世の中には、節約する方法がいろいろとあります。しかし、この方法がよいと思っていても、実際に自分の家計・生活にとって正しい方法なのか?というのはわからないものです。そこで今回は、自分に合った節約術を見つける方法について考えます。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)
プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。
よその家計と比較しても意味がない。自分の生活にあった節約とは
あまり議論されない節約術の「良し悪し」
節約すること自体を否定する人は、多くないと思います。そのためか、節約術について賛否両論の意見を戦わせることはあまりありません。
いくつか、節約の方法を列挙してみましょう。
・アプリや帳面で計簿をつける
・日用品は、底値のお店を探して安く買う
・毎日の支出金額を決める
・貯めたお金を何に使うか、目標を決めて毎月定額の貯金をする
・必ず領収書を受け取る
網羅はできていませんが、節約の方法としてよく言われていることです。
本人が実践するかどうかは別として、節約の方法としてこれらを否定される方はいないでしょう。
浪費なのか、収入が少ないのか
私のところに様々な相談で来られる方のなかに、「無駄使いはしてないと思うが、なかなかお金が貯まらない」という方がいます。
そのご家庭の今後の家計収支のシミュレーションをするために、毎月の家計収支を特に支出を詳細に伺うことがあります。
それを見ると、確かに「お金は貯まらない」という家庭があります。なぜなら、生活費以外(旅行やレジャーなど)に毎月相当のお金を使っている場合があるからです。支出の仕方から分類すれば、浪費と言える項目の額が多いと言えます。
また、家計全体の支出は締めているようですが、支出に見合う収入のない家庭もあります。この場合は、浪費をしなくてもお金は貯まりません。
私がこのようにはっきりと断言できるのは、客観的に家計の数字からのみで判断しているからです。
当事者にしてみれば、旅行費が多いと言われても、旅行に行くために働いているという人もいるでしょう。
また、無駄使いをしていると自覚している人の中には、手とり足取り教えてもらわないと節約はできないという方もあれば、そんなことをされると息が詰まると思う人も多いでしょう。
・お金を貯める
・節約をする
という共通の認識はあっても、その捉え方は様々なのです。
Next: よその家計と比較しても意味がない? 収入に見合った生活とは
他人の生活と比較しても意味がない
しかし、感覚はそれぞれ人によって違うとわかっていても、他人の生活が気になる人もいます。
相談者さんの中には、「自分の家計は、よそのうちと同じ程度ですか?」と、
・毎月の貯蓄額
・毎月の支出額
・住宅の購入金額
・子どもの塾代などの教育費
・生活費
などの具体的な額を質問されることがあります。同程度の生活をしている家庭と比較して、質問・相談される方が多いのです。
そして、私が「同じです」と答えるのを期待している人が多いように思います。
しかし、同じ間取りのマンションのお隣さん同士でも、同じ家具を買うことはなく、同級生の子どもがいても弁当は別メニューでしょう。
そのため、「収入が同じでも、支出の内容は違います」とお答えします。
「節約」の考え方も人ぞれぞれ
ひとことで「節約」と言っても、その考え方は人ぞれぞれです。
極端な例ですが、同じ品物を買った場合に、1円でも安物を買ったら節約をしたと思う人もいるでしょう。また、お店の人と交渉して10,000円の値引きをしてもらえたとしても、その品物の仕入れ値から言えば、もう少し値引いてもらってもよかったと考えて、節約できたとは思えない人もいるでしょう。
・収入額が違う
・物の価値への感覚が違う
・家計から支出できる金額が違う
少なくてもこれだけ条件が違っているので、比べることはできないのです。同じような家計収支の家族を探すことすら、むずかしいものです。
ここは、他人と比べることなく、ご自身の家計にあった生活をすればよいのです。
Next: 自分にあった節約方法を見つけるには?
自分にあった節約方法を見つける
まず、節約をするには、
・将来の子どもの教育費
・住宅の購入費や老後の生活資金
・夏休みの旅行費
などといった貯蓄をする目標を決めます。
そして、貯蓄の目標額と積立期間から、毎月の貯蓄額を決めます。
貯蓄をするお金から残ったお金で生活することを、基本としてはいかがでしょう。
当然ですが、他人のことを気にする必要はありません。よそのうちがやっているからと言って、節約のために無理をして1円でも安いスーパーを探す必要はありません。
他人を気にする気さえ起きない、あなたの家庭のオリジナルな節約方法を決めて、その方法を実行して効果が上がれば、それが自分にとって最も適した節約方法といえます。
まずは、貯蓄の目標を決めて、我が家の節約を実行しましょう。
『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2018年6月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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