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ヤフーがどうしてもジャパンネット銀行を連結子会社にしたかった理由=シバタナオキ

ヤフーは8月1日、ジャパンネット銀行を連結子会社にすると発表しました。その狙いと背景、またFintech関連事業の収益性についても詳しく説明します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2017年8月14日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

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「銀行」強みどう活用?クレジットカード事業急伸ヤフーの新戦略

ヤフー、ジャパネット銀行を連結子会社化

今日はヤフーの話を書きたいと思いますが、いつも書いているショッピングの話ではなくFintech(フィンテック)の話です。

1年以上前に以下の記事を書きました。そして、ここで書いたことが予想通りに起こったという話です。

*ヤフーのカードビジネスが抱える「時限爆弾」とその回避方法(2016/03/25)

三井住友銀行との間でのジョイントベンチャーであったジャパンネット銀行をヤフーの連結子会社にするという発表が8月1日付で出されました。

※画像出典:*株式会社ジャパンネット銀行の連結子会社化に関するお知らせ(※PDFファイル)

ジャパンネット銀行はヤフーと三井住友銀行がそれぞれ41.16%ずつ保有するジョイントベンチャーだったわけですが、この度株主間契約を変更することで、ヤフーの連結子会社にするという発表がなされています。

当社は、2013年10月にコマース事業における新戦略を開始して以降、ストア出店料等の無料化、ポイント施策、クレジットカード事業の開始等によって取扱高を急速に伸ばして参りました。今後コマース事業をさらに活性化させるためには決済金融事業をより強化する必要があると考えております。ジャパンネット銀行の連結子会社化を通じて、当社サービス内のエコシステムを強固にして参ります。

プレスリリースにこのような記載があったので、ヤフーのEコマース事業カード事業についてもう少し見てたいと思います。

背景 = Eコマース事業とカード事業の急成長

Yahoo!ショッピングが成長すればするほど、ヤフーのもう1つの新規事業であるクレジットカード事業の取扱高が大きくなります。

ショッピング事業の取扱高は2017年3月−6月の四半期において、前年同期比で約1.4倍の1,398億円に成長しました。

この1年間でクレジットカードの有効会員数は1.5倍増え、382万人にまで増えました。

クレジットカードの取扱高は前年同期比で約2倍に増え、四半期あたり2,000億円を突破しました。

そしてその結果として、この図の右にあるように金融事業の中でも最も利益率の高い「分割払い」「リボ払い」という高い金利で(短期に)お金を貸し出すビジネスが大きくなってきたわけです。

今回は、「なぜヤフーが銀行を連結子会社にしたかったのか」という背景を少し詳しく掘り下げてみたいと思います。

今回はバランスシートの話が少し出てきます。バランスシートと言うとすごく苦手意識の持つ方が多いのですが、なるべく簡単にわかりやすく、そして感覚的に理解できるように説明してみたいと思います。

Fintech関連の事業をされている方にとっては基本的な内容ではありますが、復習という意味でも役立つコンテンツなのではないかと思います。

Next: なぜ銀行を連結子会社化する必要があるのか?



なぜ銀行を連結子会社化する必要があるのか?

それでは、まず、ヤフーの最新2017年6月末時点のバランスシートを見てみましょう。「営業債権及びその他の債権」と呼ばれる項目が、ここ数年間で非常に大きく膨らんできていることがよくわかります――
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楽天カードと楽天銀行の例に学ぶ

ヤフーと楽天のFintech事業のバランスシートの規模感比較

Source:ヤフー株式会社 プレゼンテーション資料


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決算が読めるようになるノート』 2017年8月14日号「ヤフーがどうしても銀行を連結子会社にしたかった理由」より抜粋
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