マネーボイス メニュー

もっと知りたい!「あの真相」が分かるドキュメンタリー映画5選=渋谷豊

毎日毎日、これでもかと色々なニュースが流れてきます。暗殺、出家、解任、証人喚問などなど。どれもこれも深い内容で、ニュースを見るだけではなかなか真相を知ることはできません。

そこで、今回は「もっと知りたい」「もっとみんなに知ってほしい」という気持ちで制作された、5つのドキュメンタリー映画を紹介したいと思います。どの映画も本当に深い内容です。深すぎて、見終わった後に考えさせられます。でも、飽くなき探究心さえあればここまで真相に近づけるものなんだぁと感心します。(『STAGE~人生の舞台で輝くためのライフスタイルマガジン~』渋谷豊)

プロフィール:渋谷豊(しぶや ゆたか)
ファイナンシャルアカデミーグループ総合研究所(FAG総研)代表、ファイナンシャルアカデミー取締役。シティバンク、ソシエテ・ジェネラルのプライベートバンク部門で約13年に渡り富裕層向けサービスを経験し、独立系の資産運用会社で約2年間、資産運用業務に携わる。現在は、ファイナンシャルアカデミーで取締役を務める傍ら、富裕層向けサービスと海外勤務の経験などを活かし、グルーバル経済に関する分析・情報の発信や様々なコンサルティング・アドバイスを行っている。慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。
ファイナンシャルアカデミー:http://www.f-academy.jp/

貧困問題からリーマンショックまで現代人の探究心に応える5作品

(1)4人の若者が旅先で経験した「想像を絶する世界」と「芽生えた思い」

みなさんは、毎日いくら使って生活していますか? 世界には1ドルで生活している人が、なんと11億人もいます。そんな全く想像もつかない1ドル生活を、グアテマラの小さな村で56日間体験した4人の若者の実体験ドキュメンタリーです。

作品:『1ドルで生き抜く』(原題:『LIVING ON ONE DOLLAR』)
主演:米国の一般的な4人の若者
制作:2013年(米国)

4人の若者がグアテマラに2ヵ月の旅に出ました。都会で育った彼らはめちゃくちゃテンション高めでグアテマラ入り。さて、滞在中に守るべき条件は「1日に使えるお金は1人1ドルのみ」、そしてその1ドルは「不定期でしかもらえないこと」のみ。

実際に生活をスタートしてみたら、空腹、病気、不安定さなどであっという間に衰弱していきます。そして、自分たちの日頃の生活がいかに恵まれていたかということに気付かされます。そんな中で、このような新興国ではマイクロファイナンスの必要性と可能性に気が付きました。彼らは多分これらを世界に広げていくことでしょう。

小さなチャレンジが大きな変化をもたらすことをひしひしと感じる秀逸なドキュメンタリー。ぜひ観てください。

【関連】そこまで考えていたのか!最高の休暇を過ごす富裕層、3つのこだわり=渋谷豊

(2) 学生を食い物にするアメリカの大学の実態

最近、トランプ大統領のニュースを見ていると、ハーバード卒、アイビーリーグ卒など聞く機会が増えました。米国は日本以上に学歴社会です。でもこの学歴が、学生のためではなく学校の営利目的でコントロールされているとしたら、「あなたはそこまでして大学に行きたいですか?」と思ってしまうドキュメンタリー映画。

作品:『学歴の値段~集金マシーン化した米大学の真実
主演:全米の色々な大学関係者
制作:2014年(米国)

これはひどい」と、つい思ってしまう映画です。アメリカの大学の授業料が高騰しているとは聞いていましたが、ここまでとは思いませんでした。

この映画では、ルーズベルト大統領が作り上げた高等教育の均等化をレーガン大統領が大きく政策転換をしたこと、また、それをきっかけに授業料が高騰したこと、州立大学の中退率がすこぶる高いこと、全米の学資ローンの残高は1.1兆ドル(124兆円)を越え全米のカードローンを上回り、大学卒業時の借金は1人あたり平均2.5万ドルもあることなどが描かれています。

でも、それだからこそ生まれたこともあります。例えば、スタンフォード大学発の新たな学び方がこれからの未来図もつくるかもしれません。

(3)リーマンショックの内幕を暴くドキュメントムービー

リーマンショックは金融機関の暴走で起こった惨劇だろう…とだけ思っていたら、それは大間違いだとわかる映画です。格付け会社、ローン会社、保険会社、投資銀行、政府、教育機関、司法などのすべての人が私利私欲で複雑に絡み合って…。

作品:『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実
主演:ポール・ボルガー、ルービニ教授、ジョージ・ソロス、エリオット・スピッツァーなど
制作:2010年(米国)

社会派ドキュメンタリーといえば、この映画。金融の専門用語が多く使われているので少し難しい内容ではありますが、ここまで各当事者が私利私欲をむき出しにして事件を起こしていたとは…。だからこそ、私たちはこのマネーの反乱で世界を揺るがした大事件を、この映画を通じて知るべきなのです。バブルを作りだす人々の本性が垣間見れます。

そしてこの映画を観終わった後には、投資の美味しい話を聞いても鵜呑みにしなくなっているはずです。

Next: 砂糖の摂り過ぎがもたらす弊害/コーヒー農家の貧困問題に迫る



(4)自分の身体で実験「あまくない現実」を伝えるポップな実験ドキュメンタリー

少し重い映画が続きましたので、少しポップで雰囲気の違うドキュメンタリー映画も紹介します。みなさん、甘いものは好きですか? 好きな人の方が多いはずです。あらためてショ糖(砂糖)の摂り過ぎを認識させてくれる「全く甘くない映画」です。

作品:『あまくない砂糖の話
主演:デイモン・ガモー
制作:2015年(オーストラリア)

砂糖の摂取し過ぎによる弊害を、自分の身体でテストする映画。ドキュメンタリーらしさよりも伝えることを優先しているので、作品は少しおふざけな感じはありますが、中身はちゃんとしています。

主人公の住んでいるオーストラリアでは、砂糖の1日の平均摂取量はスプーンの40杯もあり、日本の倍です。あれっ、日本人も意外に摂取している!と驚きました。

砂糖を摂取する実験により感じられたのは「身体の変化」よりも「心の変化」なのだとか。癖になる砂糖の摂取量(「至福点」といわれるそうです)によって、私たちが有毒にされているという驚きの事実を知ることできます。観ると健康に気をつけたくなりますよ。

(5)保護主義が台頭する中でフェアトレードについて改めて考えさせられる映画

砂糖の後は、苦いコーヒーの話です。全世界で1日あたりに消費されるコーヒーは約20億杯といわれています。また、私たちが飲む1杯で約300円のコーヒー、この1杯でコーヒー農家の手にする金額はたったの約3円しかありません。これだけ消費されるコーヒーを生産しながら、生産者が貧困に悩むのはなぜ?

作品:『おいしいコーヒーの真実
主演:タデッセ・メスケラ
制作:2006年(米国)

フェアトレードとは、新興国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、新興国の自立を促すものです。映画に出てくるエチオピアのコーヒー農家は貧困で、飢餓が広まっています。そのような貧困からの脱出を誰もが望んでいるなかで、親たちがコーヒーを少しでも高く売って「子供のために学校を設立したい」と皆で立ち上がるシーンは鳥肌モノです。貧困に屈しない凄みを感じることができる映画。

今回は、ドキュメンタリー映画を取り上げました。秀逸なドキュメンタリーは、真相を知ることができるだけではなく、その裏側にあるドラマを知ることもできます。ぜひ、そのドラマを観て何かを感じ取ってほしいと思います。

【関連】年収400万円層が知らない本当のルール。富裕層になるたった1つの方法とは=鈴木傾城

【関連】これからの「格差」の話をしよう トップ1%が富を独占する世界のカラクリ

【関連】就職も結婚もできない「クレジットスコア超格差社会」に突入する日本=岩田昭男

STAGE「真相」を知ることができるドキュメンタリー映画5選 より
※記事タイトル・本文見出しはMONEY VOICE編集部による

人生の舞台で輝くためのライフスタイルマガジン

STAGE

すべての人に、人生のSTAGE(舞台)を。ライフスタイル、仕事、お金、等の、人生の舞台で輝くために、役立つ情報を提供するキュレーションサイトです。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。