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海外勢が拒否反応。現政権が続く限り、日本株は上がらないという厳しい現実=今市太郎

ここへきて欧米のファンド勢の安倍政権に対する見方がかなり厳しくなってきています。安倍首相の存在そのものが、日本株投資への障壁になりつつあるようです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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「海外ファンド勢から、安倍政権について聞かれることが増えた」

「安倍首相」が日本市場の障壁に

日本の株価がすんなり上昇しない理由には、かなり複合的なものが考えられます。

もちろん米国の株式市場の影響を大きく受けていることも事実です。しかし、ここへきて欧米のファンド勢の安倍政権に対する見方が、かなり厳しくなってきています。つまり、安倍首相の存在そのものが、日本株投資への障壁になりつつあるようです。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

世界が呆れる「モリカケ問題」

私はビジネス上、M&Aなどに絡む海外のファンドと話をする機会があります。

海外のファンド勢は、とにかく安定した政権を望んでいます。彼らは、アベノミクスの実行で株価が大きく跳ね上がったということで、安倍首相以外に選択肢はなく、政権続投が安心して日本に投資できる前提条件と考えてきたことは紛れもない事実です。

実は国内の金融市場関係者も同様で、QUICKによる調査では市場関係者の7割が安倍政権を支持しているという結果も開示されています。

たしかにアベノミクススタートで日経平均がざっと4倍以上になったわけですから、とくに株式市場関係者にとっては、いわば神様のような存在なのでしょう。

日本の政治についての詳細を理解していない海外のファンド勢も、ほぼこうした状況をトレースするような考え方を持っていたことは間違いないようです。

しかし、ここ1年以上も続くモリカケ問題は、日本という国をまったく知らない人間でさえ、事件のあらましを眺めるだけで呆れかえる内容です。

主要な役所に務める上級公務員のさらにトップクラスを巻き込み、しかも経緯を箇条書きで書いても、「忖度」というカタチの無い内容からはじまって、実際に公的文書の改竄や廃棄、そして実は保管していたことが発覚するなど、驚きの展開が延々と続いているのが現状です。

海外ファンド勢から「安倍政権」について聞かれること多数

またよくないのが、誰も刑事処罰の対象にならないこと。米国ではありえないお粗末な事態が続いていることで、とうとう米系の投資家筋にも伝わるようになってきていることがわかります。

実はここへきて、海外のファンドの人間から安倍政権のことについて尋ねられることが非常に増えており、返答に困る場面が多発し始めています。

彼らに言わせると、出てくる内容はほとんど1960年代あたりの発展途上国の独裁的為政者がいた頃の話に極めて酷似しているとのこと。

表向きは不法行為とは認定されないものの、透明性が低く、しかも首相の夫人が介在した案件が登場し、それに役人が総出で状況をねつ造しているという話が痛く気になるようです。

海外の投資家が見る安倍政権の現状というのは、もしかすると国内の人間が感じているよりも、かなり厳しいものになりつつあることを改めて感じさせられる次第です。

Next: 日本株への信頼問題に。海外ファンド勢は簡単には忘れてくれない



日本株への疑念を募らせる海外勢

日本の状況に詳しくないファンド勢のマネージャーが見ていても、相当な違和感を感じるということが明確に示現しつつあるというわけです。

もはや普通の不可思議な状況を超えていることは、海外の投資ファンドにも大きな疑念をもたらすことになっていることは間違いありません。

我々は意識していませんが、隣国の韓国では前大統領が極めて似たようなことをして刑務所にぶちこまれています

日本はそれ以下の非民主的な国家であるという、かなり悪い印象を海外投資家に与えていることは間違いありません。

時間がたっても海外のファンド勢は簡単に忘れない

どうも政権幹部は、時間が経てば国内の有権者はそれなりに忘れるだろうと、実に安易に考えているように思えます。

しかし、海外ファンド勢はそんなに稚拙な発想はもっていません。一旦、日本株への投資を見合わせるとなれば、ポートフォーリオから外すことになりますから、思いのほか低迷が続くことも十分に考えられます。

足元の日経平均は、やっと2万3000円を回復しても、米国の株式相場並には戻すことはなく、結局、海外勢は売りの買い戻ししかしていないことが透けて見えてきます。

安倍政権が続く限り、ろくな相場にはならない

今年の「Sell in May」のタイミングが終わり、いよいよ6月相場に突入します。

為替側からの視点で見ますと、海外勢が日本株を買うためにヘッジでドル円買いするといった「2013年のアベノミクススタート時期」のようなことはまったく感じられません。

ここからは、米国の株式市場が中間選挙に向けて上昇するような局面が現れたとしても、安倍政権が継続している限りは、ろくな相場展開にならないことも、かなり意識しておかなくてはならないところに差し掛かっているようです。

そのくらい足元の安倍首相の言動は、海外勢からも不信をもって見られている点には、相当に注意すべき状況といえます。

Next: 安倍政権の継続が、市場にとって大きなリスクになってきた



「安倍政権の継続」こそが大きなリスク

端的に申し上げて、安倍政権の継続は、金融市場にとってもプラスになるものはなにも無くなりつつあるのではないでしょうか。

安倍首相が退陣すると、アベノミクス終了で株価が大幅下落というのがこれまで国内の市場関係者のステレオタイプな心配事であったといえます。

しかし足元では、安倍首相が続投することが逆に大きなリスクになってきていることを、あらためて認識しなくてはなりません。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2018年5月28日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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