Amazonのジェフ・ベゾスCEOが「成功するための思考フレームワーク」を語る映像を紹介します。企業と自分自身を成長させるための貴重なアドバイスです。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2017年10月24日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
普段はあまり表に出てこないジェフ・ベゾスCEOのインタビュー
極めて貴重なビデオ
アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスが、成功するための思考フレームワークを説明しているビデオを見つけました。
彼は会社のサイズが大きいにも関わらず、あまりメディアなどに登場しないため、これらは非常に貴重なアドバイスになると思ったので、今回はそれを紹介したいと思います。
「後悔を最小化する思考フレームワーク」”Regret Minimization Framework”
1つ目は、彼がどの様にして大きな意思決定を行っているか、という話です。
詳しくはこちらのビデオを見て頂くのが一番正確だとは思いますが、全て英語でしか存在しないため、簡単な訳を付けていきたいと思います。
話の背景としては、ジェフ・ベゾスは、Amazonを創業する前は、ウォールストリートで非常に成功したキャリアを持つ人物で、教養も非常に高かったという話です。そんな中、彼が、それまで築き上げた地位を捨ててまで会社を始めるに至った理由と、その際に用いた思考フレームワークを説明しています。
その名も「Regret Minimization Framework」。日本語にするとすれば「後悔を最小化する思考フレームワーク」でしょうか。
<Jeff Bezos – Regret Minimization Framework>
仮に自分が80歳になったとして、これまでの人生を振り返って、最も後悔が少なくなるような意思決定をするというのが彼の意思決定のやり方です。
彼が80歳になった時、もしインターネットいう非常に大きな存在に対してトライしたのであれば、仮に失敗したとしても後悔しないと明確に分かっていた。だからAmazonを創業した、というのが彼の考え方でした。
逆にもしインターネットという非常に大きな波に対して何もトライしなかったのであれば、その後、80歳になるまで毎日後悔し続けたであろう、とも言っています。
つまり彼の考え方は、80年という非常に長い人生スパンで考えた時に、挑戦しなかったことを悔やむようなことだけはしない様にしよう、という考え方です。
Next: ベゾスCEOが追い続ける「地球規模の夢」とソニーの関係
「地球上で最も顧客中心主義」= 顧客の声を聞く、発明する、パーソナライズ
当メルマガの読者の中には、Amazonは「地球上で最も顧客中心主義の会社になりたい」というミッションステートメントを持った会社だということを、ご存知の方も多いかもしれません。
このビデオでは、地球上で最も顧客中心主義であるということを、非常に具体的にベゾス自身が定義していますので、その内容を紹介したいと思います。
<Jeff Bezos – How To Start A Business>
A: It’s earth’s most customer centric company and I explain what we mean by that because we have a very precise definition for “customer centric”. It means, listen, invent and personalize.
「例えば採用のプロセスなどで、採用したいと思う相手に伝えるAmazonのミッションステートメントというのはどういったものなのか」という質問に対して、「地球上で最も顧客中心主義の会社でありたいと伝える様にしている」と彼は答えています。
「地球上で最も顧客中心主義」というものに対して、非常に明確な定義を持っていて、1つ目に顧客の声を聞くこと、2つ目に発明すること、3つ目にパーソナライズすることだと定義しています。
1つ目の「お客の声を聞く」というのは、当たり前の様に聞こえますが、ジェフ・ベゾスは、顧客の声を聞かない会社は必ず失敗する、とも言い切っています。
2つ目の「発明する」という点に関しては、顧客の声を十分聞いても、何も発明しない会社は必ず失敗すると述べており、サービスを改善したり発明したりするのは顧客の仕事ではなく、会社側の仕事であるとはっきり定義しています。
3つ目に、「それぞれの顧客に対してパーソナライズされたサービスを提供しなければならない」と述べています。
そして最も重要な点として、この、地球上で最も顧客中心主義である会社というミッションは、何もAmazonだけに適用されるべきものではなく、あらゆる会社が目指すべきものだと彼は考えています。
そして、Amazonがそのミッションの最先端をいく存在でありたいと明確に定義しているわけです。
そして、彼はソニーの例を挙げています。
ソニーが第二次世界対戦後に掲げていたミッションは「品質の日本」と呼ばれるものでした。「品質のソニー」ではなく「品質の日本」がソニーのミッションだったというのは、自社だけに適用するよりも遥かに大きなミッションを掲げていたということで、Amazonもそのような存在でありたいと述べています。
Next: 真面目に働くだけではダメ!? ベゾスCEOが本音で語った成功の秘訣
成功に不可欠な要素 = タイミングと運
最後に、成功に必要な要素は何だった?と聞かれて次のように答えています。
「もちろん我々は、7,000人の社員とともに毎日とても一生懸命仕事をしていることには変わりないが、社員にもいつも伝えているのは、事業を始めたタイミングが非常に良かったということ」と彼は述べています。
Amazonは過去に何度も間違えた意思決定をしてしまったことがあるが、結果としてうまくいっていると述べており、逆にスタートアップが成功するためにはとても大きな「運」も必要だと述べています。
真面目に働いたり、正しい戦略を持つということはもちろん重要なことですが、真面目に働いて正しい戦略を実行している会社であっても、失敗する会社もたくさんあります。大きな成功を手にするには運も必ず必要だ、というのが彼の一言です。
以上、普段はあまり表には出てこないジェフ・ベゾスのインタビューからの抜粋でしたが、皆さんはどう思われましたでしょうか。
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『決算が読めるようになるノート』 2017年10月24日号『Amazonのジェフ・ベゾスCEOの成功のための思考法』より抜粋
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