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永遠に続く格差の正体。死ぬ前に脱出するにはこの「うまい話」に気付け=鈴木傾城

もしあなたが資本主義の正体に気付かないまま「じり貧」に追い込まれているなら、搾取された分を奪い返さなければならない。どこから始めればいいのか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2017年6月4日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

冷酷な事実「リスクを取らない人間に、リターンは与えられない」

あなたの給料はなぜ「2倍」にならないのか?

現代は「資本主義」の世の中なのだが、基本的に資本主義の世界ではリスクを取った人間がリターンを手に入れる世界である。リスクを取らなかった人間にはリターンは与えられない

そのような社会になっているという例は、サラリーマンを長くやっている人が一番よく知っているはずだ。

会社の業績が上がったら株価も上昇する。しかし、どれだけ業績が上がっても基本的に自分の給料はほとんど上がらない。業績が2倍になったから給料も2倍になったという話など聞いたことがないはずだ。

仮に会社の業績が2倍になって株価も2倍になったとしても、給料は絶対に2倍にならない。一生懸命に働き、真面目に努力しても、さして給料が上昇していくわけではない。

では、業績が上がって株価も連動して上がったら、いったい誰が得するのか。それは従業員ではなく、株主に他ならない。業績が上がって株価が2倍になれば、株主の資産も自動的に2倍になる。

株主は基本的にはその会社で働いていない。通勤などしないし、朝から晩までその会社に尽くしているわけではない。にも関わらず、最も利益を得るのは株主である。

一見、これは不公平極まりない事象のように見える。いったい、従業員と株主は何が違ったのか

資本主義はすべてこの公式に則って成り立っている

株主は何をしたのか。株主は「リスクを取った」のである。

たとえ、その会社が減収になっても破産しても文句は言わないという契約で、自分の大切な資金を会社に提供した。その代わり、会社が儲けて株価が上がればその利ざやは全部まとめて自分のものにできるという契約をしている。

株式を買うというのは、その会社の存続に関してのリスクを負うということである。うまくいかなかったら資本を減らし、うまくいけば資本を増やす。

リスクを取ったからその儲けをがっぽりと手に入れることができる。その権利を与えられている。

資本主義とは、すべてこの公式に則って成り立っている。

資本でリスクを取った者にリターン(利益)を与える」という社会なのである。逆に言えば、資本でリスクを負わない者はリターンも手に入らない

一生懸命に労働したところで報われない世界が来ているのは、現代は資本主義がどんどん効率化されているからだ。労働よりも資本の方が上位に立っている。

だから「資本主義」という。

資本主義においては、労働というのは単なるコストである。コストは下がれば下がるほど得するので、労働の対価は削られていく可能性の方が高い。コストは常に削減されるものなのだ。

ちなみに会社側にとっての「コストの削減」という言葉は、労働者側から見ると「搾取」である。

「資本でリスクを取らないと報われない」ということに気付かないと、いつまで経っても資本主義でうまく生きていくことができない。資本主義の正体に気付かないと、どんなにもがいてもじり貧になる。

もし、自分の人生が資本主義の正体に気付かないまま「じり貧」に追い込まれているのであれば、資本主義から搾取された分を奪い返さなければならない。

どこから始めればいいのか。

Next: 道端に転がる「ローリスク・ハイリターン」の存在に気付けるか?



「働いているだけでは駄目だ」という冷徹な事実に気付け

働いている人間はみんな搾取の構造の中にいる。搾取される一方の世界で生き続けると、どうしても金融的にじり貧になっていくのが避けられない。

現代の資本主義は、働いている人の賃金はコストであり、コストは削減されるものなのだから、「ただ働いているだけ」であれば、じり貧になるのは必然であると言っても過言ではない。

まず「働いているだけでは駄目だ」という冷徹な事実に気が付かなければならない。

起きている時間のすべてを労働に費やしても、それでも食べていけない人が続出している。資本主義が進めば進むほど格差が極大化し、ワーキングプア層が莫大な数になっているのを見ても分かるはずだ。

しかし、誰であっても「資本でリスクを取る」自由は残されている。年齢、性別、職業、出自に関係なく、資本主義はすべての人間の資本を受け入れる。

だから、労働者も「資本でリスクを取る」という第一歩を踏み出さなければならない。

ところで、リスクにも「大きなリスク」と「小さなリスク」が存在する。往々にして巨大なリターンには巨大なリスクが付きものであるというのが世の中の常識だ。リスクとリターンの相関で考えると、以下の4つのものがある。

(1)ハイリスク・ハイリターン
(2)ハイリスク・ローリターン
(3)ローリスク・ハイリターン
(4)ローリスク・ローリターン

誰もが望むのは1つ。「ローリスク・ハイリターン」である。リスクはなるべく取らず、しかしリターンは大きく欲しい。そんな「うまい話」は本来はないのだが、常識に照らし合わせるとゼロではないことに気付く。

それは「絶対に潰れない優良企業の株式を安く買う」というものである。

Next: これ以上ない「うまい話」を見過ごして人生を終える人たち



これ以上ない「うまい話」を見過ごして人生を終える人たち

優良企業は毎年利益を上げる。利益が上がっている限り会社は成長する。成長する企業は株価が上がる

これはとても単純な話で、こうした優良企業の株式を安い時に大量に保有すれば、いとも簡単に資本主義の搾取構造から逃れることができる。

「絶対に潰れない優良企業の株式を安く買う」というのは、これ以上にない「うまい話」なのである。

ところが、この「うまい話」に素直に乗れる人が世界中見渡してもほとんどいない。その理由は無数にある。

ある人は、株はどんなものでも元本割れを起こすから怖いと言って買わない。一時的な元本割れを起こしても、優良企業は利益を上げ続けるのでいずれは株価は利益に収斂して元本割れも消えるという理屈が分からないし、信じられないからだ。

ある人は「資本主義は終わるかも」「金融市場は崩壊するかも」と恐れて買わない。資本主義は現代文明の深い部分まで浸透しているので資本主義の終わりは現代文明の終わりであることが分かっていない。

資本主義が死ぬよりも、自分が先に死ぬ方を心配しなければならないのだが、下らない噂話や陰謀論に動揺して余計な心配をして人生を消耗する人がたくさんいる。

株はギャンブルだと思い込んで激しく嫌悪する人も大勢いる。その人たちはフォーブスの長者番付を見たら、ほぼすべての金持ちが「株式の保有者である」ということに気付いていない。株式は売り買いしたらギャンブルだが、「優良企業の株式を長く保有する」というのはギャンブルではない

他にも奇妙な理屈、勉強不足、無関心で、この資本主義の搾取構造から逃れることができる方法を検討すらもせず、行動も起こさないで人生を終える人がたくさんいる。

「資本でリスクを取らないと報われない」ということに気付かないと、いつまで経っても資本主義でうまく生きていくことができない。リスクを取らなかった人間にはリターンは与えられないのだ。

それでいいのだろうか?


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鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』(2017年6月4日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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