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警戒に反して進む円安、米中の次にターゲットとなる日米貿易のアンバランスの影響は?(3/4)

米中貿易協議の進展に期待をよせつつ、今週はECB定例理事会、米2月雇用統計(予想は鈍化)、2月ISM非製造業指数(鈍化予想)など、米国経済の先行き懸念も強い。(『トマスモア 外為相場情報 -勝つための最強法則-』)

これ以上の円安にはなりにくい中、112円台を付ける場面も

USD/JPY: ドルは懸念に反して続伸か

米通商代表部(USTR)は議会に提出した通商政策の年次報告書で、「米政府は国内の労働者や輸出企業にさらなる機会をもたらすため、日本、欧州連合(EU)、英国との新たな貿易交渉に乗り出す」ことを表明したこともあり、これ以上の円安になりにくい状況にあるが、こうした中で、112円台まで円安に振れていることは、円キャリートレードが再開している気配があるとも言える。

米中問題の次のターゲットは日本との貿易アンバランスだが、日本は重要な同盟国であるだけに、あまり無理な要求は避けるのではないか。米国国内への経済的マイナスな影響も加味しなければならない状況にあることとも強硬な姿勢を取り得ないだろう。

200日修正指数移動平均レート(Ajust Exponential Moving Average: MEMA)は111.01、90日指数移動平均レートは110.98、55日指数移動平均レート110.91、21日移動平均レートは110.54、10日移動平均レート110.79です。

<直近2週間の実績レンジ>

高値112円08銭 / 安値110円35銭 半値111円22銭

<今後1週間の予想レンジ>

高値112円75銭 / 安値111円25銭

ドル円 日足(SBI証券提供)

Next: ユーロ円の今後の動向は…



EUR/JPY: ユーロは小じっかりした動きか

6日の欧米通商協議でのユーロ高・ドル安への警戒感、7日の欧州中央銀行(ECB)理事会での経済見通しの下方修正の可能性など、市場の懸念はユーロ安だが、これまで長く続いていたユーロ安の反動が出ていることから、意外にもユーロ高の流れも想定しうる。

200日修正指数移動平均レート (Ajust Exponential Moving Average: MEMA) は128.22、90日指数移動平均レートは127.58、55日指数移動平均レート126.73、21日移動平均レートは125.66、10日移動平均レート125.82です。

<直近2週間の実績レンジ>

高値127円50銭 / 安値125円19銭 半値126円35銭

<今後1週間の予想レンジ>

高値128円50銭 / 安値125円25銭

ユーロ円 日足(SBI証券提供)

Next: ポンド円の今後の動向は…



GBP/JPY: ポンドは依然として戻り売り作戦か?

ポンドは今月末でEUとの離脱交渉の期限を迎えるが、「前門の虎、後門の狼」といった状況で、延長が合意できても混乱の解決にはならず、不安定な状況が続きそうだ。最近ポンドの売り疲れ現象が顕著であり、反動の買い戻しの動きはやはり売りか?

200日指数移動平均レート (Exponential Moving Average: EMA) は146.02、90日指数移動平均レートは144.44、55日指数移動平均レートは143.74、21日指数移動平均レートは143.73、10日移動平均レート145.06です。

<直近2週間の実績レンジ>

高値148円57銭 / 安値144円13銭 半値146円35銭

<今後1週間の予想レンジ>

高値149円50銭 / 安値141円50銭

ポンド円 日足(SBI証券提供)

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トマスモア 外為相場情報 -勝つための最強法則-』2019年3月4日号より
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