建計画に基づいて後に増資。ガールズオーディション番組「No No Girls」の大ヒットなどもあり、黒字転換への期待がかかる。

傘下でフィットネスジムを展開するティップネスは、4月に新業態のジム「MiiBA(ミィーバ)」を開設。既存店よりも会費を抑えて運動初心者を取り込み、ジム以外のサービスも充実し継続率を高める。

26年3月期は、売上高が前期比0.9%増の4,660億円、営業利益は同0.2%増の550億円を控えめに見積もっており、7月31日発表の1Q決算の内容をじっくりと見定めたい。

日本テレビHD<9404> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、4月につけた年初来高値に接近。

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ラウンドワン<4680>

複合店を経営する娯楽サービス大手であり、時間制スポーツ施設も育成。国内既存店はタレントやアニメコンテンツなどとのコラボレーション効果に加え、インバウンド関連のコト消費需要を取り込む。

香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)が5月末に投資家会議の場で、ラウンドワンが米国で手掛ける日本食レストランなどを評価し、同社株に3,405円の価値があると主張したことが話題に。

足元は、北米店舗で堅調なクレーンゲームの台数を増やし、客足や売り上げを伸ばす。日本の有名店と連携して飲食事業に参入。米国の主要都市に出店する。26年3月期の新規出店は米で10店舗と日本(2店舗)の5倍を計画する。

株価は、6月から「PBR5倍クラブ」への06年以来の復帰を果たしており、7月18日に付けた年初来高値=1,581円近辺でもみ合う展開。2006年4月に付けた上場来高値=1,999円を視野に。

ラウンドワン<4680> 週足(SBI証券提供)

26年3月期は、売上高が前期比9%増の1,931億円、営業利益は同19%増の312億円を見込んでいるが、いずれ増額修正される公算大。続く27年3月期についても同利益は2ケタ成長継続が有望視される。

GENDA<9166>

国内及び海外でアミューズメント施設の開発や運営を行う。国内ゲームセンターやカラオケ店がけん引し、主力のエンタメ・プラットフォーム事業は堅調。ただ、積極的なM&Aによるのれん償却費の増加や関連費用が先行して発生していることで、25年2~4月期の純利益は前年同期比で82%も減少。売上高は連結子会社が増えたこともあって39%増の342億円だった。

7月17日に公表した6月の売上高の速報値が前年同月比52%増の120億円となり、これを市場は好感。セグメント別にみると、エンタメ・プラットフォーム事業ではアミューズメントが前年同月比62.7%増の83.7億円、カラオケが同24.2%増の19.7億円で、もともと値ごろ感が強まっていた株価を刺激することとなった。

7月上旬から米国のゲームセンターで日本のアニメ知的財産(IP)である「たまごっち」などの景品の取り扱いを開始。また、このほど同社は映画情報サイト「映画.com」の運営を行うエイガ・ドット・コムの全株式を8月1日付で取得し子会社化すると発表。グループのギャガが配給する作品のプロモーションを「映画.com」で強化するほか、映画配給を担うギャガに加えて、グループでグッズの企画を手掛けるフクヤと一体となることで、コンテンツ価値最大化の体制を確立する。

GENDA<9166> 週足(SBI証券提供)

海外事業の業績改善期待も強く、株価はこの先回復基調を強める公算が大きい。

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image by: sophiecat / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』(2025年7月25日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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