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円高なのに下がらない日経平均株価は「18,000円」を目指している=長谷川雅一

日銀のETF買い入れ額倍増で、相場の流れが変わりました。円高にもかかわらず日経平均はじわりじわりと上昇。こういう「ゆるやかな上昇」は長続きしやすい傾向があります。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』長谷川雅一)

プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。

指数は底堅いのに個別銘柄の売買が難しい今の相場のポイント

日経平均は17,500円、そして18,000円を目指す

7月29日に日銀が、「ETFの買い入れ額を3.3兆円から6兆円に、ほぼ倍増する」と発表したことで、相場の流れが変わりました。

一気に急騰するような、派手な値動きにはなっていませんが、1ドル101円~102円(※編注:8/14本稿執筆時点)という「円高」の持続にもかかわらず、日経平均はじわりじわりと上昇を続けています。

こういう「ゆるやかな上昇」は長続きしやすい傾向があります。日経平均は17,000円を抜いて、さらに上昇し、17,500円に到達するのでは、と見ています。

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17,500円付近では、さすがに調整(下落)がありそうですが、調整を「浅く短く」すませることができれば、日経平均は再上昇して、次は、18,000円を目指す可能性があります。

今のところ17,500円の上は「不確実」な領域ですが、17,500円到達については、かなり確度が高くなっているように感じています。

個別銘柄の売買は難しい

日経平均は先週、ときおり調整をはさみながらも上昇を続けました。8月8日(月)の日経平均の「始値」は16,462円で、祭日をはさんで週末12日(金)の終値は16,919円でした。4日間で457円の上昇です。

しかし、日経平均が堅調なわりに、個別銘柄の売買では「あまり儲からない」と感じている方が少なくないのではないでしょうか。

たとえば、8日(月)の寄付で、スズキ<7269>を買ったとします。8日の始値は3,379円でした。週末のスズキの終値は3,282円。これほど相場が堅調な中、97円の値下がりと、日経平均とは逆に下落しています。

実は自動車セクタはまだ「マシ」で、現在、いわゆるディフェンシブと言われるセクタの銘柄を中心に、日経平均に逆行する形で低迷、または下落している銘柄が多く、「日経平均が上がっている割に儲からない」相場になっています。

建設ダメ、食品ダメ、小売ダメ、薬品ダメ、銀行も失速。任天堂(ポケモンGO)フィーバーも完全に終焉を迎えた今、「これ」といった銘柄が見あたりません。

Next: 個別がダメならETFがあるさ。ただし飛びつき買いは禁物



個別がダメならETFがあるさ

個別銘柄をトレードしても「儲からない」となれば、ETFの売買をする手があります。ETFは決算や個別の材料に振り回されることがなく、クセのない動きになりますし、日経平均に確実に連動します。

ETFの代表銘柄には、

があります。ただし、この2銘柄、意味を知らずに買うと大変なことになります。

1570は、日経平均が上昇すれば同じように上昇しますが、1357は日経平均が上昇すると逆に下がってしまう「インバース型」のETFだからです。今、1357を買うと、日経平均が上昇すればするほど値下がりして損をしてしまいます。

つまり、日経平均が上がるときは1570を買えばいい、上昇局面で1357を買ってはいけない、ということです。

安くなるのを待ってNEXT日経レバレッジ<1570>を買う

じゃあ、今はNEXT日経レバレッジ<1570>を買えばいいの? となりそうですが、相場全体に、かなり過熱感が出てきていますので、今から1570を買うのは、あまりオススメできません。

逆に、日経平均が大きく下がって、日経平均の下落がニュースになっているような状況で、1570を買うのが正解です。

つまり、値上がりしている最中に1570を買うのではなく、「安くなるのを待って1570を買う」のが正解だと思います。

このあとしばらくは(日経平均が堅調に推移する間は)「安くなったら1570を買う」で、いいと思います。

Next: 「買いチャンス」到来の米ドル/円、ただし注意点もあり



米ドル/円は「買いチャンス」

一方、為替(米ドル/円)ですが、このところ円高圧力が強く、また、とても値動きが小さくなっています。

現在、米ドル/円は101.00円~102.50円付近の狭いレンジで、もみあう動きですが、よく観察すると100円付近のサポートが、かなり強いことがわかります。

6月24日の「ブレグジット・ショック」のとき、米ドル/円レートは一時99円スレスレまで下落し(円高になり)、この頃から、「米ドル/円はまだ下がる(円高になる)。95円、90円もあるかもしれない」といった声も聞かれるようになりました。

しかし、今年は、ここまでかなり大きく下落しており、「これ以上の下落は起こりづらい」というレベルに達しています。

もちろん、相手は相場ですから、何があるかわかりませんし、今年はアメリカ大統領選挙の年ですので、大統領選挙が終わるまで(11月まで)は、円高圧力がかかりやすいのですが、それでも、「100円を割り込み、そのまま100円の下で動き続ける」といった弱い動きになる可能性は低いと思います。

現在の米ドル/円は、長い期間で見ても、かなり「割安」な位置にあると考えてよく、101円以下は「買いチャンス」である、と考えています。

「買ってすぐに儲かる」相場ではない

ただし今、米ドル/円に関しては、中長期的なスタンスで投資すべき状況です。短期で見れば、「なかなか上がらない」状況が続きやすく、上昇幅も狭くなりがちだからです。

米ドル/円は、買いチャンスには違いありませんが、「買って、すぐに儲かる」相場ではありませんので、その点、注意が必要です。

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長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2016/8/14号より一部抜粋
※記事タイトル・太字はMONEY VOICE編集部による

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