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From 小池ゆりこ公式サイト | 鳥越俊太郎公式サイト

小池百合子を圧勝させた「選挙の技術」と鳥越俊太郎「7つの敗因」=ちだい

7月31日の東京都知事選は、小池百合子が勝ちました。自民党や公明党などの組織票を持たずに戦っていながらこれほど圧勝ができた要因は、どこにあるのでしょうか?(『原発ニュース最新情報』ちだい)

※本記事は、『原発ニュース最新情報』2016年8月2日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です。

悲劇のヒロインとチンポコ野郎の戦い~2016東京都知事選回顧

初の女性都知事を誕生させた「秀逸な選挙戦術」とは?

1. 小池百合子のカラーを設定したこと

小池百合子には環境大臣としての実績があります。それを売り出すことができる「百合子グリーン」という名前のカラーを作り出したことが、街頭をグリーンに染め、まるでブームが起こっているかのような演出をできました。

有権者が緑色のアイテムを持って応援することによって、「小池百合子を応援している人は多い」ということをアピールすることに成功しました。

2. 繁華街で効果的な街宣アピールができた

組織票を固めるために企業を回った増田寛也と異なり、無党派層に呼びかけるために徹底した街宣を展開した小池百合子は、選挙後半から「ポケモンGO」さえも積極的に取り入れていたのではないかと予想します。

人の集まりそうなところで街宣をする。タイミング的に最高だったのですが、ゲームの影響で繁華街に人が溢れ、効果的な街宣ができたと考えられます。マック赤坂が予想以上に健闘していることからも、街宣に出たことが今回の選挙では「吉」と出たと考えられます。

【関連】「不正選挙」は実在するか? 自民党が常に圧勝する真の理由=ちだい

3. 厚化粧という批判を武器に変えることができた

石原慎太郎による「厚化粧」という批判に対し、街宣では「今日は薄化粧でまいりました」と話すなど、批判を巧みに使い、武器に変えられたのは大きいです。

鳥越俊太郎がバッシングにまったく対応できないまま、票を伸ばせなかったことを見ると、ダメージにならない批判をうまく使って強さをアピールできたこともまた、女性票を取り込む要因になったと思います。

4. 「初めての女性都知事」をアピールできていた

いわゆる「おばちゃん層」が、こぞって小池百合子を応援していました。その理由は「頑張っている女性」に見えているからです。強い女性に頑張ってほしいと願う女性の無党派層をうまく集めることができました。

バッシングがなければ、鳥越俊太郎もおばちゃん層から集票できたかもしれませんが、致命的なスキャンダルが出てしまったため、女性に嫌われてしまったことは大きく、完全に小池百合子に流れたと考えられます。

5. 民進党や共産党支持者が小池百合子に流れた

これは意外なのですが、日本会議との蜜月が囁かれる小池百合子を、左翼的な共産党支持者が支持したことも大きく影響しています。

鳥越俊太郎を支持しない人たちを攻撃する民進党や共産党支持者たちを嫌う共産党員たちもいたということです。この人たちがなぜ小池百合子に入れるのかは謎ですが、党派を超えて支持されました。

6. 一人で立ち向かう悲劇のヒロインを演じられた

実際には、自民党を除名されるわけでもなさそうで、日本会議と蜜月な関係である以上、おおさか維新の会と同じように、安倍政権に近い存在として、ポジションはそんなに変わらないと思いますが、自民党を敵に回して、一人で権力と立ち向かう悲劇のヒロインを演じられたため、なんだか「頑張れ!」という気持ちにさせられました。

最終日には緑色のサイリウムやペンライトを振って応援する人たちで溢れる現象まで起こっていたため、圧勝することは予想できましたが、ネットも有効活用し、しっかりと選挙を戦えたことで、この圧勝劇になったと考えられます。

Next: なぜ鳥越俊太郎は小池百合子の足元にも及ばなかったのか?



なぜ鳥越俊太郎は小池百合子の足元にも及ばなかったのか?

鳥越俊太郎は、まったく票を取れませんでした。フタを開けてみれば、小池百合子にダブルスコア以上の大差をつけられて、まったく勝負になりませんでした。敗因はさまざまあります。今回、鳥越俊太郎を応援した皆さんには耳が痛い話だと思いますが、反省しなければ前には進めませんので、書き残しておきます。

1. 鳥越俊太郎の身辺調査ができていなかった

鳥越俊太郎が単なるチンポコ野郎であることは、身辺調査をすれば明らかになることだったと思います。一言で言うなら、そもそも鳥越俊太郎は選挙に出てはいけない人間だったということです。

それでも自民党に勝ちたいばっかりに、ネームバリューで候補者を選んで、あっさりと文春砲に沈む始末です。

2. 淫行報道は本当だった可能性が高い

週刊文春が選挙期間中に記事をぶつけてきたのは、被害者の女性を週刊文春が押さえていたからです。つまり、鳥越俊太郎は「事実無根だ」と誤魔化すしか手がなかったことになります。被害者を名乗る女性が存在することまでは鳥越俊太郎も認めているのです。

本当に事実無根なら「訴えるぞ」と脅すだけではなく、大々的にアピールすることもできたのですが、実際には被害者が存在するので、それさえもできなかったのです。

被害者が名乗りでなくても、けっこうなチンポコ野郎だと評判が立っているので、掘ればいろいろ出てきそうです。極めて脆弱な候補だったと言えます。

3. 政策を語ることができない

もし週刊文春の致命的な報道がなかったとしても、「準備不足」を認めているように、政策を語れず、ただ「安倍政権が許せない」というだけで現れた感が出てしまい、途中で「原発は廃炉にする」などという脱原発層を狙った発言もしていましたが、そんなのはまったく響いていませんでした。

巣鴨で政策を語らずに帰ってしまったことも評判が悪くしました。

4. 支援者たちの傲慢すぎる宇都宮健児叩き

前回の都知事選で98万票を集めた宇都宮健児を強引に下ろし、さらに「応援しろ」とまで言った。この傲慢な行為は、ちっとも民主主義ではありません。

「民主主義って何だ?」「これだ」と言っていた人が、いざ選挙になったら「応援しろ」と強要するわけです。

自由を奪われることを嫌うリベラルの人たちが、自民党に勝たせたくないから自由を奪われるのは当然だという論調に賛成するとは思えません。98万人の中には数万人の熱烈な宇都宮健児支持者たちがいるのですが、彼らに鳥越俊太郎が支持されなかったのです。

5. 厚化粧の批判に乗る頭の悪い演説も不評

ジャーナリストでしたが、演説もうまくありません。一番やってはいけない厚化粧の批判に便乗してしまい、小池百合子票を伸ばす始末です。単なる安倍が嫌いなオジサンにしか見えないので、ネガティブな演説ばかり繰り返している鳥越俊太郎を応援する無党派層は少ない。この国の半分以上は安倍政権を好意的に見ていることを忘れてはなりません。

6. 討論会に出席せずに逃亡したと評判になる

さまざまな討論会に出席せず、最後は池上彰からも逃亡する形となりました。ジャーナリストでありながら政治の突っ込んだ話をされると「分からない」からです。

政策の話ができない人が都知事になって活躍できるとは思えませんので、そういう面では東京都民のためには良かったのかもしれませんが、そんな人間を立候補させた野党4党にも責任があると考えられます。

7. 共産党の大本営発表に共産党員も興ざめ

共産党の機関紙「赤旗」は、鳥越俊太郎の選挙情勢を「横並び」と報じ、ダブルスコア以上の大差で負けた今回の選挙の総括を「大健闘」としていることに対し、共産党員さえもドン引きで、共産党離れが起こる要因を作っていると言えます。

自分たちのすごさを語るために話を盛って報道するなら、新聞である必要がありません。まともな反省ができなければ、同じ失敗を繰り返すだけ。しっかりと反省してもらいたいものです。

他にも敗因はたくさんありますが、そもそもを言えば、「なんで鳥越俊太郎なんだよ!」の一言で終わりです。野党が自分たちで自滅しているとしか思えないのです。これから石田純一でも出しておいた方が盛り上がったと思うほどです。それでも勝てなかったでしょうけど。

Next: 組織票があるのに勝てなかった増田寛也、3つの敗因とは?



組織票があるのに勝てなかった増田寛也、3つの敗因とは?

自民党公明党日本のこころを大切にする党の3党が推薦していた増田寛也は、組織票があっても負けました。本人は「知名度不足が原因だ」と分析しているようですが、それだけが敗因ではありません。

1. 名前を覚えてもらう作戦が結果的にダサかった

名前を覚えてもらうためにやった作戦が、「増田」という名前を書いたウチワ型の選挙ビラをネット上にアップし、知名度を上げるというものでした。

しかし、この作戦は結果的にダサかったと考えられます。安倍首相をはじめ、自民党や公明党のスター議員の力を借り、もっとポップに打ち出さないと、まったく浸透しないのだと思います。

2. キャッチーな政策を掲げることができなかった

自民党や公明党に推薦されていることは知っているけれど、結局、どんな政策を掲げているのかが不明確なままでした。小池百合子と比べた時に、政策アピールの面で劣っており、ほぼ組織票だけで、ここまで伸ばしたと思っています。アンチ小池百合子票を取り込むぐらいだったでしょう。

3. 結局は単なる原発利権クソ野郎でしかなかった

東京電力からお金をもらい、原発利権を守るために行動していたオジサンなので、まずリベラルの人から支持されることはありません。鳥越俊太郎を嫌いな人は小池百合子に投票したので、ほとんど従順な公明党票を取っただけだと言えるかもしれません。

自民党や公明党は今、どんなことを考えているのか。自民党内の分裂で負けたことを、どのように受け止めているのかを知りたいところです。


※本記事は、『原発ニュース最新情報』2016年8月2日号の一部抜粋です。メルマガでは今回ご紹介した以外にも、以下の内容を詳しく解説しています。

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原発ニュース最新情報』(2016年8月2日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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