マネーボイス メニュー

Joseph Sohm | Antonio Scorza / Shutterstock, Inc.

トランプ様の「潰すは恥だが役に立つ」劇場。反落からの大相場に備えよ=藤井まり子

相変わらずの「暴言」で話題を集めるトランプ氏が今切望しているのは、意外にも「官製の株式ブームがいったん萎み、米国が不況に陥ること」ではないでしょうか。そのほうが大型の景気刺激策が通りやすくなり、派手なインフラ・不動産バブルを演出しやすくなります。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年1月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

「計画不況」を準備するトランプ。そして到来する本当のバブルとは?

注目すべき2つの出来事

先週の主な注目すべき出来事は、1月6日にジョージ・ソロスが来日して3年ぶりに安部首相と会談したこと、1月11日のトランプ次期大統領記者会見でとうとう本性を露わにしたことです。トラ様は(確信犯的に)物議を醸すことがわかりきっている「保護主義的な発言(日本を、中国・メキシコと並んで名指しで批判)」をしました。

「ジョージ・ソロス来日」はヘリマネの合図か?

結論から言えば、安部自民党政権は、今年の秋あたりにヘリコプターマネーを発動させることでしょう。日本株式市場も、年中央あたりの大波乱の後は、なにやら大相場になりそうです。

折しも、ドイツのメルケル政権は今年9月の総選挙で減税を掲げるようです(ロイター報道より)。2017年から18年は、トランプノミックスに遅れじと、先進各国で減税が大流行するかもしれません。

話を元に戻しましょう。1月6日、ジョージ・ソロスが来日して、安部首相と30分の会談を行ないました。過去にソロスは、2014年1月のダボス会議で安部首相と短い会談を行なっています。その10ヶ月後の2014年10月には、黒田日銀がバズーカ砲を発射したことは、皆様の記憶にも新しいと思います。その後、日本株式市場は、2015年夏場まで上昇を続けました。

今回のジョージ・ソロスの来日には、アデア・タナーという著名なイギリス人が同行していました。タナー氏は『債務、さもなくば悪魔、ヘリコプターマネーは世界を救うか?』という著書を記している人物。そして、ソロスは安倍首相への影響力がとても強い人物です。

今年秋あたり(?)には、安倍自民党政権も、アメリカやドイツに見習って大規模な景気刺激策(=ヘリコプターマネー政策、具体的には減税か?)へと転じることでしょう。

ヘリコプターマネーには「大義」が必要だ

ただしその前に、今現在進行形の「官製のまどろっこしい先進国株式ブーム」がいくばくか萎まなければならないのではないでしょうか。日本のヘリマネ出動には「大義」が必要なのです。

そして、「まどろっこしい官製ブーム」を萎ませるものは、やはり「官」でしょう。イエレンFRBが今年2017年、2%を上回るインフレが起きそうなので、年2~3回の政策金利の引き上げを断行しようとしています。これにトランプ氏の保護主義的発言が幾度も重なれば、官製バブルは萎んでいくことでしょう。

また、2017年の「日本のヘリコプターマネー」の主体は安倍自民党政権であり、黒田日銀ではありません。黒田日銀は昨年9月から、長期金利をゼロ近辺にペッグする「イールドカーブコントロール」政策に転じています。これが何を意味しているかと言えば、

「安倍自民党政権が、長期国債を大量に発行して大規模な景気刺激策を行いたいのならば、日銀はそれを応援します。日銀は、長期国債の金利をゼロ(=財政コストゼロ)にキープして、政権が金利コスト・ゼロでいくらでもバラマキできるように、政権を援護射撃する準備がいつでもできあがっています」

ということです。すなわち、「ヘリコプターマネーを発動するかどうかは、政府が決めてください。政府がヘリマネ出動を決定するならば、日銀はこれにゼロ金利で応援します」という意味です。

2017年中に、安部自民党政権は「ヘリコプターマネー(=政府主導の大規模財政刺激策)」へと、大転換することでしょう。たぶん、アメリカやドイツと足並みをそろえるという意味で、秋になるのではないでしょうか。

先進各国においては、減税などの大規模財政出動は、各国が協調して同時に行なわないと、効果がない場合が多いです。一国だけで行なうと、今のアメリカのように、その国の通貨が強くなりすぎて、財政出動の効果を帳消しにしてしまう心配があるのです。

なにはともあれ、大相場が訪れそうですね。

Next: 記者会見で「破壊者」を演じきったトランプのストーリーを読む



トランプの頭の中(ストーリー)を想像してみる

自分でもまさか大統領になれるとは思ってもみなかったドナルド・トランプ氏。「瓢箪から駒」で大統領に選ばれたトランプ様。このトラ様が掲げる経済政策は、思いつきで喋ったことばかりで、支離滅裂でした。

しかし、大型減税を掲げるトラ様にマーケットは好意的な反応をしました。マーケットは、イエレン女史の地味で堅実な官製ブームに飽き飽きしており、マーケットは変化を望んでいたのです。

今のアメリカ経済が好調なのは、イエレンFRBの地道な金融緩和の継続の「成果」なのですが、「マクロ経済学上の真実」などという小難しいことはマーケット関係者たちはどうでもよくなっていました。威勢のよいトラ様を眺めて、みんなの気持ちが楽観的になったことが一番よかったのです。

でも、次期大統領になってしまったトラ様は、走りながらきっと、こんな思いを巡らせていました…。

「支離滅裂なことを言ったのに、株式ブームは壊れなかった…。壊れると思ったのに…」「大型減税の大風呂敷がよほどうれしかったのかな?」
「困ったなぁ…。景気がよい時に、大統領に就任したらとても損だ…」
「俺がつくりたいのは大型の不動産&インフラの派手なバブルだ!それを効率的に造り出す前には、なんとしても、その前に、今の地味な株式ブームの崩壊が必要だ」
「とりあえずは、今のトランプラリーを一旦は潰しておかないと、今後がやりづらいな…」
「バブル潰しには、刺激策の話は一旦は棚上げしなくてはいけないだろうな。今後は、保護主義的な発言を繰り返すのが一番だろうな」
「そもそも、潰すのは俺の得意技だ。俺様は計画倒産を四度もやり遂げているぜぃ~!」
「世の中には、潰した後の方が、とても良いことがあるんだぜぃ~!」

こうなると「災い転じて福となる」を通り過ぎて、「潰すは恥だが役に立つ」です…。そして、1月11日の問題の記者会見に至ったわけです。この仮説(トラ様ストーリー)が正しいとすれば、「今までの、そしてこれからのアメリカ株式市場」が、マクロ経済学から眺めても整合的にすっきり説明できてしまうので、たぶん、この仮説は正しいのではないでしょうか?

「破壊者」トランプのシナリオで米経済は一時不況入りも

もしかしたらひょっとすると、トラ様が切望しているのは「官製の株式ブームがいったんは萎んで、アメリカが不況に陥ること」なのではないでしょうか。

しつこいようですが、今のアメリカは景気が良いんですね。株式ブームの後半戦というか末期にさしかかっていて、実体経済も過熱(高圧)気味です。その好景気の中で、トランプがトランプノミックス(景気刺激策)を掲げて登場したのです。

すなわち「オバマから好景気をバトンタッチ」されているトランプは、とてもやりづらいんです。今の局面では、好景気を長持ちさせるのはとても難しい。でも、今の局面では、好景気を破壊することはたやすいのです。

折しも、イエレンFRBとて、中国などで経済的な大惨事(不動産バブル崩壊、あるいは人民元の大幅な続落に次ぐ続落を辿るなどなど)が起きない限りは、「2%以上のインフレはまかり成らぬ!」とトラ様の景気刺激策に宣戦布告。2017年はビシバシ利上げを行って、景気を引き締めようとしています。

アメリカの景気上昇局面と株式ブームは末期にある

現在のアメリカ株式市場は、株式ブームの後半戦どころか「末期の様相」を呈しています。トラ様から見ても、今現在の株式ブームは壊しやすい状態なのです。アメリカ経済も不況期に入りやすい状態。

トラ様にとっては、この株式ブームが向こう半年かけてゆっくりと萎んで、実体経済にも悪影響を与えるようになれば、とても好都合なのではないでしょうか。

その方が(大型の不動産バブルが巻き起きるような)大型の景気刺激策が秋あたりには議会を通りやすい、そのとき世界同時株安になっていれば、日本やドイツとも協調して財政出動ができます。

トラ様は、ビジネスマン時代に四度も自分の会社を計画倒産させて四度も這い上がってきた人ですから、これくらいの「計画不況」は走りながらでも思いつきそうです。

Next: レーガンもブッシュジュニアも大不況期に登場した「救世主」だった



レーガンもブッシュジュニアも大不況期に登場した

そもそも、レーガン大統領ブッシュジュニア大統領が大不況期に大規模減税や規制緩和を引っ提げて登場したように、減税大好きな共和党の新政権は、不況期にこそ威力を発揮できるんですね。規制緩和や大型減税などなど、いかにも共和党らしい経済政策を断行しやすいのです。

直近では、ブッシュ・ジュニア大統領が2000年に就任、その直後、グリーンスパンFRB議長が政策金利をがんがん引き上げ続けて、2001年にはITバブルが崩壊。アメリカは大不況に突入しています。そして、ブッシュの減税法案が議会を通過したわけです。

ブッシュジュニアは、就任後、ITバブルがはじけてアメリカ経済が大不況に突入した後に、「向こう10年間、1兆7,000億ドルの大型減税」と「イラク戦争という名の大型の積極財政」へと転じ、共和党の本領を発揮しました(ちなみに、このブッシュジュニアの大型減税「案」は、その後議会審議で、1兆300億ドルまで縮小されています。不況期のブッシュ減税でも、およそ1兆ドルだったのです、トランプ次期政権の「好況期の大型減税案:4~6兆ドル」がいかに大風呂敷であるかは、簡単にご理解いただけると思います)。

とはいえトラ様は、ブッシュジュニアと違って、今回は戦争ではなく国内のインフラ投資にお金を使うと言っているので、ブッシュジュニアよりは「まともな人」でしょう。

2017年の世界およびアメリカ経済は、(年半ばあたりに?)1回は地獄を見ないと、アメリカ議会は大規模減税や大規模インフラ投資といった大型の景気刺激策を承認できないのでしょう。

もちろん、議会で大型の景気刺激策が承認される頃には、アメリカ経済は不況になっていて、イエレンFRBとトラ様の間では「すり合わせ」が完了、イエレンFRBは、トラ様に足並みをそろえて、しぶしぶ金融緩和策へと大転換することでしょう。

秋には日米独で協調的な財政出動へ

かくして、すでに述べたように、安部自民党政権も「世界および日本の株式市場が一回は地獄を見ないと、ヘリコプターマネー(金利コストゼロの景気刺激的な大型の財政政策)」を出動できないのです。メルケルも世界同時不況が起きれば、今度こそ、ポピュリズムに迎合して、大型減税を行なうことでしょう。

アメリカ株も日本株も下げそうでなかなか下げないのは、こういった事情を「先の先」まで読んでいる投資家が、ぼちぼち出現しているせいなのでしょうか?

トランプ会見(1/11)の本当のポイントとは?

ロシア疑惑(ロシア諜報活動スキャンダル)」の渦中にあるトラ様。この日のトラ様は、大規模減税や大規模インフラ投などの景気刺激策について、さらには銀行への「規制緩和策」についても、全く言及しませんでした。

ここまで言えば、もうおわかりでしょう。トラ様は、確信犯的に「あえて財政刺激策や規制緩和策に言及しなかった」のではないでしょうか。一旦は、アメリカの株式ブームを萎ませるために…。マーケットが喜びそうな、景気刺激策には確信犯的に言及しなかったのです。

その代わりに、トラ様は「国内の雇用を増やす」と偏狭な愛国者らしい保護主義的な政策の数々に言及しました。こういった「保護主義的な発言」をマーケットは最も嫌います。こういった保護主義的な政策だけに言及して、日本もメキシコや中国と並んで名指しで批判されました。

たぶん、アメリカ株式市場も日本株式市場も、いったんは「調整局面の入り口」に入ったのではないでしょうか。それでも、アメリカ株式市場が萎まなければ、来週1月20日の大統領就任演説(一般教書)がとても注目されます。

トラ様は、この日の一般教書演説では、大型減税やインフラ投資などの財政刺激策については(確信犯的に)一旦はトーンダウンすることでしょう。なにせ「まずはぶっ壊したい」のですから…。

Next: もうすぐ、日本株の「絶好の買い場」がやってくる!



これから本格化するアメリカ企業業績の発表

この週末から、アメリカ企業の業績発表が本格化しました。今のアメリカ景気は中小零細企業を中心に加熱気味ですが、上場企業、特にグローバル企業では直近のドル高が響いて、業績悪化が見込まれています。

グローバルマネーは、あまりにも高値圏にまで買い上げられたアメリカ株式市場から離れて、まだ「ひどい高値圏ではない」日本株式市場とヨーロッパの株式市場へと流れ込んでいくことでしょう。

グローバル規模で5%~10%の調整も。日本株の買い場は?

それでも、米国株は調整すればドル安・円高になり、日本株もヨーロッパ株も調整には無縁でいられません。そろそろ(1月中には)「欠陥車:トランプノミックスPart1」の金メッキが剥がれて、グローバル規模での「2017年・第1回目のそこそこ大きな調整局面」が始まりそうです。ワクワクドキドキしながら待ちましょう。

アメリカ株式市場ならば、5~6%から10%前後の大幅調整が起きそうです。日経平均も、やはり5~6%から10%前後の大幅調整になるのではないでしょうか。調整が訪れたならば、春か夏までの命と割り切って、果敢に日経平均やTOPIXを買いに入ったらいかがでしょうか。もちろん、こういう場合は、1週間おきに利益確定してもOKだと思います。

目安は、あまりにざっくりで申し訳ないのですが、「日経平均:1万8,600円(PER:16倍)~1万7,500円(PER:15倍)割れでしょうか。このあたりが、いったんは、日本株の「2017年前半のそこそこの買い場」になると思います。

一方で「日本株の絶好の買い場(20%くらいの下落)」は、夏から秋にかけて起こる可能性が高いです。年初1月の1回目の調整後、春から夏にかけて、日経平均は2万から2万2,000円を目指すでしょう。これが、今年2017年の日経平均の最高値になるのではないでしょうか?

先進国株式ブームが終了し、秋からは「不動産バブルへGo!」

上記の通り、今年は夏から秋にかけてグローバル規模で株式市場の大崩落が起こる可能性があります。「2017年の大崩落までの勝負」と、ヘッジファンドをはじめとするグローバルマネーは、2016年秋から「トランプラリー」を巻き起こしました。アメリカの「トランプラリー」は、大崩落前の「グローバルマネーのアメリカでの最後の一刷毛」でしょう。

繰り返しになりますが、今現在のアメリカ株のシラーPERは28倍、サブプライム・バブル当時の水準まで押し上げられて、「ひどく割高な水準」になっています。アメリカ株は、あとは下落しかないんです。この同じグローバルマネーが、2017年に入っても、「まだひどく割高にはなっていない」日本株式市場とユーロ圏株式市場へと流れ込もうとしています。「大崩落前の最後の一刷毛」で、年初から春夏にかけて、日本とユーロ圏でも「一儲けしよう」と企んでいるようなのです。

そのため、2017年春か夏あたりまでに、日本株もユーロ圏株も「ひどく割高な水準(=日経平均ならば2万2,000円)」まで買い上げられる可能性があると指摘できます。

トラ様は、「現在進行形のまどろっこしい先進国株式ブーム」をさっさと破壊して、代わって、「大型の不動産バブル」を巻き起こすつもりなのでしょう、たぶん…。日経平均も、夏から秋にかけてグローバル規模での株式大崩落(20%前後か?)に巻き込まれて大崩落、1万7,000円の大台を割り込む可能性はあります。この時が「日本株の絶好の買い場」でしょう。

ですが、その後は間髪を置かずに、アメリカで「大型の不動産バブル」が始まり、2017年末の日経平均は2万円~2万0600円あたりまで戻すのではないでしょうか。

Next: 「潰すは恥だが役に立つ」2017年トランプ相場の乗り方・儲け方まとめ(1)



「潰すは恥だが役に立つ」2017年トランプ相場の乗り方・儲け方まとめ(1)

マーケットの全体像

早ければ春あたり、たぶん夏場から秋にかけて、アメリカ株式市場は大崩落する可能性があります。

イエレンFRBの「三度目の政策金利の引き上げ(3月or6月)」か「四度目の政策金利の引き上げ(6月or9月)の後、アメリカ株式市場のみならず、グローバル規模でも株式ブームの崩落がある可能性が高いです。なぜならば、世界の中央銀行である「FRB」の引き締めに勝てる相場は、この世には無いからです。

振り返ると「崩落までの勝負」と、ヘッジファンドをはじめとするグローバルマネーは、2016年秋には「トランプラリー」を巻き起こしました。今現在のアメリカ株のシラーPERは28倍、サブプライム・バブル当時の水準まで押し上げられて、「ひどく割高な水準」になっています。アメリカ株は、あとは下がるしかないんですね。

これらグローバルマネーは、2017年に入っても、「まだひどく割高にはなっていない」日本株式市場ユーロ圏株式市場へと流れ込んで、「まだまだ一儲」を企んでいるようです。2017年、日本株もユーロ圏株も「ひどく割高な水準」まで買い上げられることでしょう。

しかしながら、グローバルマーケットは、夏場から秋にかけて大崩落する可能性があります。大崩落に平行して、アメリカ議会は「トランプ新大統領の財政刺激プラン(大幅減税とインフラ投資)」を小粒にした「現実的な財政刺激策」を急いで通過させることでしょう。

イエレンFRBは、秋には「金融緩和策へと大転換」。株式市場の崩落(パニック)は比較的短期間で収まって、秋には「大型不動産バブルへGo!(トランプノミクスPart2)」となる可能性があります。アメリカで大型不動産バブルが始まれば、当然、アメリカ株式市場も日本株式市場も原油をはじめとする資源コモディティー市場も、再び上昇を開始することでしょう。

サブプライム・バブルの頃と同じように、アメリカの不動産バブル(とインフラ投資バブル)の「トランプノミックスPart2」が世界経済をけん引するのです。この大型不動産&株式バブルは、2~3年は継続することでしょう。

日経平均1万8000円割れは大チャンス

日本株は今年前半が勝負でしょう。今年2017年前半は、アメリカ株式市場が軟調なので、グローバルな過剰マネーはまだ割安感の残っている「日本株式市場とユーロッパ株式市場」へと向かうからです。

今年前半の日経平均は、乱高下を繰り返しながらも2万0600円を通り超えて、2万2,000円あたりまで上昇する可能性があります。中には、日経平均:2万5,000円を豪語する専門家もいます。

目先の「絶好の買い場」は1月中に始まるかもしれません。「期待先行だけで上昇してきたトランプ幻想」が、来週1月11日の「トランプ新大統領の記者会見」や、1月20日の「大統領就任」を境に、大きく幻滅へと変化。ロシアとの濃密過ぎる関係や直近のGMやトヨタへの保護主義的な発言で、既にこの幻滅は始まっています。

「トランプノミックスPart1」のメッキが剥げて、「トランプラリー」がいったんは終わるのです。アメリカ株式市場は、年前半だけでも、軽く5~6%、多ければ10%は下落するのではないでしょうか。

年前半でも、ざっくり目安としては、日経平均も、1万8,500円あたり(5%下落)までは下げるかもしれません。うまくいけば1万8,000円を大きく割り込むかもしれません。(10%下落)

すなわち、日銀の日本株ETFの買い支えがあるので、日経平均も、アメリカ株と同じくらいしか下げないのではないでしょうか。ワクワクドキドキしながら待ちましょう。

その後、日経平均は、春か夏場あたりまでに、駆け足で2万0600円から2万2,000円、2万5,000円あたりまで上昇することでしょう。ただし、早ければ今年の春、あるいは、夏場から秋にかけて、「アメリカ株大崩落」「先進国株式ブームの終焉」に連動する形で、日本株式市場も崩落を始めるでしょう。

夏場から秋にかけて、日経平均は、1万7,000円台を再び割り込むかもしれません。ここらあたりこそが、日本株式市場の「今年最大の買い場」なのではないでしょうか。

しかしながら、パニックは短期間で収束します。間髪を置かず、アメリカで「大型の不動産バブル(トランプノミックスPart2)」が始まることでしょう。2017年末の日経平均は、ざっくり目安として、およそ2万円から2万0600円あたりか。

Next: 「潰すは恥だが役に立つ」2017年トランプ相場の乗り方・儲け方まとめ(2)



「潰すは恥だが役に立つ」2017年トランプ相場の乗り方・儲け方まとめ(2)

ドル円

アメリカの長期金利の上昇は、周期的な揺り戻しは起こりますが、継続します。ですから、ドル高円安は、たびたび揺り戻しは起きますが、全体としては継続することでしょう。

ざっくり目安としては、夏か秋あたりには、1ドル120円から122円あたりまでドル高円安が進むのではないでしょうか。中には、1ドル130円までドル高円安が進むと見ている強者の専門家もいます。

昨日1月5日から始まっている「ドル安円高への巻き戻し」は、今までの「スピード違反で進行して来たドル高円安」の修正局面です。この修正局面、「1ドル115を割り込んで、1ドル110円から112円まで円高への揺り戻し」になるかもしれません(ここらあたりはちょっと自信がありません)。その後、「1ドル120円から122円のドル高円安が進行」するのではないでしょうか。

さらに、夏場か秋あたりには「1ドル100円~102円あたりまで円高への巻き戻し」が進行するかもしれません。瞬間風速で1ドル100円台を切るかもしれません。秋あたりに、アメリカで大型不動産バブルが始まれば、再びアメリカの長期金利が上昇し始めて、ドル高円安が進行することでしょう。1ドル120円あたりまでドル高円安が進行するかもしれません。

新興国株式市場

年前半はじっと我慢の子。アメリカで大型不動産バブルが始まれば、資源コモディティ価格も上昇して、新興国株式ブームが再び始まることでしょう。
続きはご購読ください


※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年1月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

【関連】トランプ会見でドル円急落!今後の市場は「毎日がスペシャル」の予感=今市太郎

【関連】「買い時」の何倍も難しい、トランプ相場の「売り時」を判断する方法=栫井駿介

【関連】今年の主役はNYダウとビットコイン、そして…?未来予測プログラムが分析=高島康司

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2017年1月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

有料メルマガ好評配信中

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート

[月額16,500円(税込)/月 毎月第1金曜日・第2金曜日・第3金曜日・第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
「マクロ金融・資産形成 de あそぼ♪」の筆者:藤井まり子が、金融資産3,000万円以上の読者に向けて送る「富裕層向けの資産形成のプレミアム・レポート」。第一メルマガ「~de あそぼ♪~」が、「結論と要約だけ知りたいし、具体的に何をしたらよいの教えてほしい」と熱望しておられる愛読者様に、是非ともお勧めです。この第二プレミアム・メルマガの購読者の方々は、ゴールド会員として、よりきめ細やかなアドバイスも、常時双方向で無料提供します♪年金不安なんか、ぶっ飛ばしましょう♪

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。