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7月以降は株価下落?「米国大統領就任1年目」の不吉なアノマリー=今市太郎

米大統領就任年の米国株式相場には、いくつかの不吉なアノマリーが存在します。今年も適用となれば、7月以降は下落に転じることを想定する必要があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年6月2日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

アメリカ市場は間もなく下落? トランプを襲う2つのアノマリー

はびこる楽観論とは裏腹に…

いよいよ6月相場です。市場に楽観論がはびこる一方、為替相場の方はいまひとつはっきりしない動きが継続し、かなり難しい相場展開になりつつあります。大きなイベントを控え、様子見の展開になるかもしれません。

そんな中、米国大統領就任年のNYダウの株式相場には、いくつかの明確かつ不吉なアノマリーが存在します。今年もこのアノマリーが適用になると、ここから先は株式相場も決してよろしくない状況になると考えられます。

その1「新大統領の就任年は、6月まで上昇してその後は下落」

これまで新大統領が就任した年は、結果的には、株式相場は上昇しないことが多くなっています。それでも、過去のデータによると、毎回6月までは比較的堅調に推移することがわかっています。今年もトランプ期待で相場は闇雲に上昇を継続していますが、このアノマリーが今年も適用になるとすれば、7月以降は下落に転じることを想定しておかなくてはなりません。

その2「民主党から共和党に政権移行すると、初年度の株価は大きく下落」

このアノマリーにさらに拍車をかけるのが、民主党から共和党へと政権が移行した初年度の株価は下落が激しいというアノマリーです。

古くは1953年のアイゼンハワーからはじまって、ウォーターゲートで辞任したニクソンの就任年、81年のレーガンの就任年、そして2001年ブッシュの就任年まで、どれも大きく初年度にNYダウが下落しているのです。直近のブッシュジュニアのときには、WTCのテロもあって下落に拍車がかかったことは言うまでもありません。それでも、平均するとなぜか、5%から7%程度の下落を示現することが非常に多いという事実があります。

民主党に比べると、共和党とウォール街がうまくいかないなどという見方もあります。その真偽はわかりませんが、少なからず政策が変更になる過程で、NYダウは夏以降に大きく下落することが極めて顕著になっています。

今年もこのアノマリーが確実に適用になるのかどうか、まだまったくわかりません。理由がわからないので「アノマリー」と呼んでいるものの、実際には何か隠れた理由が存在するのかもしれず、かなり注意が必要になりそうです。

Next: 陰りが見えてきた米国経済。6月FOMCが相場下落に拍車をかける



相場の下落に拍車をかける「6月FOMC」

足元の米国経済は、自動車の販売不振が顕在化する中で、不動産の販売でもいよいよ低迷がはじまろうとしています。

中央銀行が主体となって無理やり作り出してきた「人工的な相場」なわけですから、利上げ資産の縮小などを積極的に行えば、市場から過剰流動性が失われることは実際に政策を履行しなくてもすぐにわかる話です。

今のところ、NYダウはじり高を継続中ですが、こうした過去のアノマリーが適用されるとすれば、やはり夏に向けてあまりいい動きにはならないかも知れません。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

暴落ほど、為替市場で損失を被るネガティブイベントはありません。今日、明日が危ないという話では決してありませんが、少なくともタイトなストップロスは常に置いておくという習慣を忘れないようにしなくてはなりません。
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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2017年6月2日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2017年6月2日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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