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今、史上最高値圏のアメリカ株式市場から逃げようとしているのは誰だ?

今は退け時か? それとも入る時か? 悩んでいる投資家も多いでしょう。そんな中、米国富裕層の4割が「6月は投資を控える」と回答したとの調査結果が出ました。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2017年6月13日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

アメリカ株式市場から投資資金が流出、最新データで明らかに

「6月は投資を控える」米国富裕層の4割が回答

今は退け時なのか? それとも入る時なのか? 悩んでいる投資家も多いでしょう。そんな中、参考になる調査結果が出ています。

米国の富裕層の投資家の4割弱が「6月は投資を控えるつもりだ」と回答した。

出典:Millionaires are more afraid than ever — nearly 40% are not investing – CNBC(2017年6月1日配信)

報道のポイントを要約します。

市場調査会社スペクトラム・グループが発表している「富裕層投資家信頼指数」が、5月に17ポイント下落しています。

4月:20ポイント
5月:3ポイント(前月比:17ポイント下落)

これは、同社の調査開始以来、最大の下落記録となっています。また、「6月は投資を控える計画だ」と回答した富裕層投資家の割合は39%で、2013年12月以降で最大の比率となっています。

この富裕層投資家信頼指数が大きく下落したのは、トランプ政権の機能不全の恐れからだとしています。

スペクトラム・グループのトップは「株式市場は高騰しているが、富裕層はますます警戒感を強めているのが実態だ。トランプ政権の基盤の弱体化や、税制改正に対する疑念がその理由である。一般投資家も市場への信頼感を失っているものの、富裕層よりはマシで、どうも投資家にとっては混乱した時代に入っているようだ」と語りました。

ここから、元記事のチャートを載せて解説します。

富裕層投資家信頼感指数(青色)と一般投資家信頼感指数(黄色)の変化

(ア)は、スペクトラム・グループの調査結果である富裕層投資家信頼感指数(青色)と一般投資家信頼感指数(黄色)の変化を示しています。期間は2016年5月から2017年5月の1年間です。

青色の富裕層投資家信頼感指数が急激に下がり(20から3へ)、黄色の一般投資家の信頼感指数と逆転しました。

ほとんどの期間で富裕層投資家信頼感指数の方が高く、つまり投資(賭博)意欲が高かったのですが、今は大きく変化したようです。

(イ)も同じものですが、期間は2004年から2017年の14年間弱です。

気になるのは、2007年の年末時点の頃と現在のレベルが、同じであることです。富裕層投資家は、お金をかけて市場をチェックし、外部コンサルタントの意見を聞いています。テレビで無料で見られる、投資番組だけでは判断していないことが重要です。

なお、この富裕層投資家信頼感指数は、年間所得が50万ドル(約5千万円)以上で、1M$(約1億円)以上の投資用資産を保有している富裕層投資家を対象に調査しています。毎月250人の投資家にインタビューを行って算出しているとのことです。今回の調査は、5月19日から5月23日に実施しています。

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逃げたがっている投資主体とは? 直近の売買動向から分析

2017年5月までの投資資金の動きを数値データで紹介します。

(ア)長期投資信託での資金の流入・流出のデータですが、過去1年間、ほとんど流出となっています。

(イ)ヘッジファンドPPTが用いる、ETFでの資金の動きです。過去1年間でほとんどの期間で流入し、株価を支えています。ただし、この5月は、米国株型ETFで例外的で流出しています。世界株型ETFでは流入です。

(ウ)は、(ア)と(イ)の合計です。米国株では、流出が2ヶ月間続いています。
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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2017年6月13日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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