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アナリスト分析に飛びついていませんか?情報を投資に正しく活用する方法とは=山田健彦

投資のプロであるアナリストの情報といえば、初心者は何も考えずについ飛びついてしまいがち。しかし、せっかくの情報も正しく使わなければ意味がありません。(『資産1億円への道』山田健彦)

初心者がしてしまいがちな、初歩的な投資のミスを避けるために…

一般的な人は、どのように投資スタイルが進化するのか

アナリストとの向き合い方ですが、まずは、一般的な人の場合、投資スタイルの進化はどのような展開をたどるのか、見ていきます。大体、以下の通りだと思います。

1.何を買えばよいのか分からないので、アナリストやマネー雑誌、著名株式評論家の推奨銘柄に直ぐに飛びつく

2.それで儲かった事もあったが、損することも多かったので、教科書を読み「ファンダメンタル的に安いものに投資すれば良いのでは」と気が付く。証券会社が提供しているスクリーニング機能を利用して安いと思われるものに投資してみた。

3.安いはずのものに投資してみたものの、株価は中々、上がらないことも多かったので、少し作戦を変えて、テクニカル分析も勉強して、ファンダメンタル的に安いものの中から、テクニカル的に買いサインが出ているものに投資するスタイルに変更。

4.しかし、ファンダメンタル的に安いものは、中々テクニカル的な買いサインが出ず、これも待ちの期間が長くなる事に気づく。

5.さらに作戦変更をして、テクニカル的に買いサインが出ているものを先に探し、その中からファンダメンタル的にも納得できるものに投資するスタイルに変更。

というパターンを辿るようです。筆者とて例外ではありませんでした。筆者は今では、さらに進化(?)して口座は3つに分けています。

1つは、株式の長期積立と債券中心の口座株式長期積立では主として配当利回りと利益率に着目します。

2つめは、中期用として、2~3ヶ月程度の保有を前提に投資する口座。こちらはテクニカル的に買い場と思われるもので、売上高や営業利益の伸び率が高いものに着目します。赤字から黒字転換した、とか連続増配企業などにも注目します。

3つめは短期用として、2~3日程度からせいぜい2週間くらいまでの保有を前提に投資する口座です。こちらは、赤字企業や無配企業でも構わずにチャートの形状とテクニカル指標のみに着目します。

これら3つに口座を分けるのは、長期的視点に立つ投資と短期的視点に立つ投資の口座を分けておきたいからです。

これらを1つの口座で行うと、保有銘柄一覧を見ていて「これは長期積立だからこの程度の含み損はまだOK。でもこちらは短期勝負なので一旦損切りしなきゃ」など同じ程度の含み損でも対処が異なる事が多々出てきて、イライラする事が多くなりました。これは余計なエネルギーを使うので避けることにしたのです。

投資予算の配分は長期投資用が5割くらい、中期が3割、短期が1割、残りは常にキャッシュで持っています。またその時々の投資環境により、中期と短期に割り振る予算は変えます。

Next: アナリストが提供する情報は、どんなものなのか?



アナリストは、いつ買えばいいかは教えてくれない

で、本題の「アナリストとどう向き合うか?」ですが、まず「アナリストは何を買えば良いかは教えてくれるが、いつ買えば良いかは教えてくれない」ということを肝に命じておいてください。

上記1.のパターンです。アナリストやマネー雑誌、著名株式評論家の推奨銘柄に直ぐに飛びつくのは止めたほうが良いです。

買い出動するタイミングは、チャートの形状やテクニカルサインを見ながら自分で決めた方が失敗は圧倒的に少なくなります。

アナリストは通常、ファンダメンタル分析から予想を立てます。企業に取材に行きさまざまな質問をしながら、今期や来期の売上や利益はどのくらい伸びそうか?

それは同業他社と比べて良いのか、見劣りするのか?

コスト削減の余地はまだまだあるのか、それともギリギリか?

この会社の属する市場は、その規模がまだまだ拡大しそうなのか? それとも飽和しているのか?

などから、その銘柄の一株当り利益(EPS)を予測して、それに業界平均PERや当該銘柄の過去平均PERを掛けて目標株価を出す、という手順を取ります。

このアナリストの描くストーリーに大多数の投資家が賛成すれば株価は上昇トレンドを描きますが、「現段階では、そのストーリーには無理があるな」と考えれば、株価の上昇は期待薄です。

例えば「米国大統領がツイッターに最近書き込んだ内容から考えて、この企業が属する業界の業績はそこまで伸びるかな~?」と思われたら、株価は上昇しません。

その投資家の予想を表すのがチャートの形状やテクニカル指標なのです。

ですので、特に個人投資家の場合はアナリストや株式評論家の買い推奨に直ちに飛びつくのは我慢して、自分で買うタイミングは判断する習慣を確立したいものです。

大事なことなので再度書きます。「アナリストは何を買えば良いかは教えてくれるが、いつ買えば良いかは教えてくれない」

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資産1億円への道』(2018年12月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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