事前予想が通用しない近年の選挙「自民優勢」報道に死角はあるか？＝坂本彰

世論調査で与党合計300議席超えが見込まれる衆院選ですが、事前予想が通用しないのが近年の選挙です。波乱の可能性も頭の片隅に入れておきたいところです。（『日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン』坂本彰）

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世論調査は自民有利

明日22日に衆議院の総選挙が行われます。投資家というスタンスだと、自民党を支持している方が多いのかなと感じます。

自民党が勝利となった場合、アベノミクスが継続されますし、海外投資家も買いを継続するでしょう。そのため、日経平均株価はさらに続伸することが予想されます。

著書『10万円から始める高配当株投資術』54ページで書いたシナリオが実現し、2万2000円あたりまで上昇するのではないでしょうか。

NHK世論調査によりますと、自民党の支持率は32.8％となり、他の政党と比べて圧倒的に有利です。

公明党と合わせた与党合計で、300議席超えを見込む展開となっています。

最近の「選挙予想」は外れている

しかし、事前予想が通用しないのが近年の選挙です。

海外に目を向けると、2016年6月。離脱しないと思われていた英国がEU離脱という結果になり、株価は1日で1200円以上暴落しました。

11月の米国大統領選挙でも、クリントン氏有利と伝えられながらも、実際はトランプ大統領が勝利しました。このタイミングも日経平均株価は1000円近い乱高下となりました。

毎日新聞が実施した特別世論調査で、衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと思うかを聞いたところ、「よいとは思わない」が47％で、「よいと思う」の37％を上回りました。首相の支持率は、政党支持率と逆の結果なのです。

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高齢者ほど内閣支持率が低い

欧米の場合、若者が社会に大きなインパクトを与えるケースが多いのですが、日本の場合、高齢者の割合が非常に高い。

そして、年代別の内閣支持率を見てみると、20代までは支持が不支持を上回っているのですが（支持56、不支持33）、40代は不支持のほうが高くなります（支持44、不支持49）。さらに、年齢が高くなればなるほど不支持率が高くなっていき、70代以上は不支持が大きく上回っています（支持33、不支持53）。※出典：日経世論調査2017年7月

若者層の支持率が高い理由として、低い失業率やアルバイトを含めた人件費の上昇、出産・育児に関する手当や給付金制度など、メリットがいくつもあります。

ひるがえって、高齢者層のメリットがあまり見当たらないのです。消費税の増税、社会保障費の抑制や年金ダウンなど、不満が多いことも多々あります。株式投資をしていなかったら、資産増加の恩恵もゼロです。

これが、事前の予想を選挙結果を覆す要因にもなりそうです。結果によっては、23日の日経平均株価が大波乱となるでしょう。

予想外の選挙結果なら市場はどう反応？

そうなった場合、一時的な材料や投機的需要により高騰している株は、大きく値を下げるはずです。

1週間、半月というスパンで株価が半分程度まで下がる株も出てきますが、業績好調株を保有株のメインに据えるべきです。また、将来の需要やシェアが増加する業種を選ぶのが良いでしょう。

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