偉大なアメリカと言ってヨイショするわけではないのですが、現在のアメリカには良い条件が揃ってきています。NYダウがあっさり21000ドルを超えたのも容易に理解できます。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)
NYダウ21000ドルは通過点。このアメリカの復活は本物だ
1.超長期の景気サイクル上昇
偉大なアメリカと言ってヨイショするわけではないのですが、現在のアメリカには良い条件が揃ってきています。
まずは、超長期の景気サイクルの上昇があります。
※参考記事:超長期の景気循環、コンドラチェフサイクル
この景気サイクルは、アメリカに限ったものではありません。しかし、動きが早い国が恩恵も早く受けることになります。自由の女神に象徴されるアメリカは、新しい産業への挑戦、起業に前向きです。起業家には、潤沢な資金の提供があります。リスクをとるマネーが動いているのです。
また、履歴書に人種や年齢、顔写真を載せないなど、採用(=雇用)が柔軟。採用差別の禁止が雇用回復を早めます。こうした面が、超長期サイクルの景気上昇の追い風を受けます。
例えると、追い風を受けて船の帆を大きくはる、あるいは感度の良いアンテナを高く上げている状態。そういう国が、超長期サイクルの上昇=産業革命の恩恵を、最も大きく受けるわけです。
2.「エネルギー大国アメリカ」の大きなアドバンテージ
次に、エネルギー面。
アメリカは、「21世紀のサウジアラビア」といわれています。シェールオイルの開発など油田採掘技術の進歩で、原油は自国で調達が可能になりました。
今後、エネルギー革命が進むと原油から他のエネルギーに主役が代わる可能性はありますが、それでも原油を自国で産出できるということは非常に大きなアドバンテージです。このことは、(世界の警察官として)原油輸入のルートを確保しなければいけないという従来のコストのかかる状況から、アメリカの負担を軽減します。
Next: 米国が持つ好条件その3:雇用創生・インフラ整備から生まれる好循環
3.雇用創生・インフラ整備から生まれる好循環
そしてトランプ大統領による、景気を押し上げる、雇用重視の政策。雇用が回復しますと、好循環が生じます。住宅ローンを組める人も増えますし、消費も堅調に。個人消費の回復が、さらに景気を上昇させます。デフレ不況と逆で、好循環が生まれるわけです。日本のかつての高度経済成長もそういう構図でしたね。
また、スモールビジネスの人たちが動きやすいように、行政手続きの緩和・簡素化も進めています。スモールビジネスも雇用政策と同じですから、これも効果的です。
さらに、アメリカはどちらかというとインフラの整備が遅れていたのですが、トランプ大統領はインフラ整備にも投資する政策を掲げています。これは、かつてニューヨークで不動産ビジネスを始めたころに、ニューヨークのビルを再生して活性化させた経験が背景にあるのでしょう。
インフラについては、現状は日本の東京の方が整っているのですが、アメリカがインフラも整備すると見違えるようになるはずです。インフラ整備のための雇用創出もプラスですが、インフラ整備の後に街を活性化して世界中から観光客を集めると、今後ますますアメリカの景気は良くなります。
欧米諸国は、デザイン大国であるので、今後のアメリカのインフラデザインも、要注目ですね。
このような要因を考えますと、NYダウがあっさり21000ドルを超えたのも、容易に理解できます。つまり、アメリカの復活は本物であるということです。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年3月2日)より抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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