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2015年版「カンボジア銀行口座」のつくり方と注意点。日本人が観光ついでに口座開設できるオススメ銀行は?

アジアのローカル景気やおカネ事情を調査する『路地ウラ景気ウォッチャー』。今回はカンボジアの銀行事情、非居住者の日本人が口座を作る際の注意点、口座開設手続きの具体的な流れをご紹介します。いまは観光ついででOKですが、ルールはコロコロ変わるのでお早めに!?(取材・文 / げん 改め けん)

【 取材時の為替レート: 1USドル = 約4,100カンボジアリエル = 約124円 】
※カンボジアではUSドルが広く通用しています

カンボジアで観光ついでに銀行口座をつくる日本人が急増中!

皆さんチョムリアプ スーア(こんにちは)!
路地ウラ景気ウォッチャー・カンボジア担当の「げん 改め けん」でございます。

日本ではお盆休みも終わってしまいましたね。長期休暇明けはリズムを取り戻すのが大変だと思いますが、9月にはすぐシルバーウィークが控えていますので、それを励みにお仕事を頑張っておられる方も多いのではないでしょうか?

実は9月のシルバーウィークは祝日と土日が上手く重ならないと大型連休にはならず、今年はなんと6年ぶりの実現!しかも次に9月が大型連休となるのは2026年の見込みとのことで、来月のシルバーウィークはかなり貴重のようですね。

そんな大型連休を利用して、カンボジア旅行を計画する方も増えています!

大手旅行会社のJTBが発表した「シルバーウィーク海外パッケージツアー人気方面ランキング」では、カンボジアが昨年比1933%増で堂々の1位となっていました。カンボジア在住の僕としては、多くの方がカンボジアへ来ていただけるのは嬉しい限り。

でも、まだシルバーウィークの予定を立てていない方も大勢いらっしゃいますよね?そんな方に、僕が大型連休の過ごし方としてオススメしたいのが、カンボジア旅行のついでに銀行口座を開設するプラン

「海外旅行で口座開設」というと、ちょっとピンと来ない人もおられると思います。でも最近は、日本からカンボジアへ口座開設に来られる方が増えているんですよ!

海外で口座をつくる日本人が増えている理由って?

海外口座を作る理由としてまず挙げられるのが、その金利の高さです。

日本のメガバンクの定期預金なら金利は0.025%程度ですから、仮に100万円を1年預けても受取り利息は税引き後で200円。これは時間外に2回ATMを利用すれば、すぐに赤字となってしまう金額です。

それに比べて海外なら5~10%程度の金利もざらに見つけることができますから、その差は歴然です。もちろん金利が高い国はそれなりのリスクを伴いますが、日本の銀行だって安全とは限りません。

最近は日本の財政破綻を危惧して「資産を分散させたい」というお声もよく耳にします。税収より赤字国債の発行額が大幅に上回り、少子高齢で社会保障費がどんどん膨らみ続ける現状では、不安になるのも無理はありません。

ギリシャの預金封鎖も「近い未来、日本にも起こりかねない事態だ」と、不安を加速させるのに十分なインパクトでした。

さらに来年1月から始まるマイナンバー制度が、日本人の海外口座開設を加速させているようです。今年10月、全国民に12桁の個人番号が通知され、来年からはいよいよマイナンバー制度が導入されます。

この制度によって役所での手続きが簡略化されたり、今まで必要だった高額医療費や介護費の立て替えが不要になるなど生活レベルで便利になることは多そうです。何より収入と税金の情報がリンクされることで、脱税や不正受給の減少が期待されています。

とはいえこうしたメリットがある中で、この制度を手放しで歓迎しにくいのがセキュリティの問題や制度自体の不透明感ではないでしょうか。

時期も導入も不確定ながら、将来的にマイナンバーは、個人の預金情報、投薬・受診歴、犯罪歴など、多岐にわたる情報との紐付けが計画されているようです。

これらがどう運用されていくのかはまだ未定ですが、一部には「マイナンバーは貯蓄税や預金封鎖の序章だ!」といった危惧もあります。その真偽は定かではありませんが、リスクを分散させる意味でも預金の一部を海外の口座に預けておくのは悪い選択肢ではない、というわけです。

Next: 日本とどこが違う?「カンボジア銀行口座」のメリットとデメリット


路地ウラウォッチャー – げん 改め けん

日本で結婚して、たった半年でカンボジアへ単身渡航。彼いわく、結婚3ヶ月で奥さんのご両親に「カンボジアに行きます」と挨拶したことが、人生で最も緊張した瞬間とのこと。男にはやらなきゃいけない時があるとはいえ、本当に今だったのか!? それを証明する為にも、行け!「げん 改め けん」! 働け!「げん 改め けん」!!

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日本とどこが違う?「カンボジア銀行口座」のメリットとデメリット

カンボジアに馴染みのない方にとって、「カンボジアの銀行」と言えば、前時代的なものを想像をされるかもしれませんね。

念のため申し上げると、日本の銀行とほとんど変わりありませんから安心して下さい。行員の方は襟付きの制服を着て英語も堪能。情報もパソコンで管理されていますし、整理券の発券機や順番をお知らせするモニター、もちろん防犯カメラだってちゃんとあります。

最近移転したばかりのAdvanced Bank of Asia(ABA銀行)本店。どの銀行も日本人がイメージするよりずっと現代的

そんなカンボジアの銀行で口座を開くメリットはいくつかありますが、まず挙げられるのは金利の高さでしょう。例えば日本人がよく利用するプノンペン商業銀行なら普通預金でも年率1.2%、1年ものの定期預金なら年率6%もありますからね!

定期預金の金利は年数が増すごとに上がり、毎月利払いに対応する銀行もある

もちろん世界を見渡せばもっと金利が高いところもありまして、例えばデフォルト騒ぎが記憶に新しいアルゼンチンの定期預金の金利は軒並み20%を超えているのだとか。

このように大きなリスクを覚悟すれば桁外れな金利を見つけることもできますが、カンボジアは現状政権も安定しており、何よりASEAN統合をひかえ経済成長率が7%を誇る国。それでこの金利なら悪くないはずです。

加えてカンボジアで銀行口座を持つ一番のメリットは、米ドルで預金ができること!

カンボジアにはリエルという自国通貨がありますが一般には米ドルが多く流通しており、リエルは半ば補助通貨のように使われています。

だからカンボジアの銀行はリエルに加えドルでも預金ができるんです。日本に住みながらドルでもある程度のお金を持っていれば、「円高・円安のレートに合わせて通貨を使い分ける」なんてこともできて便利です。

さて、ここまでメリットをご紹介してきましたが、次にデメリットを見ていきましょう。私が思うカンボジアで口座を開く唯一にして最大のデメリットは、ペイオフ(預金保護)がないことです。

もしも日本の銀行が破綻した場合、ペイオフで1,000万円までの預金を保護してくれますよね。しかしペイオフのないカンボジアの銀行が破綻した場合、残念ながら諦めるしかありません。

もちろん現状を考えるとカンボジアの銀行が破綻する可能性は低いと思いますが、長い目で見れば絶対ないとは言い切れません。

上記のメリットとデメリットをふまえ、リスク分散のひとつの選択肢として検討する必要があるのです。

Next: どの銀行が日本人向き?各行の健全性とサービスをチェック!


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どの銀行が日本人向き?各行の健全性とサービスをチェック!

カンボジアで口座を開設するなら、なるべくメリットが大きくデメリットを受ける可能性が低いところを選びたいものですよね。

そこで、National Bank of Cambodia(カンボジア中央銀行)の2014 ANNUAL REPORTから、純資産1兆リエル(約2億4,400ドル)以上の16行をピックアップし比較してみました。総資産の順に上から並べ、合わせて純利益と利益率、不良債権を示した表となりますので、リスク回避の参考にして下さい。

出典:National Bank of Cambodia「2014 ANNUAL REPORT」より作成

本当は自己資金比率なども併記できれば良かったのですが、残念ながら見当たりませんでした。

ちなみに業界最大手のAcleda Bank(エーシーリーダーと読みますが、何故か日本人はアクレダ銀行と呼ぶ人が多い)は、昨年に三井住友銀行が筆頭株主になっており、続く2位のCanadia Bank(カナディア銀行)は三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の提携先、さらに3位のCambodia Pubulic Bank(カンボジア・バブリック銀行)はりそな銀行と提携しています。

他にもみずほ銀行はMay Bank(メイ銀行)とも提携していますし、Phnom Penh Commercial Bank(プノンペン商業銀行)はSBIホールディングスが筆頭株主。あとは上記の表には入っていませんが、パチンコチェーン大手のマルハンが出資するMaruhan Japan Bank(マルハン・ジャパン銀行)もあります。

これだけ日本の銀行などが多く出資していることからも、カンボジアにおける銀行の注目度が伺えるのではないでしょうか。

続いて各銀行の利便性や金利などをみてみましょう。先ほどの表と同じ並びで、支店数、ATMの箇所数、普通預金と定期預金(1年)の金利をまとめたものです。

出典:National Bank of Cambodia「2014 ANNUAL REPORT」と各行Webサイトより作成

在住の方はもちろんカンボジアによく来られる方にとっても、支店やATMの数は使いやすさに直結する大事なポイントとなります。金利は高いに越したことはありませんが、先ほどの表と見比べリスクと合わせて判断する必要がありますね。

次ページでは、SBIホールディングスが筆頭株主で、日本人に高い人気を誇る「プノンペン商業銀行」での口座開設手続きを具体的にご説明しましょう!

Next: 所要15分!プノンペン商業銀行の口座を開設してみよう


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所要15分!プノンペン商業銀行の口座を開設してみよう

カンボジアで口座を開設するにあたり、実は旅行者の方では開設できない銀行も多くなってきています。

申し込み時の条件として、ビジネスビザの取得や労働許可証・雇用証明書・在職証明書などの提示を必要としている銀行が増えているのです。

これはカンボジアだけに限ったことではなく、他の国でも規制が厳しくなっており、言い換えれば非居住者でも口座を作れる銀行がある「今がチャンス」といえるかもしれません。

すべての銀行の条件を知っているわけではありませんが、僕が知る限り旅行者で申し込めるのはCanadia Bank(カナディア銀行)、Advanced Bank of Asia(ABA銀行)、Phnom Penh Commercial Bank(プノンペン商業銀行)などです。

Commercial Bank(プノンペン商業銀行)

その中でも今回は日本人に高い人気を誇る、プノンペン商業銀行での口座の開設方法をご紹介します。

この銀行が日本人に人気が高い理由は、ズバリ「ジャパンデスク」があること!このジャパンデスクには日本人スタッフが常駐してくれているので、口座開設から入出金まで、全て日本語でOKです。

プノンペン商業銀行は市中心部のランドマーク、プノンペンタワー2階にある

ビルに入りエレベーターで2階に上がると右手すぐに銀行の入り口が見えますが、ジャパンデスクはその角を左に曲がった奥になります。木の茶色を基調としたとてもお洒落な支店に、綺麗な日本人女性が2名常駐されています。

エレベーターを2階で降りると右手にすぐ銀行の入り口が。ジャパンデスクはこの左手奥

廊下奥に見えるのがジャパンデスクの入り口(建物内ではどちらもつながっている)

せっかくなので僕もこの機会に口座を作ってみましたが、日本人スタッフがナビゲートしてくれるおかげもあり、ここで特筆すべきことはないくらい簡単に口座を作ることができました。

普通の銀行ではカンボジアの住所や連絡先が必要なんですが、このジャパンデスクではそれすらも必要なく、日本の住所と連絡先で登録ができるようです。

必要な物といえば、パスポート(ビザ含む)と登録用のメールアドレス、あとは預金する現金(個人の場合は最低100ドル)と発行手数料の2ドルだけです。同行のWebサイトを見ると「その他、運転免許証,健康保険証などを確認させて頂く場合がございます」と書かれていましたが、今回僕は特に必要ありませんでした。

申し込み用紙の項目は少なく、記入はとても簡単

書類の記入箇所も少ないので、手続きはあっという間で所要時間は10~15分程度だったと思います。

キャッシュカードを作る場合はさらに1週間ほど時間が必要とのことでしたが、残念ながら現状は同行のカードにデビット機能やクレジット機能を付けることはできません。Webサイトによると「2015年度半ば以降VISAカードの発行を予定しております」とありますが、8月現在、受け付けこそ開始しているようですが導入時期は未定のようです。

もうひとつ同行の残念な点は、現時点でネットバンクに対応していないこと。口座開設時に登録したメールアドレスからなら取引内容に関しても返答いただけるとのことでしたが、メールでのやり取りではどうしてもタイムラグが出てしまいます。

カンボジアの多くの銀行ではすでにネットバンクやクレジット・デビット機能に対応しているので、プノンペン商業銀行にも今後の対応に期待します。

旅行者(非居住者)の方で「どうしてもネットバンクやクレジット・デビット機能が必要」という方は、カナディア銀行やABA銀行ならどちらも対応しているので、そちらに行かれることをオススメします。

もちろんジャパンデスクはありませんので口座開設のやり取りは英語になりますが、やはりデビット・クレジット機能があると便利です。

僕もABA銀行でクレジット機能がついたカードを持っていますが、これがあれば日本に帰った時でもコンビニなどのATMからお金を引き出せますからね。

ただし、いずれの銀行でもカードの発行には1週間程度は時間が必要となり、受取りは「窓口で本人限り」というのが基本です。

さらに非居住者の場合は、金利にかかる源泉徴収税が高めに設定されているので、あらかじめご留意下さいね。

【参考】プノンペン商業銀行の場合
居住者:普通預金 4% 定期預金 6%
非居住者:普通預金14% 定期預金 14%

いちばん大切なポイント「海外口座開設はなるべく自力で!」

ご覧いただいてわかるように、プノンペン商業銀行での口座開設は、日本語も通じるので非常に簡単です。

他行では英語でやり取りをすることになりますが、申込書を書くこと自体はさほど難しくありません。英語が多少できる方なら、銀行のWebサイトであらかじめサービス内容を読み込んでおけば特に問題ないと思います。

世間では「口座開設ツアー」などと、何万円も手数料を取って口座開設をサポートしているところもあるようですが、海外で口座を作るからには、将来、何かあれば基本的には自分で対応できなくてはなりません

そのため、僕も希望があれば多少の手間賃をいただき口座開設をお手伝いすることはありますが、できればご自分でチャレンジされることをオススメします。

以上、いろいろと書かせていただきましたが、海外で銀行口座を開設する魅力や注意点、少しはお伝えできましたでしょうか?

マイナンバーが始まる前の今がチャンス!かどうかはわかりませんが、もし今後カンボジアで口座を開設するなら、参考にしてみて下さいね!

路地ウラウォッチャー – げん 改め けん

日本で結婚して、たった半年でカンボジアへ単身渡航。彼いわく、結婚3ヶ月で奥さんのご両親に「カンボジアに行きます」と挨拶したことが、人生で最も緊張した瞬間とのこと。男にはやらなきゃいけない時があるとはいえ、本当に今だったのか!? それを証明する為にも、行け!「げん 改め けん」! 働け!「げん 改め けん」!!

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