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大容量HDDの価格が急騰中…恩恵を受けて株価上昇が見込める日本企業4社とは?=田嶋智太郎

パソコンやデータセンターに不可欠なハードディスクドライブ(HDD)の価格が、世界的に上昇局面へと入っている。中国でのPC生産拡大や、米国ハイパースケーラーによるデータセンター投資の活発化を背景に、HDDは供給不足の様相を強めている。部材価格の高騰も重なり、HDDメーカー各社はコストダウンが難しい局面に直面しているのが実情だ。こうした市況変化は、HDD本体メーカーだけでなく、関連部材を手がける国内企業にも追い風となりつつある。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

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※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2026年1月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

加速する「大容量HDD」向け市場の拡大

パソコン(PC)などのデータ保存に使う記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)の価格が急騰している。25年10~12月期の大口取引価格の交渉は7~9月期に比べ4%高で決着。上昇率は8四半期(2年)ぶりの大きさとなる。

中国でPC向けの引き合いが強まっていることが一因で、とくにPC向けの引き合いが急増している。半導体分野で中国は、CPUやOSの国内調達を増やし、中国製PCの生産を拡大している。結果、HDDの部材の値上がりにも拍車がかかっている。データを読み書きする磁気ヘッドやデータを保存するメディアのほか、半導体メモリーの一つであるDRAM価格も急騰が続いていることから、大手HDDメーカーは「部材が逼迫しており、コストダウンは難しい」と話す。

「ニアライン」と呼ばれるデータセンター向けの大容量HDDも、10~12月期は前四半期比で4%程度上昇したもようだ。米国のハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)を中心に引き合いが強く、「フル稼働で生産しても供給が追いつかない状況だ」(大手HDDメーカー)という。

HDDの世界的な主要メーカーとしてよく知られる米シーゲイト・テクノロジーやウエスタンデジタルの株価は昨年来急激に上昇しており、今年に入ってからも株価は強含みでの推移を続ける。

そこで今回は、HDDの製造にかかわる国内の主要企業を以下に挙げておくこととしたい。

TDK<6762>

コンデンサーやHDD用磁気ヘッド、2次電池、センサー等を手掛ける電子部品大手。足元は、ニアライン向けHDD部品の製造・販売が大きく伸びている。

同社は、データの大容量化に対応する次世代技術として注目される「熱アシスト記録(HAMR)」を開発中で、実用化は27年後半~28年ごろになる見通し。米シーゲイト・テクノロジーは、すでにHAMRを採用したHDDを市場に投入。これはHDD大容量化の切り札とも言える技術とされ、今後、生成AIによって起こる爆発的な大容量ストレージへのニーズに応えていくという。SSDではとても実現できない大容量とGB(容量)単価は、HDD人気の盛り返しに繋がるものと期待されている。

なお、同社の26年3月期は売上高が前期比7.5%増の2兆3700億円、営業利益は同9.3%増の2450億円、純利益は同7.7%増の1800億円と過去最高益を更新するを見通し。第2四半期時点の進捗率は営業利益で60%、純利益で61.9%に達しており、最終着地は上ブレする公算が大きい。

TDK<6762> 週足(SBI証券提供)

株価は、昨年11月に上場来高値を更新し、以降は調整含みでの推移となっている。

ニッパツ<5991>

自動車会社の系列下に所属しない独立系で、自動車の懸架ばねでは世界首位。もう一つの柱が2000年代後半に急成長したHDD用サスペンション(DDS)。09年に位置決め精度の高いDSAサスペンション、16年にはより高精度で大容量HDD向けのCLAを世界で初めて製品化。世界シェアは約5割と高い。

足元で、データセンター向けDDSが後半快走。懸架ばねは北米の採算改善効く。

同社の26年3月期は売上高が前期比0.2%減の8000億円、営業利益は同9.9%減の470億円、純利益は同17.0%減の400億円を見込んでいるが、27年3月期はDDSの好調で増収増益基調に回帰する見通し。

ニッパツ<5991> 週足(SBI証券提供)

株価は、昨年10月に上場来高値を更新し、以降は一旦調整を交えるも足元は戻り歩調。

Next: まだある「大容量HDD」需要を追い風に伸びる日本企業…投資するなら?



フルヤ金属<7826>

プラチナグループ(白金、イリジウム、ルテニウム等)の工業用貴金属製品メーカー。薄膜のルテニウム製ターゲット材で世界首位級。足元は、旺盛なデータセンター投資でHDD向けのルテニウム材料(ターゲット)が大きく伸長している。また、産業用温度計(サーマル)も在庫調整が一服し上昇に転じる。

ラピダスが進出した北海道千歳市内では、市内の工場で半導体製造の前工程で使われる炉の温度を精密に測るセンサーを増産する。

同社の26年6月期は売上高が前期比11.5%増の640億円、営業利益は同4.8%増の100億円、純利益は同7.2%減の60億円を見込んでいるが,第1四半期時点の営業利益の進捗率は34.1%と高水準。

フルヤ金属<7826> 週足(SBI証券提供)

株価は24年7月に上場来高値を更新し、以降は一旦調整を交えるも足元は戻り歩調を強めており、本日は昨年来高値を更新している。

MORESCO<5018>

工業用の特殊潤滑油を主体に、ホットメルト接着剤などを手掛ける化学メーカー。「特殊潤滑油」部門では、国内でトップシェアを占める高真空ポンプ油、難燃性作動液などのほか、自動車用高温用潤滑油やハードディスク表面潤滑剤などのオンリーワン製品も手掛ける。

足元は、国内中心に切削油剤の新規拡販が進むほか、高付加価値のHDD表面潤滑剤も販売好調。データセンター向けニアラインHDD市場は今後5年で倍増する見通しであり、関連事業の拡大見込む。

26年2月期は売上高が前期比6.2%増の365億円、営業利益は同25.8%増の17.5億円、純利益は同28.3%増の13億円を見込んでいるが、第2四半期時点の進捗率は営業利益で95.5%、純利益で90.4%と高水準にあり、最終的にはかなり大きく上ブレする公算が大きい。

MORESCO<5018> 週足(SBI証券提供)

株価は本日、昨年来高値を更新している。

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image by: evgenii mitroshin / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』(2026年1月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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