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この世界的株高はどこまで続く?3月相場に向けた日経平均とドル円相場の行方とは=馬渕治好

26・27日の議会証言でパウエル連銀議長が、利上げ様子見の方向をくつがえすとは考えられず。先行き不透明ながらも、今週も先週に引き続き株高の方向の構えか。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2019年2月25日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

馬渕治好の週次メモ「時の花」2019/2/25号より

日経平均:世界的株高の流れを受けて上昇

<今週(2019/2/25~3/1)の日経平均予想>

2万1,000~2万1,700 円
(先週の予想:2万500~2万1,400円)
(実績値:2万1,189.97~2万1,553.35円)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

先週は、世界的に株高の流れが続いた。ただ株価上昇の背景としては、「米中通商交渉の進展期待」「米連銀の利上げ打ち止め期待」といった以前から浮上し使い古された「好材料」を、繰り返し買いの「口実」としているに過ぎない。

実際には、主要国のマクロ経済指標にはかえって先行きを懸念させるものが増え、日米等のアナリストの企業収益予想の平均値も下方修正が止まらない。こうした実態悪に対し、さしたる根拠なく(おそらく心理的な行き過ぎた楽観や株価が上振れしたことによる売り方の買い戻しによる)株価上昇は、かえって先行きの株価下落を一段と大きなものにしつつあると懸念される。

ただし短期的には、根拠の薄い株高が、勢いだけでさらなる株高へと進展してしまうことはありうる。中期的には株価下落基調に突入すると踏まえつつも、短期的には逆に株価が上向きに進む可能性がある点も、同時ににらむ必要があるだろう。

為替:米ドル円の膠着はまだ続く可能性

<今週(2019/2/25~3/1)の米ドル円相場予想>

110.00~111.20円
(先週の予想:109.50~111.00円)
(実績値:110.44~110.90円)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

先週は全般的に外貨高・円安気味の推移となったが、米ドル円に限れば、値動きが小さくなり、膠着商状を強めている。

パウエル連銀議長は、2/26(火)に上院で、2/27(水)には下院で、議会証言を行なうが、今年に入ってからの利上げ様子見姿勢をくつがえすような発言を行なうとは見込みがたく、おそらく市場を動かす要因とはならないだろう。

3/1(金)には2つの期限(米国での、対中輸入2,000億ドル分に対する追加関税引き上げと、連邦債務上限の復活)が控えていたが、追加関税の引き上げは延期されることとなった。また3/1を超えて債務上限が復活しても、すぐに米政府が資金繰りに窮するわけではない(数か月は「埋蔵金」で資金繰りがつくとみられる)。したがって、3/1でいきなり米ドル相場が動くわけでもなかろう。

このため、米ドル円相場の膠着は、まだ少し続く可能性がある。ただ、逆に突然市況が振れる(おそらく米ドル安方向へ)との警戒はすべきだろう。

Next: 日本の輸出動向に注目すると…



日本からの輸出が足元で大きく下落

【今週の一枚】

日本からの輸出の伸びが、足元で大きく落ちてきている。2/20(水)に公表された1月分の統計では、輸出数量も金額も前年比マイナスだった。金額では2か月連続、数量では3か月連続のマイナスで、かつマイナス幅は月々拡大している。

こうした落ち込みの度合いは、図で見ると、2016年前半を想起させるような動きだ。とすれば、2015年後半から2016年前半にかけてのような株価下落が生じてもおかしくないが、足元の相場はこうした実態面の悪化を軽視し、堅調に動いている。これはかえってこの先の株価下落を一段と厳しいものにしてしまうと、懸念せざるを得ない。

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馬渕治好の週次メモ「時の花」』(2019年2月25日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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