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好調が続く日本市場。だからこそ、次の急落に備えてしておくべきこととは=相川伸夫

現在、日本市場は堅調に推移しています。しかし、次の急落がまたいつ起こるとも限りません。そのときに備えておくべきことを改めてしっかり確認しましょう。(『億の近道』相川伸夫)

プロフィール:相川伸夫(あいかわ のぶお)
現役の「サラリーマン」兼「投資家」。自ら「情熱投資家」を名乗る。大手技術系企業に勤務する傍ら、積極的に企業にアプローチして内容を吟味したうえで投資をすることを旨としており、その行動力と分析力はプロも舌を巻く。

急落でダメージの大きい信用買いの使い方に注意

日経平均のPBR1倍は押し目という結果に

去年の12月は多くの方が痛手を負ったことと思います。中にはあえなく退場してしまった方もいるでしょう。現在株式市場は堅調に推移しており、日経平均だけではなく売られ過ぎた個別銘柄にもリバウンドの動きがみられます。

2016年のチャイナショック、ブレグジットに続き、またもや日経平均のPBR1倍は押し目という結果になりました。

投げが投げを生むパニックの際には、どれだけ優良な企業であろうが売られるということが改めて痛感できた相場体験でしたね。そして、嵐が過ぎると落ち着きを取り戻した投資家が優良な企業の株を『安い!』と言って買い上げる。

できることなら…
1、相場がパニックになる前にキャッシュポジションを30%以上用意する
2、あからさまに相場がクラッシュしたタイミングにはキャッシュの15%買いを入れる(クラッシュの中身は要検分)
3、戻ったタイミングでは追加分は早めに売却

このような行動が取れるとバッチリですよね!

しかし、多くの方がこの逆をやった結果が相場のクラッシュです。一体どうしたらよかったのでしょうか?

まず一番に、今回最も手痛いダメージを食らったのは『信用買い』でレバレッジをかけていた方なのは間違いありません。

ほとんどすべての企業の株価が下がったので、維持率がみる間に低下⇒追証、もしくは追証間近になってしまった。

その方々は株価の下落を耐える、もしくはそこで買い増すなんて選択肢はまずありません。投げ売りと分かってもそうせざるを得ないのです。

これは機関投資家や投資信託の運用会社の解約売りも同様で、そうせざるを得ません。

動物が大地震の前のわずかな予兆で避難行動を始めるがごとく、投資家としても大地震の前に避難行動が出来たらベストなのですが、それができたら誰も苦労しません(笑)。とはいえ、『相場急落に備える』ことは誰でもできます!

Next: 次の急落に備えて、今から準備しておくべきことは?



今日からできる相場急落への備え

信用取引は明確な期日を自分で設定して勝負する時にだけ限定して使うこと
⇒ダラダラと一年通して使ったりすると、年に2回程度の急落を全て食らってしまう

・信用取引を使う場合、維持率は100%(現物株1対信用1)までにとどめるようにすること
⇒信用は上手く使えればとても有効ですが、身も滅ぼします。使うからには覚悟と自律を!

・全体相場がリスクオン・オフの度合いに合わせてキャッシュポジション(投資余力)を調整して下落時に買えるように備えること
⇒今がリスクオンなのかどうかの測り方に一番はありません。移動平均からの乖離や日経平均PBR、トピックス配当利回り等ありますが、自分の目でチェックする行為がなにより大事です。それによって感覚はかなり研ぎ澄まされます。

新聞やテレビを含めメディアというものは『たくさんの方の目に留まる』ことが収益の条件です。よって、相場が悪くなれば不安を煽るような記事が増え、相場が良くなると調子の良い記事が増えるのは皆さんもご存知の通りかと思います。

それがメディアの仕事とも言えます。

不安を煽られようとも、調子の良いことばかり並べられようとも、自分の目で現在の景況感を判断する指針を持つことで昨年の12月末で買うという行動も可能になります。

経験こそ善です!今回の経験で私も多くのことを学びました。それらを忘れない様にワードでまとめています。

いきなり『上手くやる』なんてできないんです。しかし、『努力する』ことは全ての人に与えられた平等な権利です!

0と1は数字の1の差ではありません。『無』と『有』、そこには無限と言えるほどの差が存在します。1ができれば2を目指し、いずれ10にも至ります。

目標は高く!けれど、そのためのステップは低く!『上手くやる』事なんかよりも『とりあえずやってみる』フットワークの軽さのほうが、はるかに強いと私は感じています。

皆さんの投資が良いものとなりますように!

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億の近道』(2019年1月29日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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