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「専業主婦」世帯は高確率で貧困に~婚活女性の覚めない夢と、支えきれない男の現実=山本昌義

婚活相談に来る女性に「専業主婦になりたい」という方は多い。しかしこれは現実と逆行する願望です。専業主婦世帯の未来には、高確率で貧困生活が待っています。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)

プロフィール:山本昌義(やまもと まさよし)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。

専業主婦はもはやリスク。老後も共働きで何とか生活できる時代へ

専業主婦になりたい女性は多い?

「婚活フィナンシャルプランナー」として活動する私のもとに、30代後半の独身女性が相談に来ました。「私は学もないし共働きはムリです。何とか専業主婦になれませんか?」との内容です。

現在は何とか会社員をしているものの、これまでずっと女性は結婚したら家庭に入るものと考え、今までロクに経験を積んでこなかったそうです。

これ、想像以上に多い女性像かもしれませんね。お気持ちは痛いほど分かるのですが…。

今回は改めて、現代の結婚事情と専業主婦のリアルをお伝えします。

男性は専業主婦を嫌がる

さて、まずは基本ですが「昨今の男性は専業主婦を避けがち」というのが1つの現実です。

基本的に今は男性でも稼げない時代になっています。そして、稼げないから残っているのが独身男性です。

稼げる男性はすでに売れていますし、稼げるのに残っている男性は「なぜ?」でしょうか。年収以外に、大きな問題があることが多いです。

このため、今のままでは結婚そのものができない可能性が高まります。仮に結婚できても、男性にしがみつく姿勢では、いずれ男性が重く感じて離婚になりかねません。

幸い、今のところ会社員をしておられますし、考えを改めるのが一番ではないでしょうか。

ただ…少なくとも、お気持ちは分かるところです。仕事は結婚までの繋ぎと考えて耐えてきたのに、突然、それが厳しいとなれば辛いですよね…。

でも、残念ながら現実は変わりません。現実に合わせて対処する必要があります。専業主婦になれたらラッキー程度に考えて、まずこの点は抜いて婚活に励みましょう。

専業主婦世帯はいずれ行き詰まる

さて、並行的に大切なことなのですが、「今時の大半の専業主婦世帯は、いずれ行き詰る」のもまた1つの現実です。

これは結婚直後の話ではありません。子どもが大学に進学する頃、あるいは老後の話です。

確かに、結婚直後だけなら食費程度の負担なので、男性も相応に年収があれば専業主婦を認めます。即座に家計破たんなどしないでしょう。

しかし、長い人生においては様々なことにお金が必要です。教育費を筆頭に、住宅資金や老後資金なども必要です。

一方、専業主婦になると現役中の収入は元より、将来的な年金も国民年金になるので、生涯スパンで数千万円の収入が失われます

その結果、教育費か住宅ローンがキッカケ、あるいは長い老後で破産する人が続出中です。

地方では未だに専業主婦の習慣が残っていますが、その多くは耐えられないでしょうね。

Next: もはや専業主婦はリスク。大手の正社員でも定年まで残れる保証はない…

もはや専業主婦はリスク

そもそも今はリストラや倒産などが相次ぎ大手の正社員でも定年まで残れる保障がありません。仮にそういう男性と結婚できたとしても、夫が職を失ったら…どうしますか?

もはや「専業主婦はリスク」しかありません。

ラクな方へ逃げたいお気持ちは分かりますが、その先にはさらなる苦痛や困難が待っていますから、できれば先々を考えて道を選びましょう。

専業主婦を支えられる男性はいない

どうしても専業主婦になりたい…。これは、本当によく聞く、女性の偽りのない本音なのでしょう。

お気持ちは本当にわかるものの、もはやその気持ちに応えられる男性は中々いません

たとえ年収が低くても、結婚せずに1人でいるよりはよっぽど支えになってくれるハズですから、まずは専業主婦を忘れて婚活しましょう。

そして、専業主婦の未来は絶望的です。かなり高い確率で、貧困生活が待っています。できればこの機に考えを改めて、共働きを前提にした婚活に励みましょう。

もう「女性だから」は通じない

関連して、40代前半の新婚女性から「仕事」についての相談を頂いたのでご紹介します。「仕事を辞めるのが怖くなった。今はそんなにダメなことですか?」という内容です。

長年、仕事は結婚までの繋ぎと考えてきたものの、前述の相談内容を読んで心配になったそうです。年齢的にクビの可能性も高いと感じるそうなので、余計に考えがまとまらなくなったとのこと。

旦那さんは深く考えず「頼っていい」と言うそうですが…、ギリギリのところだったかもしれませんね。

今一度、仕事への考え方と現代人生のリアルをお伝えします。

Next: これからは「老後も共働き」で何とか生活できる時代…

これからは「老後も共働き」で何とか生活できる時代

さて、まずは基本ですが、今は「定年後も共働きしてどうにか」というのがリアルな実情です。

長年の仕事への考え方とは真逆でしょうし、突然そう言われても、厳しすぎるかもしれません。しかし残念ながら、これが現実になります。

なにせ今は人生100年時代。老後生活は40年も続きますからね。生活水準や貯金額にもよりますが、最低70歳、できれば80歳まで働くのが基本です。

旦那さんの「頼っていい」という言葉は、相談者さんがおっしゃるように、考えが足りないからこそ言えた見栄…でしょうね。

そして、この考え方は男女を問いません。妻が仕事を減らすなら、その分、男性が稼がなければなりません。しかし、大抵の男性は、もうそこまで稼げません。現役中はともかく、老後ならなおさらムリです。

一方で、今はもう終身雇用は崩壊しています。40歳を超えればクビになる可能性も高まるでしょう。クビがなくても、現役は60歳で終了です。

このため、女性もクビにならないため、仮になってもすぐ再就職を果たせるよう、生涯の努力が求められている時代です。

まずは今一度、現在の現実を理解しましょう。

人生にはいくつかリセットできない事象がある

さて、並行的に大切なことですが、「辞める前で本当に良かった!」というのが率直な感想です。

これは仕事に限らないのですが、人生にはいくつかリセットできない事象があります。

例えば、子供は産んでしまえばお返しできず、家は買ってしまえば簡単に売却できません。仕事は一度辞めれば社会復帰は困難です。

そして、時間はけっして過去には戻せません。ひたすら未来に向かってのみ進みます。

人間はいくらでも変われる

その上で、人間はいくらでも変われます!

苦痛が伴い、苦労もするものですが、それでも早期の努力は未来を楽にします。

逆に、先にラクな選択をすればするほど、最終的な未来で苦痛を味わうことになるわけです。

どの道、いずれ苦労しなければならないのなら、先にやってしまった方がいいのではないでしょうか。

Next: 女性も男性も関係なし。誰もが「生涯働く」時代へ

誰もが「生涯働く」時代へ

上記の例でもそうですが、リセットできない事象の多くは、実は「結婚直後」に集中しています。このため、今が未来を考えて変えるための最高のタイミングとも言えるわけです。

旦那さんはあくまでパートナーとして考え、今から改めて「自立」していきましょう。

最後にちょこっと…。結婚したんだし仕事を辞めたい、減らしたい…。まだまだ多い女性のリアルなホンネでしょうね。

ですが、もうこれは現実に逆行した願望です。本当にやってしまったら、高い確率でいずれ旦那もろとも共倒れするでしょう。クビになり、再就職を果たせなくても同様です。

もはや「女性だから」は通じません。女性も男性同様に、生涯働く気持ちと実力を身につけましょう。

そして、辞める前の相談で本当に良かったです。今さら感も強いでしょうが、人間は変われますから、ぜひ今日から考えと心を入れ替えて、懸命に仕事に取り組んでいきましょう!

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婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』(2019年2月8日, 15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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婚活中の方、ご成婚された方 こんにちは。婚活FP山本と申します。 昨今は空前の婚活ブーム! …引いては婚活が厳しい時代です。 ご結婚に至っても、3組に1組は離婚する時代。 大変な時代ですね。 ここでは、私が実際にお受けした相談内容を元に 男女の心理差や経済的な側面を主として なぜダメなのか?どうすれば良かったか?を分析し 実例として、皆様にお届けさせて頂きます。 なお、私は「現実的な結婚」を支援しています。 そして、実例は男女の本音が登場します。 このため、皆様の夢を打ち砕く内容も多いかと思いますが ご容赦の上でお読み頂き、ご活用下さい。

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