サンドイッチ店「サブウェイ」をFC展開する企業が破産しました。外国人はこのニュースに驚くでしょう。日本では「ほんの少し高め」の価格でもう売れないのです。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)
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日本と海外のサブウェイに大差はない。違うのは国民の景況感か…
アルペン、昭文社など「希望退職」募集が続々
最近、希望退職の募集や閉店が目立ってきました。
日本では、依然として、デフレ不況が続いているわけです。いくら失業率が低いとか、株価が高いと言っても、不況の深刻化は隠しようがありません。
アルペンの300人希望退職、地図・ガイド本の昭文社の希望退職などが話題になっているように、
業績悪化にともなうリストラが本格化しています。
また先日は、苦戦が伝えられていたサンドイッチチェーン「サブウェイ」の首都圏のフランチャイズ、エージー・コーポレーションが破産。
また、これまで経営は盤石とみられてきたサンマルクカフェなどを展開するサンマルクも、業績の変調で株価が大幅安となっています。
「ほんの少し高め」の価格で、もう売れない
大塚家具は言うに及ばずで、つまり、超デフレ価格よりも、少し「高め」の価格で展開する企業が軒並みダメージを受け、売上低迷の影響が出てきているのです。
吉野家も、そうですね。
「高め」といってもほんの少しで、日本の消費者が、そのほんの少しについていけなくなってきているわけです。
不振にはそれぞれ理由があり、超デフレ価格でうまくやっている企業もあります。
実際のところ日本は、本当は人手不足ではなくて、雇用がだぶついており、可処分所得が上がらずに、むしろ厳しさを増しているわけです。
たぶん、外国人は「サブウェイ」不振に驚く
サブウェイの日本での不振には、おそらく外国人は驚くでしょう。
「日本人には、サブウェイでも高いのか?」と、こんな感じでしょう。
NYに長期滞在しますと、サブウェイは、たいへん重宝します。
だいたい、駅周辺の目立つところにあったりしますし、どの商品がいくらか、価格が明瞭です。接客も、きっちりしています。
確かに立地は、外国のサブウェイの方が、いい場所にあります。これは日本では、スタバ、タリーズ、ドトール、マックなどとの立地争いが厳しいためでしょう。
外国では、日本みたいに全部そろっているというのは少ないですから、おのずとサブウェイがいい場所を押さえることができるのでしょう。
Next: 日本と海外のサブウェイに大差はない。違うのは消費者の「財布の紐」か
日本と海外のサブウェイに大差はない
NYの食事では、デリのようなセルフタイプでも、10ドル以内というのはなかなかないのです。
デリでもすぐに10ドルは超えてきますし、レストランとなれば、それほど良い所ではなくてももっとしますから、サブウェイは安さで目立つわけです。それで、だいたい、どこのサブウェイも人気を集めているわけです。
日本での不振については、内装の問題を指摘されたりしています。
確かに日本国内での比較ではそうなのですが、外国の人気店のサブウェイが特に良いかというと、店舗は日本のサブウェイと同じような感じなのです。
おそらく唯一、違う点は、外国の場合、作る側の店員さんがアバウトで、客側もアバウトで満足し、それでいて、店員さんが楽しそうに美味しそうなサンドを作ってくれるということですね。
日本では、双方が律儀すぎるということがあるのでしょう。
話が長くなりましたが、外国の場合、日本のようにデフレが激しくないので、NYなどのサブウェイは、レストラン価格との比較で十分に競争力があるということです。
スターバックスは「場所貸し」要素が大きい
こう書くと、日本でも「スタバはお客さんが多いではないか」という話になるのですが、スタバは、仕事や勉強をする客が多い滞在型となっていますから、飲食店と言うよりも、「場所貸し」要素が大きいですね。
また、日本のスタバが、世界的に見ても大きく進化しているのも確かです。
日銀の株価かさ上げで、デフレをごまかし
結局、日本のデフレ不況は、戦後最悪レベルで激しいものとなっています。
しかし、日銀が株式(ETF)を大量に買ったりして、株高などでごまかしているということです。
先日、ダイヤモンド・オンラインの記事で、日銀が「大株主」になる企業100社ランキング!(2017年9月21日配信)をみかけたのですが、驚くべきデータが紹介されていました。
2017年8月末時点で、ファーストリテイリングの浮動株では、63.2%を日銀が保有しているとのこと。また、日銀が浮動株の2割・3割保有しているという企業がずいぶん出ていました。
それで、この記事は2017年のデータなのですが、その後も日銀は1日に約700億円とか株式ETFを買う日もありますから、どんどん、さらにもっと保有が増えているわけですね。
もうこれは、ほとんど「買い占め」と言えるのではないでしょうか。
Next: 本当はもっと低い日経平均株価。「日本はデフレ不況」という国民感覚が正しい…
「日本はデフレ不況」という国民感覚が正しい…
日銀の株式ETFの購入がなければ、自然な日経平均の株価は、かなり低いはずです。
「株価が高いから、景気は良い」という話にしているわけで、これは、株価をゆがめて景気認識をゆがめているわけです。
こういうわけですから、実際のところは、日本のデフレ不況が激しいというのは、国民感覚や、街中の様子の方が正しいと言えるでしょう。
いくら、日銀が株価だけを持ち上げてみたところで、デフレ不況は隠しようがないということでしょう。
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『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2019年1月17日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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