高市政権が掲げる「積極財政」「減税」「高圧経済」。SNSでは「ようやく日本が復活する」と歓迎ムードが広がっている。だが、景気が良くなることと、あなたの生活が豊かになることは別問題だ。政策の恩恵は均等には降り注がない。株価は先行して上昇するが、賃金上昇は遥か後の話。その間に物価が上がれば、むしろ「苦しくなった」と感じる層が出てくる。では、どうすればいいのか?答えは明快だ。自分を「恩恵を受ける場所」に移動させるのだ。(『鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編』鈴木傾城)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
ようやく日本が復活する?
高市政権が掲げる「積極財政」「減税」「高圧経済」などの経済政策パッケージは、停滞した日本経済を動かす強力なエンジンとして期待を集めている。
高圧経済とは、国が意図的に景気を強く押し上げて「仕事がたくさんある状態」をつくり、失業を減らして給料を上げやすくする考え方だ。たとえば、政府が公共事業を増やしたり減税したりして、マネーが社会に回る量を増やす。そうやって社会を活況化させる。
これらはデフレ脱却を確実なものとし、供給能力を上回る需要を意図的に作り出す。高圧経済の考え方は、理論上、企業の設備投資を促し、雇用を拡大させ、最終的には国民の所得を押し上げるはずだ。
SNSでは「ようやく日本が復活する」という歓迎ムードが広がっている。
だが、ここで冷静に考えなければならないのは、マクロ経済の数字が上向くことと、個人の生活が豊かになることは同一ではないという事実だ。景気が良くなる局面において、恩恵の出方にはかならず偏りが生じる。
高圧経済によって需要が喚起されると、まずは企業の売上期待が高まり、「株価」が先行して上昇する。実際、すでに株価の上昇は起こっている。だが、「賃金の上昇」や「生活実質の向上」はずっと後の話だ。
そこに至るには、企業の利益が確定し、それが内部留保や設備投資に回り、さらにその余剰が労働者に分配されるという長いプロセスを経る必要がある。
この過程で、物価上昇が賃金上昇のスピードを追い越してしまえば、生活実感としてはむしろ「苦しくなった」と感じる層が出てくるのは必然だ。
つまり、高市政権の「積極財政」や「減税」や「高圧経済」が進むのは日本経済にとっては素晴らしく良いことであり、それを歓迎する人は多いのだが、それであなたがすぐに豊かになれるかどうかは別の話で、下手したら物価上昇で「損する側」になるかもしれない。
政府が国債を発行して市場に資金を投入し、減税によって企業の手元資金を増やしても、その資金がいっせいに国民全員のポケットへ均等に流れ込むわけではない。とすれば、何を考えるべきなのか?
「勝つ側」と「置いていかれる側」の分断
ここで重要な視点は、積極財政がもたらす社会変化で、自分がどう立ち回ったら利益を得られるのか、という点を見極めることである。ぼーっとしていても、政策で自分が自動的に豊かになるわけではない。
下手したら、豊かになれる社会的なチャンスの中で、自分が置いてけぼりにされるリスクすらもある。
現代の資本主義の仕組みで言うと、資本を持つ者と持たざる者のあいだには、恩恵を享受するまでの「経路」の長さに決定的な差がある。高圧経済の熱狂の裏側で、すでに「勝つ側」と「置いていかれる側」の分断は始まっていると見ていい。
多くの国民は、自分たちが支持した政策によって景気が良くなれば、自動的に自分たちの生活も底上げされると信じている。
それが間違いなのだ。現実はそれほど甘くない。
Next: 得をするのは誰か。それは最初から決まっている
どれほど景気刺激策が強力であっても、その恩恵を直接的に、かつ最短距離で受け取れるポジションに身を置いていない限り、高圧経済の恩恵は「蜃気楼」のようなものに終わってしまう。
経済が過熱し、物価が上昇する中で、「労働所得のみに依存している人」は、むしろインフレという見えない税金によって生活を圧迫され、追いつめられていくリスクさえもあるのだ。
得をするのは誰か、最初から決まっている
減税や積極的な財政出動がおこなわれた際、その政策効果がもっとも早く、そしてダイレクトに反映されるのは、労働市場ではなく資本市場である。これは現代経済の構造的な特性で、個人の努力や企業の善意とは無関係に進行するメカニズムだ。
政府が巨額の予算を投じ、市場に流動性を供給すれば、投資家はその資金が将来の企業収益を押し上げると予測し、すぐさま株を買い進める。結果として、実体経済に変化が表れるはるか手前の段階で、株価や不動産などの資産価格が跳ね上がる。
積極財政や高圧経済を熱烈に歓迎し、高市政権を支持する層の多くは、実生活の好転を何よりも望んでいる。だが、株式などの資産を保有していないのであれば、体感できる恩恵は極めて「遅く、薄く、不確実」なものにならざるを得ない。
それならば、最初から「日本株を大量に買って状況を迎え撃つ」のが正しい姿勢であるというのは誰でもわかるはずだ。
要するに、株式を買っていないと話にならない。個別銘柄を買っておくのもいいし、日経平均連動ETFや投資信託を買っておいてもいいし、TOPIXを買っておいてもいいし、高配当ETFを買っておいてもいい。
私自身も高市政権になってから日本株には強気で賭けている。高市政権は高支持率の状態にあって、その政権が「積極財政をやる」と言っているのであれば、日本株に賭けるというのは悪い賭けではないと信じている。
日本人が日本株で儲けられるというのは、これほど幸せなことはない。
逆に言えば、株式を持たずに景気対策を応援することは、他人の勝利をスタンドから眺めているようなものなのだ。どれだけ強力な経済政策がおこなわれても「部外者」の立場にされるか、「後回し」にされるかのいずれかだ。
高市政権が目指す「強い経済」を支持し、その恩恵を享受したいと願うのであれば、私たちは感情的な「支持」だけでなく、自らの「立場」を政策の恩恵が届く場所に移動させなければならない。
Next: 選挙後はどうなる?自分が恩恵を受ける立場にいないと意味がない…
自分が恩恵を受ける立場にいないと意味がない
資本主義で恩恵を受けたいのであれば、それなりに立ち回っていなければならない。国の政策を応援するなら、自分が恩恵を受ける立場にいないと意味がない。
私は積極財政を主張する政治家を支持し、そうではない政治家は批判してきたが、それは自分がそれで利益を得られるからそうしているだけの話で、そうでなければやるわけがない。
機は熟した。いよいよ、高市政権で積極財政が進められる。
当然、この政権がもたらす経済政策がもたらす利益の多くは、労働市場ではなく金融市場に流れる。つまり、株式市場にいることが自分自身の利益となる。それを取りにいくのは理にかなった行動だ。
ここを取りに行かないと、せっかく日本の景気が良くなっても自分だけが取り残されるリスクをはらんでしまう。
まずは、資産の中で――
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『
マンさんの経済あらかると
マンさんの経済あらかると
』(2026年1月26日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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